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ウイスキー価格動向 ジャパニーズ

定価購入が困難な「イチローズモルト」とは?流通価格・種類を解説

「イチローズモルト」はウイスキーファンから注目を集めているジャパニーズウイスキーです。
人気銘柄で生産数が少ないので市場に出ればすぐに売り切れてしまい、希少価値が高いために定価以上に価格が高騰してしまうのが現状です。

今回は「イチローズモルト」の基本情報やラインナップと共に、2023年8月時点の気になる流通価格を紹介します。

>>「イチローズモルト」各銘柄の流通価格や購入方法・おすすめの飲み方をすぐに見たい方はこちら

この記事の監修者

柿﨑祐介

柿﨑祐介

BARWHITEOAK店主。青森県出身。ウイスキーとワインをこよなく愛する。ウイスキーエキスパート、ソムリエ。バーテンダー歴11年。

「イチローズモルト」とは

「イチローズモルト」は埼玉県秩父市の「秩父蒸溜所」で造られているウイスキー。
秩父蒸溜所を所有する株式会社ベンチャーウイスキーが、製造から販売までを手がけています。

「イチローズモルト」の名前の由来にもなっている肥土伊知郎(あくといちろう)氏が、株式会社ベンチャーウイスキーの創業者です。

秩父蒸溜所で造られる「イチローズモルト」は販売されるとすぐに売り切れてしまう人気銘柄ですが、大きく分けて2種類のウイスキーがあります。

ブレンデッドウイスキー海外の原酒をブレンドして造られる
シングルモルトウイスキー秩父蒸溜所で造られる

2種類のウイスキーは両方とも世界的に評価されており、「イチローズモルト」のクオリティーの高さがうかがえます。

「イチローズモルト」のブレンデッドウイスキー

「イチローズモルト」には、数種類のモルト原酒を使用したブレンデッドモルトウイスキーと、モルト原酒とグレーン原酒を使用したブレンデッドウイスキーの2種類があります。

「イチローズモルト」のブレンデッドウイスキーは海外の原酒を厳選し、秩父蒸溜所で樽詰めから熟成の作業を行って、オリジナルの原酒を造りブレンドします。

「イチローズモルト」ブレンデッドウイスキーの代表作は「リーフシリーズ」。
人気があり、ネットオークションやオークションサイトでもプレミア価格がついています。

「イチローズモルト」のシングルモルトウイスキー

「イチローズモルト」のシングルモルトウイスキーには定番ボトルがなく、限定商品のみの販売ばかりです。
さらに、人気銘柄も多くリリースされてもすぐに売り切れてしまうことから、定価での購入困難なものばかり。

そんな「イチローズモルト」のシングルモルトウイスキーは、秩父の風土を活かして造られています。
秩父は夏は高温多湿、冬は氷点下の環境で、短期間の熟成で質の良いウイスキーが製造可能です。

なお、ルト原酒は、秩父蒸溜所と現在は閉鎖されてしまった羽生蒸溜所のものだけを使用しています。

株式会社ベンチャーウイスキーが「イチローズモルト」を製造

株式会社ベンチャーウイスキーは、日本で初のウイスキー専業メーカーとして、2004年に肥土伊知郎氏によって作られた会社です。

もともと、肥土家は代々酒造メーカーでした。
肥土伊知郎氏の父の代に経営難に追い込まれることになり、肥土家が所有していた羽生蒸溜所のウイスキーの原酒約400樽も廃棄される運命となりました。
しかし、肥土伊知郎氏は破棄される400樽の原酒を自ら買取り、資金を集めて株式会社ベンチャーウイスキーを創業します。

2007年には秩父蒸溜所を設立。
羽生蒸溜所が閉鎖された際に廃棄される運命であった400樽が「イチローズモルト」として復活し、いまでは入手困難な人気ウイスキーとして生まれ変わったのです。

肥土伊知郎氏のウイスキー造りに対する情熱と信念が伝わってきますね。

「イチローズモルト」を造る「秩父蒸溜所」について

前述の通り、秩父蒸溜所は夏は高温多湿、冬は氷点下という厳しい環境です。
厳しい環境はウイスキー造りにおいても多大な影響を与え、秩父の風土が生むウイスキーを造り上げています。

マッシュタンとポットスチルはスコットランドのフォーサイス社から取り寄せており、発酵槽はミズナラの木桶。
スコッチの伝統的な製法をベースに秩父の環境や風土が合わさることで「イチローズモルト」の個性が生み出されます。

仕込み水は、地元の大血川(おおちがわ)渓流の軟水を使用しています。

2019年に秩父第二蒸溜所が設立され、約5倍の量のウイスキーを造れるようになったので、今後「イチローズモルト」が少しは手に入りやすくなるかもしれません。

「イチローズモルト」の種類と流通価格

特にシングルモルトとしての定番ボトルがなく、定価での入手が困難という点からウイスキーファンが憧れる「イチローズモルト」ですが、どのようなラインナップがあるのでしょうか。

「イチローズモルト」の個性豊かなラインナップを、基本情報と共に2023年8月時点での流通価格について紹介します。

イチローズ モルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー(ホワイトラベル)

アルコール度数46%
容量700mL

厳選した海外のモルトとグレーンと秩父のモルトを使用して造られているブレンデッドウイスキー。
ノンチルフィルター(冷却ろ過しない)、およびノンカラー(無着色)で造られています。

柑橘系の爽やかな香りを感じられます。

「イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル」は加水するとコクが出るように造られているため、ハイボールがおすすめです

流通価格と購入方法

2023年8月時点で、流通価格は税込み約4,200円~5,500円です。

「イチローズ」各銘柄の中でも、定価の3,850円に近い値段で購入できる可能性がある銘柄です。

ネットショップで購入でき、販売店で探せば運良く定価に近い価格で購入できる可能性もあります。

イチローズモルト ダブルディスティラリーズ

アルコール度数46%
容量700mL

秩父蒸溜所のミズナラ樽で熟成した原酒と羽生蒸溜所の原酒をブレンドして造られている銘柄。
通称「DD」とも呼ばれ、リーフシリーズの中では唯一の国内産原酒のみで構成される「ジャパニーズ・ブレンデッドモルトウイスキー」となっています。

ミズナラ樽由来のオリエンタルな香りが特徴です。

WWA2009にてベスト・ジャパニーズブレンデッドモルトを受賞。

「イチローズモルト ダブルディスティラリーズ」のおすすめの飲み方はストレートで、本来の味をしっかりと感じられます。

また、ロックで味の変化を楽しむのもおすすめです。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み1万5,000円〜1万8,000円(税抜)で、人気の銘柄で即完売するため、定価で買うことは困難といえます。

ネットショップやオークションサイトでは価格は高騰していますが購入可能で、販売店の場合は入荷のタイミングで限定販売する可能性があります。

イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ(MWR)

アルコール度数46%
容量700mL

複数の蒸溜所のピートの効いた原酒を選んでヴァッティングし、秩父蒸溜所でミズナラ樽を使い再熟成させた銘柄。

ピーティーかつスパイシーな味わいと熟した果実やチョコレートのような香りが楽しめます。

「イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ(MWR)」のおすすめの飲み方はストレート
ピーティーで重厚な味わいを感じてほしい1本です。

トワイスアップにすることで、より上品な香りに変化するので、併せておすすめです。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み1万5,000〜1万8,000円です。

人気銘柄で即完売のため、定価で購入することは困難といえます。

ネットショップやオークションサイトで購入可能で、販売店で入荷されたとしても即完売が予測されますので、こまめに情報をチェックしましょう。

イチローズモルト ワインウッドリザーブ(WWR)

アルコール度数46%
容量700mL

羽生蒸溜所のモルト原酒と数種類のモルト原酒をヴァッティングし、フレンチオーク製の赤ワイン樽で追熟させた銘柄

ワイン樽はマスカットベリーAと、メルロー(いずれもブドウの品種)を熟成していたものなどを使用しています。

ワイン樽由来のブドウの甘味や渋みが特徴的で、フルーティーかつ華やかさを感じられます。

「イチローズモルト ワインウッドリザーブ(WWR)」のおすすめの飲み方はストレート
赤ワイン樽由来のブドウの甘味や渋み、余韻を楽しめます。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み1万2,000〜1万5,000円で、「イチローズモルト ワインウッドリザーブ(WWR)」も人気銘柄で即完売することが多くあるため、定価で購入することは困難です。

人気商品のため品薄状態が続いていますが、ネットショップやオークションサイトで購入可能で、販売店でもタイミングがよければ店頭に並んでいる可能性があります。

イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッド リミテッドエディション

アルコール度数48%
容量700mL

2008年、秩父蒸溜所が稼働開始してから熟成させた原酒と世界中の選び抜かれたモルト原酒と、グレーン原酒をブレンドして造られた銘柄です。

熟したプラムや甘い洋菓子のような香りと芳醇な味わいが特徴で、樽由来の渋い余韻も楽しめます。

「イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッド リミテッドエディション」のおすすめの飲み方は、ストレートです。
アルコール感をあまり感じず、濃厚な甘味を楽しめます。

また、水を少量加えることで味の変化を楽しめるので、ぜひ挑戦してみてください。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み1万4,000円〜1万7,000円で、同様に人気商品で品薄状態が続いているため、定価で購入することは困難といえます。

ネットショップやオークションサイトで購入可能ですが、価格は高騰しています。

販売店では、限定販売や入荷のタイミングと合えば購入できるかもしれません。

イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー クラシカルエディション

アルコール度数48%
容量700mL

「秩父の環境でさらに熟成を深めた世界5大ウイスキーを使用する」というコンセプトをもとに、クラシカルな味わいを追求した銘柄です。
モルト原酒の比率が高めですが、個性豊かな原酒の融合が楽しめます。
複雑で奥深い味わいは、ウイスキーファンをうならせてくれるでしょう。

「イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー クラシカルエディション」はストレートがおすすめです。
世界5大ウイスキーがブレンドされた複雑で奥深い味わい、長く続く余韻を体感できます。

また、ロックで味の変化を楽しむのもおすすめです。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み約1万円で、比較的手に入りやすい銘柄です。

ネットショップやオークションサイトで購入でき、販売店では入荷のタイミングが合えば手に入る可能性がありますので、チェックするのもよいでしょう。

イチローズモルト&グレーン505 ワールドブレンデッドウイスキー

アルコール度数50.5%
容量700mL

「イチローズモルト&グレーン505 ワールドブレンデッドウイスキー」は、新型コロナウイルスで苦境を強いられた飲食店やバーを応援するために造られた限定ボトル。

「イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル」に比べてモルト比率とアルコール度数を高めているので、重厚でしっかりとした味わいが楽しめます。

「イチローズモルト&グレーン505 ワールドブレンデッドウイスキー」のおすすめの飲み方はストレート
モルト感と樽香をしっかりと感じられます。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み2万5,000円前後で、飲食店限定ボトルのため、手に入りにくい銘柄です。

ネットショップやオークションサイトに出回っていますが、値段が非常に高騰している商品です。

イチローズモルト 秩父 ザ・ピーテッド 2022

アルコール度数53%
容量700mL

「イチローズモルト 秩父 ザ・ピーテッド 2022」は、秩父蒸溜所で造られているシングルモルトウイスキー。
名前の通りピート(泥炭)を使用して造られるため、スモーキーで個性のあるシングルモルトです。

強いピート香とスモーキーな味わいが特徴ですが、ほのかにフルーティーな香りを感じられます。

「イチローズモルト 秩父 ザ・ピーテッド 2022」のおすすめの飲み方は、ストレートです。
ピーティーでスモーキーな味わいを存分に感じてください。

飲み進めて、少し加水すると味の変化を楽しめます。

流通価格と購入方法

流通価格は税込み5万円〜6万円で、1万1,000本限定販売の銘柄で、出回っている数に限りがあります。
そのため、価格が高騰しており定価で購入することは困難といえます。

ネットショップやオークションサイトで購入可能ですが、価格が2〜3倍に高騰しています。

イチローズモルト 秩父 ザ・ファーストテン

アルコール度数50.5%
容量700mL

秩父蒸溜所で造られた10年熟成の「イチローズモルト」のシングルモルトウイスキー。
口に入れると、アルコールを感じた後にハチミツやバニラの香り、なめらかな口当たりで柑橘やフレッシュミントを思わせる味わいが感じられます。

「イチローズモルト 秩父10年 ザ・ファーストテン」のおすすめの飲み方は、ストレート
「イチローズモルト」のシングルモルトウイスキーのクオリティーの高さを感じられます。

流通価格と購入方法

流通価格は20万円前後で、限定品で出回っている本数に限りがあるだけでなく、品薄状態のため定価で購入することは困難といえます。

ネットショップやオークションサイトで購入可能ですが、入手したい場合、流通価格が非常に高騰していることを覚えておかなければなりません。

販売店の場合、入荷のタイミングで限定販売する可能性があります。

さらに入手困難な「イチローズ」

「イチローズ」シリーズの中には、さらに入手困難とされる流通価格100万円以上の銘柄があります。
運よくバーで発見したら、記念日や自身のご褒美などで奮発して、味わってみてはいかがでしょうか。

イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー カラーラベル

アルコール度数57.7%
容量700mL

「イチローズモルト カードシリーズ」は、羽生蒸溜所で1985年から2000年にかけて蒸留した複数の樽をヴァッティングしてボトリングした、海外でも非常に人気の高いシリーズです。

「イチローズモルト ジョーカー 」は、カードシリーズの最後を飾る銘柄。
カラーとモノクロームの2種類あります。

カスクストレングス(無加水)のしっかりとした重厚感、熟したフルーツの甘味、ウッディな樽香を感じられます。

「イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー カラーラベル」のおすすめの飲み方は、やはりストレート。
なかなか味わえない、レアなウイスキーです。

途中で加水して変化を楽しめば、2度楽しめます

流通価格

流通価格は税込み100万円以上のプレミア価格で、定価で買うことは不可能で、もしバーで見かけたらラッキーな銘柄です。

ネットショップやオークションサイトにもなかなか出回らない銘柄で、非常に高額です。

前述の通り、出回っていたとしても価格は100万円以上します。

イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー モノクロームラベル

アルコール度数54%
容量700mL

「イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー モノクロームラベル」は、先ほど紹介した「イチローズモルト ジョーカー カラーモデル」と一緒に販売された銘柄。
羽生蒸溜所の原酒を、ミズナラ樽で仕上げています。

241本しかボトリングされていない銘柄なので、とても希少といえます。

「イチローズモルト カードシリーズ ジョーカー モノクロームラベル」のおすすめの飲み方もストレート
「カラーラベル」同様、なかなか味わうことができないレアなウイスキーで、同じく途中で加水して変化を楽しめば、2度楽しめますよ。

「カラーラベル」と「モノクロームラベル」どちらも飲む機会があるだけで、非常に運がいいといえる銘柄です。

流通価格

流通価格は税込み100万円以上で、ボトリング本数が少なくなかなか手に入らない銘柄です。

定価で購入することは困難で、ネットショップやオークションサイトにもなかなか出回りません。

 

最後に

「イチローズモルト」は小さな蒸溜所で造られているウイスキーですが、世界的な評価を受けてジャパニーズウイスキーの価値をさらに押し上げたといっても過言ではない銘柄です。

株式会社ベンチャーウイスキーの酒造りに対する思いや情熱を「イチローズモルト」を飲んでぜひ感じていただきたいです。

手に入りにくくプレミア価格がついている銘柄が多いですが、こだわりの製法、少量生産、世界の評価を考えれば納得できます。

バーや飲食店で見つけた際は、ぜひ注文してみましょう。

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  • この記事を書いた人

torauma

大阪で細々とBARをしています。 好きなお酒はバーボン。 whiskeenを通してウイスキーの魅力を知っていただけたらうれしいです。

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