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スコッチ

ウイスキー「モンキーショルダー」の特徴やおすすめの飲み方を解説

この記事の監修者

大中 ヨシ

大中 ヨシ

都内勤務のバーテンダー兼ウイスキー専門のwebライター。ウイスキープロフェッショナル資格所有。休日には蒸留所や温泉を巡っています。普段はジャパニーズやスコッチを愛飲。推し蒸留所はキルホーマンです。

「モンキーショルダー」とは

ウイスキー「モンキーショルダー」の画像
画像出典:「Unsplash

「モンキーショルダー」は2003年生まれの比較的新しいスコッチウイスキーです。

しかし、新しい銘柄ながら生産者自慢の製法で世界のウイスキーファンから高評価を受けました。

そんな優秀なスコッチウイスキーでありながら「モンキーショルダー」という変わった名前が目を引きますね。

まずは「モンキーショルダー」という名前の由来についてご紹介しましょう。

個性的な名前の由来

「モンキーショルダー」という名前の由来は、伝統的な製造工程であるフロアモルティングの作業が関係しています。

フロアモルティングはモルトマンと言われる職人が手作業で行うのですが、それがとても重労働

その重労働からくる肩こり、肩の痛みをモルトマンが「猿が肩に乗っているみたいだ」と言っていたことから、このウイスキーに「モンキーショルダー」という名前がつけられました。

「モンキーショルダー」の製造場所

「モンキーショルダー」の製造元は1887年創業の老舗ウイリアム・グラント&サンズ社です。

ウイリアム・グラント&サンズ社は、スコットランドのスペイサイド地方ダフタウンに3つの蒸留所を所有しています。

その3つの蒸留所のモルト原酒を組み合わせて造られたウイスキーこそが「モンキーショルダー」です。

ウイリアム・グラント&サンズ社所有の3つの蒸留所には以下のような特徴があります。

グレンフィディック蒸留所バルヴェニー蒸留所キニンヴィ蒸留所
・1887年に創業・ウイリアム・グラント&サンズ社」が初めて造った蒸留所
・「グレンフィディック」は「鹿の谷」という意味
・同蒸留所の「グレンフィディック」は世界で初めてのシングルモルトとして発売される
・1892年に創業
・広大な土地に独自の大麦農場を所有
・モルティングフロアを構えている
・蒸留所が大麦を育てるところからウイスキーの製造まで一貫する非常に珍しい製法を行う
・1990年に創業
・「バルヴェニー蒸留所」に併設
・基本的にブレンデッド原酒を確保するための蒸留所
・シングルモルト「キニンヴィ」は幻のシングルモルトと呼ばれている

「モンキーショルダー」の発祥と歴史

前述したように、「モンキーショルダー」は2003年に初リリースされた、歴史が浅いウイスキー銘柄のひとつ。

そんな「モンキーショルダー」を完成させたのはグレンフィディック蒸留所のモルトマスターであるブライアン・キンスマン氏です。

また、2018年にはコンクリートミキサー車をあしらった「モンキー・ミキサー」によるプロモーションが注目を浴びたことでも知られています。

後述しますが、彼がこだわる製法によって現在では世界のウイスキーファンを虜にする「モンキーショルダー」が完成したと言っても過言ではありません。

「モンキーショルダー」の特徴【製法や分類】

ウイスキーの熟成樽の画像
画像出典:「Unsplash

「モンキーショルダー」はスコッチの中でも伝統的な製法で造り上げるウイスキーです。

そこには「モルトマン」と「モルトマスター」の卓越したバッティング技術が必要とされます。

その製法のこだわりがあってこそ世界中で愛される「モンキーショルダー」が出来上がります。

詳しく見てみましょう。

人力による製造工程

ウイスキーを造る上で大麦麦芽(モルト)を作る作業は必要不可欠。

「モンキーショルダー」の場合、発芽させる工程をフロアモルティングで行います。

フロアモルティングの工程
1. 大麦を水に浸す。
2. 数日間寝かせて水を大麦にしっかり含ませる。
3. 水を含ませた大麦を床一面に広げて空気に触れさせる。
4. モルトマンがシャベルで数日間攪拌させる。(発芽を均一にするため)
5. 発芽したら乾燥させる。(最適な状態で成長を止めるため)

この工程の中で特に重労働なのが、モルトマンと言われる職人が人力で大麦を攪拌(かくはん)させる作業です。

前述でも触れましたが「モンキーショルダー」という名前は大変な重労働をしているモルトマンに敬意を込めてつけられていることからも、フロアモルティングは重要な工程であることが分かるのではないでしょうか。

卓越したバッティングと評判の味わい

「モンキーショルダー」は3つの蒸留所のモルトを組み合わせて造ります。

その際にブレンドさせる樽を選定し、うまく熟成させてバッティングさせなければいけません。

バッティングとは、複数の樽で熟成させた原酒を混ぜることです。

混ぜるのは、同種類の原料で造っているウイスキーに限られます。

樽の選定とバッティングには熟練の技が必要なため、モルトマスターと言われるブレンダーの最高責任者の存在が不可欠です。

先ほども登場した「モンキーショルダー」を完成させた人物であるブライアン・キンスマン氏は、以下の工程を経て最高品質の「モンキーショルダー」を造りました。

・ブレンドするための樽を選ぶ
・バーボン樽で熟成する期間を計測
・徹底した品質管理のもと熟成した27樽をバッティング

厳選された3つのモルト原酒

「モンキーショルダー」はブレンデッドモルトウイスキーに分類されますが、他のブレンデッドモルトウイスキーは4種類以上の原酒をブレンドするのが一般的です。

なぜなら数が多ければ多いほど味が調整しやすいためです。

しかし、「モンキーショルダー」は3つの蒸留所の原酒だけで造られるわけですから、味のバランスを整えるのが非常に難しいと言えます。

その難しい問題にも負けずに3つの蒸留所から最高品質の原酒を選び抜き、有能なモルトマスターのバッティング技術こだわり抜いた伝統的な製法により不可能を可能にしたのでしょう。

しかし現在はウイスキーブームによる原酒不足のため、残念ながら他の蒸留所の原酒も使っているようです。

受賞歴を持つウイスキー

「モンキーショルダー」は2003年に発売されて以来、さまざまな賞を獲得しました。

  • ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2007にてベストブレンデッドモルト賞を獲得。
  • サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)2013にてダブルゴールドメダルを獲得。
  • インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2013にてゴールドメダルを獲得。
  • インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)2015にてトロフィー(優勝)を獲得。
  • IWSC2016/2017/2018にて3年連続の金賞を獲得。

その他にも、英国の飲料業界誌ドリンクス・インターナショナルが実施した2019年度「Annual Brands Report」で、スコッチ部門の「トップ トレンド」と「ベストセリング」で1位を獲得。
「トップ トレンド」部門では5年連続第1位を獲得しています。

これだけの輝かしい受賞歴を見ると、一度は飲んでみたい気持ちになりますね。

「モンキーショルダー」のラインナップ

これまで「モンキーショルダー」の製法や特徴をご紹介してきました。

このウイスキーがいかにこだわって造られているのか、ご理解いただけたかと思います。

ここからは、気になる「モンキーショルダー」のラインナップをご紹介していきましょう。

「モンキーショルダー」

アルコール度数40.0%
容量700mL
参考小売価格3,600円(税別)

「モンキーショルダー」のスタンダードボトル。

前述の通り、製法やこだわりを詰め込んだボトルです。

味わいは、繊細で優しい余韻を感じられます。

口に含むとスコッチ特有のピート香やアルコールの刺激を感じますが、すぐにフルーティーな香りが追いかけてきます。

香りは洋梨・バニラ・ビターチョコ・蜂蜜。

心地よい余韻が鼻を抜けていきます。

「モンキーショルダー」は、スコッチ初心者やシングルモルト独特のピート香が苦手という方でも飲みやすい、おすすめの1本です。

「モンキーショルダー スモーキーモンキー」

アルコール度数40.0%
容量700mL
参考小売価格4,200円(税別)

バルヴェニー蒸留所は、年に一度「バルヴェニー ピートウィーク」を生産します。それを利用して造れるのが「モンキーショルダー スモーキーモンキー」です。

「モンキーショルダー」に比べると香りがスモーキーな印象。

香りは、オークのスモーク香・バニラ・柑橘系です。

しかし、口に入れるとそこまでピート香は感じられず、旨味が広がる秀逸なウイスキーです。

「モンキーショルダー」を飲み慣れてきたときに「モンキーショルダー スモーキーモンキー」を飲むことでまた違った一面を知れておもしろいですよ。

「モンキーショルダー 超特大瓶 ゴリラボトル 4500mL(ブランコ クレドル付)」 

「モンキーショルダー」のラインナップには「ゴリラボトル」という商品があります。

中身は「モンキーショルダー」ですが、容量は4500mLもあり、通常ボトルの7倍以上の超ビッグボトルです。

付属品として、「ゴリラボトル」を置くためのゆりかごがついています。

個人用というよりは、バーやバルで見かけることが多く、インテリアとしてもかっこいい1品です。

「モンキーショルダー」おすすめの飲み方

「モンキーショルダー」はウイスキーとして非常に優秀です。

その理由は飲み方を選ばないということ。

ストレートやロック・水割り・ソーダ割りそれぞれ美味しくいただけますし、「モンキーショルダー」を使ったカクテルレシピもたくさんあります。

自分の口に合う「モンキーショルダー」の飲み方を見つけるとさらにおもしろくなることでしょう。

まずは味や香りを楽しめるストレートやロックを

「モンキーショルダー」本来の味を楽しみたい場合は、ストレートかロックが最適です。

ストレートでしっかりと味わうもよし、オンザロックで氷を溶かしながら味の変化を楽しむもよし。

価格帯のわりに高級感のあるウイスキー「モンキーショルダー」をまずはストレートかロックで味わってみてはいかがでしょうか。

カクテルもおすすめ【厳選レシピ11個紹介】

「モンキーショルダー」はウイスキーベースのカクテルにも最適です。

ウイスキー単体では苦手という方も、カクテルにすることで「モンキーショルダー」を楽しめるのではないでしょうか。

ここからは、モンキーショルダー公式サイトで紹介されているレシピの中でも、日本で入手しやすい材料でできるカクテルレシピを厳選して11種類ご紹介します。

ジンジャーモンキー・スモーキージンジャーモンキー

材料
  • 「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」50mL
  • ドライジンジャーエール 120mL
  • カットオレンジ 1カット
作り方
  1. ロンググラスに氷を入れる。
  2. 「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」を注ぎステア。
  3. ジンジャーエールを入れて、軽くステア。
  4. カットオレンジを飾れば出来上がり。 

レイジ―オールドファッション・スモーキーオールドファッション

材料
  • 「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」50mL
  • シュガーシロップ 10mL
  • アンゴスチュラ・ビターズ 2dash
  • オレンジピール 1片
作り方
  1. ミキシンググラスに「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」、シュガーシロップ、アンゴスチュラ・ビターズを入れる。
  2. 氷を加えて冷たくなるまでステア。
  3. 氷を入れたロックグラスに注ぎ、オレンジピールを添えて完成。

モンキースプラッシュ・スモーキースプラッシュ

材料
  • 「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」30mL
  • ソーダ水 45mL
  • カットオレンジ 1カット
作り方
  1. 氷を入れたロックグラスに「モンキーショルダー」or「スモーキーモンキー」を入れてステア。
  2. ソーダ水を注いで軽くステア。
  3. カットオレンジを飾って完成。

モンキーコラダ

材料
  • 「モンキーショルダー」40mL
  • ココカヌ(ココナッツラム)20mL
  • ココナッツウォーター 60mL
  • フレッシュライムジュース 10mL
  • シュガーシロップ 1〜2dash
  • パイナップル お好みの量
作り方
  1. 全ての材料をブレンダーで滑らかになるまで混ぜる。
  2. シュガーシロップで味を整える。
  3. 氷を入れたロンググラスに注いで完成。(お好みでカットパインを飾る)

エスプレッソ・マルティーニ

材料
  • 「モンキーショルダー」40mL
  • エスプレッソ 30mL
  • ティアマリア(コーヒーリキュール)15mL
  • シュガーシロップ 1〜2dash
作り方
  1. シェーカーに材料を入れて泡立つくらいまでシェーク。
  2. マティーニグラスに注ぎ完成。(お好みでコーヒー豆を3粒ほど飾る)

ロブ・ロイ

材料
  • 「モンキーショルダー」50mL
  • スイートベルモット 25mL
  • アンゴスチュラ・ビターズ 3dash
  • オレンジピール 1片
作り方
  1. ミキシンググラスに「モンキーショルダー」、スイートベルモット、アンゴスチュラ・ビターズを入れる。
  2. 氷を加えて冷たくなるまでステア。
  3. マティーニグラスやクープグラスに注ぐ。
  4. オレンジピールを飾れば完成。

Boulevardier #3

材料
  • 「モンキーショルダー」45mL
  • スイートベルモット 30mL
  • カンパリ 30mL
  • オレンジピール 1片
作り方
  1. ミキシンググラスに「モンキーショルダー」、スイートベルモット、カンパリを入れる。
  2. 氷を加えて冷たくなるまでステア。
  3. 氷を入れたロックグラスに注ぐ。
  4. オレンジピールを飾って完成。

モンキー・ジャム・サワー

材料
  • 「モンキーショルダー」50mL
  • フレッシュレモンジュース 20mL
  • シュガーシロップ 5mL
  • お好みのフルーツジャム 小さじ2
  • オレンジビターズ 1dash
  • ソーダ水 お好みの量
作り方
  1. 全ての材料をシェーカーに入れる。
  2. 氷を入れてシェークする。
  3. 氷を入れたグラスに注ぐ。
  4. ソーダ水を注いで軽くステアすれば完成。

ショウ・ミー・ザ・モンキー

材料
  • 「モンキーショルダー」50mL
  • ドランブイ 20mL
  • リンゴジュース 80mL
  • ミントの葉 お好みの量
  • カットオレンジ 1カット
作り方
  1. 「モンキーショルダー」、ドランブイ、リンゴジュースをシェークする。
  2. 氷の入ったロンググラスに注ぐ。
  3. カットオレンジを飾って出来上がり。

ペニシリン

材料
  • 「スモーキーモンキー」60mL
  • フレッシュレモンジュース 20mL
  • ハニージンジャーシロップ 20mL
  • レモンスライス 1スライス
作り方
  1. 「スモーキーモンキー」、フレッシュレモンジュース、ハニージンジャーシロップをシェーク。
  2. 氷の入ったロックグラスに注ぐ。
  3. レモンスライスを飾って完成。

スモー・カ・コーラ

材料
  • 「スモーキーモンキー」50mL
  • コカ・コーラ 120mL
  • カットオレンジ 1カット
作り方
  1. 氷を入れたロンググラスに「スモーキーモンキー」を入れてステア。
  2. コカ・コーラを注いでグラスを満たす。
  3. カットオレンジを飾れば完成。

まとめ

スコッチウイスキーの中でも、異彩を放つ「モンキーショルダー」。

ストレート、ロックはもちろんソーダ割り、カクテルなどにも使える優秀なウイスキーです。

この記事で「モンキーショルダー」の魅力が伝わったのなら幸いです。

造り手のこだわり、努力が染み込んだ「モンキーショルダー」を、ぜひあなたもお試しください。

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  • この記事を書いた人

torauma

大阪で細々とBARをしています。 好きなお酒はバーボン。 whiskeenを通してウイスキーの魅力を知っていただけたらうれしいです。

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