2023年のG7サミットで各国の首脳に振る舞われてますます注目されている、シングルモルトウイスキー「桜尾」。
2021年発売の銘柄ですが、実はこのウイスキーが生まれるまでには長い歴史があることをご存じでしょうか。
桜尾蒸留所が設立された経緯や「桜尾」のラインナップ、口コミを紹介します。
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シングルモルトウイスキー「桜尾」とは

広島県廿日市市桜尾で製造されるシングルモルトウイスキー「桜尾」は、2021年に発売されました。
新しい銘柄ですが歴史ある焼酎メーカーの技術を活かしたウイスキーで、国内外のウイスキー愛好家の注目を集めています。
海に近い貯蔵庫で熟成されるため、瀬戸内の穏やかな潮の香りがほのかに感じられるのが特徴です。
心地よいスモーキーさと樽の香り、フルーツの濃厚な甘い香りのバランスが良いウイスキーです。
「桜尾」を造る桜尾蒸留所とは

桜尾蒸留所は、広島県の自然豊かなエリアにあります。
老舗の酒造メーカーが蒸留所を設立するに至った経緯や、蒸留所で造られるお酒の多彩なラインナップ、2023年に開催されたG7で提供された銘柄を紹介します。
蒸留所見学も受け付けているので、広島に行った際は立ち寄ってみてください。
桜尾蒸留所の歴史
ウイスキー「桜尾」の原点は、広島廿日市市桜尾町にある伝統的な焼酎蔵である中国醸造です。
1938年にウイスキー製造を開始しましたが、その後1989年に製造を中止。
その後しばらくウイスキー造りは行っていませんでしたが、2003年にブレンデッドウイスキー「戸河内」の販売を開始しました。
その後、創業100年の記念事業として再びウイスキーを製造すべく、2017年に桜尾蒸留所(SAKURAO DISTILLERY)を竣工。
新しい蒸留所の最初のウイスキーとして、2021年には「シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾」が発売されました。
桜尾蒸留所で製造されているお酒
桜尾蒸留所では「桜尾」以外にもさまざまなお酒が造られており、安芸太田町戸河内にある貯蔵庫で熟成された「シングルモルト 戸河内」、「ブレンデッドウイスキー 戸河内」があります。
ブレンデッドウイスキー「戸河内」は、ふるさと納税の返礼品にもなっています。
ジンや梅酒、柑橘系のリキュールなども製造されており、いずれも老舗酒造の蒸留技術が活かされているといえるでしょう。
ノンアルコールの缶カクテルもあり、多彩なラインナップを展開しています。
2023年G7広島サミットで提供された「桜尾」

2023年5月に広島で行われたG7サミットでは、各国首脳へのおもてなしとして、広島県産を中心としたウイスキーやワイン、日本酒などが提供されました。
その1つとして選ばれたのが、桜尾蒸留所の「シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾」「シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内」「桜尾ジンリミテッド」「SAKURAOウイスキー樽熟成梅酒」です。
海外の要人が楽しんだ日本のお酒、飲んでみたくなりますね。
シングルモルトウイスキー「桜尾」の製法

中国醸造は一時ウイスキー製造を中止していたものの、ブレンデッドウイスキー「戸河内」の発売などをきっかけに、ウイスキー造りの再開を目指し桜尾蒸留所を設立しました。
英国や国内のウイスキーメーカーから知見を得て、規模は小さいながら多種多様な原酒が造れる設備を整えています。
原酒の多様性は、複数の貯蔵庫の特色の違いによっても生まれます。
桜尾の貯蔵庫で熟成されたウイスキーは、瀬戸内から届く潮の風味をほのかにまとっており、この特徴が一番出ているのが「シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾」です。
なお、「シングルモルトジャパニーズウイスキー 戸河内」に使用される原酒は、かつて鉄道用のトンネルとして使われていた場所にある貯蔵庫で熟成されたもの。
戸河内の森の香りを感じられます。
「桜尾」のラインナップ

瀬戸内の潮の香りや、フルーティーな甘みが特徴の「桜尾」には、いくつかのラインナップがあります。熟成樽の違いによって生み出される、個性ある銘柄をご紹介します。
シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾

アルコール度数:43%
容量:700mL
蒸留所のある桜尾の貯蔵庫で熟成されたスタンダードボトルで、熟成樽は瀬戸内海から届く潮の香りをほのかにまといます。
4種類の樽で熟成させた7種のキーモルトを組み合わせ、ブレンディングにより安定した風味を生み出しています。
レーズン、オレンジ、桃の香り、バニラの甘みと、程よい渋み・酸味のある味わい、スモーキーな余韻が特徴です。

シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾 SHERRY CASK STILLMAN’S SELECTION

アルコール度数:50%
容量:700mL
アメリカンオークのシェリー樽を使って熟成された銘柄です。
環境の違う貯蔵庫で生まれるさまざまな味わいの原酒の中から、スチルマン(蒸留所で働く職人)が最も良い状態のものを選び抜き、ブレンドしています。
レーズン、カカオ、ダークチェリー、オレンジのフルーティーな味わいと、ピート香、シェリー樽由来のビターな甘さと深い余韻が特徴です。

シングルモルトジャパニーズウイスキー 桜尾 1st Release CASK STRENGTH

アルコール度数:54%
容量:700mL
飲食店向けに数量限定で発売された銘柄で、「シングルモルトジャパニーズウイスキー 戸河内 1st Release CASK STRENGTH」と同時発売されました。
加水せずにボトリングされたこの銘柄は、完熟したブドウ、オレンジの香り、ビターチョコやバニラの甘み、微かに感じられるスパイシーな味わいと程よい渋みが特徴です。
ウッディーでスモーキーな香りと、濃厚な甘みの余韻が長く楽しめます。
シングルモルトウイスキー「桜尾」の評価

瀬戸内の潮やフルーティーな甘みと表現される「桜尾」の味わいですが、実際に飲んだ人の感想も気になりますよね。
「まずい」とする意見、「うまい」とする意見両方を見て、その理由を探っていきたいと思います。
「まずい」という口コミ
「桜尾」を飲んだ人で「まずい」と感じた人はいるのでしょうか。
Twitterでネガティブな評価をしている人の感想を集めました。
これを見ると、熟成年数に対する飲み口や味の薄さを気にしている人が多いようですね。
重厚な味わいが好みの人にとっては、物足りないのかもしれません。
ロックやストレート、水割りなど自分に合った飲み方を探すと良さそうです。
また、値段に対して「高い」と感じている意見もあるようです。
「うまい」という口コミ
シングルモルト「桜尾」を実際に飲み、「うまい」「おいしい」と感じた人の口コミも集めました。
フルーティーで華やかな味わいを「うまい」と感じる人が多いようですね。
また、「桜尾」の特徴である潮の風味を評価している声も多くあります。
蒸留所の口コミ
蒸留所見学に行きとても勉強になったという口コミもありました。
広島に行く機会があったら蒸留所に立ち寄り、より「桜尾」の理解を深めるのも楽しそうですね。
まとめ

2021年発売の新しい銘柄でありながら、G7サミットでも提供されるなど高い評価を受けているシングルモルト「桜尾」。
限定品など入手が難しいものもありますが、バーなどで見かけたら、ぜひ瀬戸内の潮の風味とフルーティーな味わいを楽しんでみてください。