ケンタッキーバーボンを代表する銘柄のひとつ、ワイルドターキー。
リッチで重厚な本格バーボンとして、歴代のアメリカ大統領にも愛飲されてきました。この記事では、ワイルドターキー8年、12年、レアブリード、ライの価格や特徴、飲み方を紹介します。
ワイルドターキーの歴史について
ワイルドターキーの歴史は、1869年にケンタッキー州ローレンスバーグでリッピー兄弟が開設した蒸溜所から始まります。
一方、1855年に、食料品や酒類の卸売を行うオースティン・ニコルズ社が設立されました。オースティン・ニコルズ社は、のちにワイルドターキーのオーナーとなる会社です。
1893年、リッピー兄弟のバーボンが、イリノイ州のシカゴで開催されたワールドフェアでケンタッキー州代表に選ばれます。
1940年、オースティン・ニコルズ社のオーナーであったトーマス・マッカーシーが、趣味の七面鳥狩りで仲間にバーボンを振る舞ったことから「ワイルドターキー」ブランドが誕生しました。
1960年代までは、オースティン・ニコルズ社は他の蒸溜所で作られた原酒を使用してバーボンを製造していましたが、1970年にリッピーの蒸溜所を買収し、蒸留から熟成までを一貫して自社で行うようになりました。その後、1980年にオースティン・ニコルズ社はフランスのペルノ・リカール社に買収され、2009年にはペルノ・リカール社がイタリアのカンパリグループに買収され、現在に至っています。
ワイルドターキーのこだわり
深く重厚な味わいが魅力のワイルドターキーには、以下のこだわりがあります。
- 原料へのこだわり
- 樽の内側を最大レベルに焦がす
- 原料の風味を残す製法
ここからは、ワイルドターキーのこだわりを解説していきます。
原料へのこだわり
ワイルドターキーに使用されるのは、「マザー・ウォーター」と呼ばれる地下水です。
石灰岩の層でろ過された、鉄分などの不純物を含まない良質な水が使われています。
また原料のコーン、ライ麦、大麦麦芽の品質にもこだわっており、遺伝子組み換えをしていない特別に栽培された穀物を使用しています。
樽の内側を最大レベルに焦がす
ワイルドターキーに使用される樽は、内側を最大レベルに焦がしているのが特徴です。
バーボンでは内側を焦がした新樽を使うことが義務付けられています。
この焦がしを「チャー」といい、最大レベルのNo.4では、樽の内側がワニのウロコのようにひび割れるため「アリゲーターチャー」と呼ばれています。
ワイルドターキーではNo.4の樽を使用し、バニラの甘みや木のニュアンスをより強く感じられるバーボンに仕上げているのです。
原料の風味を残す製法
ワイルドターキーは、原料の風味を残す製法にこだわりがあります。
濃厚で深い味わいのバーボンを作るために行っているが、低いアルコール度数で蒸留すること。バーボンは、アルコール度数80%以下で蒸留するという規定があります。
ワイルドターキーは60~65%という低いアルコール度数で蒸留するため、原料の風味が残りやすくなるのです。
この原酒を熟成し、加水を最小限に抑えているのがワイルドターキー最大の特徴です。アルコール度数40%前後のバーボンが多いなか、ワイルドターキーでは加水を最小限に抑え、50.5%という高い度数にこだわっています。
こうすることで、原酒本来の風味を残した、豊かな味わいを作り出しています。
ワイルドターキー8年の定価・市場価格・特徴について
ワイルドターキーのフラグシップボトル。
深くリッチな味わいが魅力のバーボンウイスキーです。
内側を強く焦がした「アリゲーターチャー」と呼ばれる熟成樽で8年間熟成させ、力強さのなかに繊細さを兼ね備えた味わいをつくり出しています。他のバーボンと比較して、コーンの割合を抑えライ麦を多く使用しているのも特徴です。ライ麦由来のスパイシーさが味わえます。
ワイルドターキー8年 700mL瓶
- 原材料:コーン、ライ麦、大麦麦芽
- アルコール度数:50.5%
- 容量:700mL
- 希望小売価格:4,158円(税込)

引用:ワイルドターキー公式ホームページ
■定価:4,158円 ■市場価格:3,000円~4,000円
主な特徴
- 【香り】1.キャラメル 2.ウッディ(樽由来の木の香り。バニラ香) 3.スパイシー(ライ麦由来) 4.フルーティ(熟したオレンジ、メロンのような甘み)
- 【味わい】重厚で力強い味わいと焼いた木のニュアンス、ビターな余韻が楽しめます。
- 【オススメ飲み方】1.ロック 2.ハイボール
ロックはバーボンの甘みが引き出されるため、チョコレートなどと合わせるのがおすすめです。ハイボールは、フライドチキンなど味の濃い料理との相性が抜群です。
ワイルドターキー12年の定価・市場価格・特徴について
バーボンとしてはめずらしい、12年の長期熟成を経た深い琥珀色のウイスキーです。
ワイルドターキーが作られるケンタッキー州では、年間の寒暖差が大きいためウイスキーの熟成が速く進み、10年が限界といわれています。ワイルドターキー12年は、厳選された長期熟成樽の原酒をふんだんに使用しています。
原酒不足の影響から2013年に終売となりましたが、2022年に復活を果たしました。
ワイルドターキー12年 700mL瓶
- 原材料:コーン、ライ麦、大麦麦芽
- アルコール度数:50.5%
- 容量:700mL
- 希望小売価格:9,020円(税込)

引用:ワイルドターキー公式ホームページ
■定価:9,020円 ■市場価格:7,000円~9,000円
主な特徴
- 【香り】1.キャラメル 2.フルーティ(メロン、アンズの濃く甘い香り) 3.ウッディ(樽由来の木の香り。バニラ香)
- 【味わい】長期熟成によるふくよかな甘みと、しっかりとしたボディが感じられます。余韻は長くスパイシーですが、8年よりもアルコール感が少なく、樽の渋みも抑えめです。
- 【オススメ飲み方】1.ストレート 2.ロック
ロックにするとまろやかさがアップし、トロリとした甘みがさらに濃厚に感じられます。
ワイルドターキーレアブリードの定価・市場価格・特徴について
ワイルドターキーの真髄を味わえる、濃厚なバーボンウイスキーです。
熟成期間6年、8年、12年の原酒をブレンドし、加水を一切行わずにボトリングしています。アルコール度数が高く濃厚な力強さは、冬の夜にゆっくりと飲みたくなる味わいです。
ワイルドターキー8年が気に入ったら、次に選ぶ1本としてもおすすめです。
ワイルドターキーレアブリード 700mL瓶
- 原材料:コーン、ライ麦、大麦麦芽
- アルコール度数:58.4%
- 容量:700mL
- 希望小売価格:6,798円(税込)

引用:ワイルドターキー公式ホームページ
■定価:6,798円 ■市場価格:7,000円~9,000円
主な特徴
- 【香り】1.フルーティ(オレンジやオレンジピールのビターな甘み) 2.ウッディ(樽由来の木の香り。バニラやメープルシロップ) 3.ナッツの香ばしさ
- 【味わい】トロリとした濃厚さと凝縮感。キャラメルやメープルシロップ、ビターチョコレートの甘苦さが広がります。
- 【オススメ飲み方】1.ストレート 2.ロック
塩味の効いたバターピーナッツがとてもよく合います。ロックにして味の変化を楽しむのもおすすめ。
ワイルドターキーライの定価・市場価格・特徴について
ハーブのような爽やかさが魅力のライウイスキー。
原料にコーンを51%以上使用しているバーボンと違い、こちらはライ麦を51%以上使用したライウイスキーです。黄金色が美しい本品は、他のシリーズと比べてライトな印象ですが、熟成期間4~5年の原酒を使用していることもありワイルドターキーらしい骨太のニュアンスが楽しめます。
ライウイスキー初心者や、ワイルドターキーの少し変わったシリーズを飲んでみたいという人におすすめです。
ワイルドターキーライ 700mL瓶
- 原材料:ライ麦、コーン、大麦麦芽
- アルコール度数:40.5%
- 容量:700mL
- 希望小売価格:4,532円(税込)

引用:ワイルドターキー公式ホームページ
■定価:4,532円 ■市場価格:3,000円~5,000円
主な特徴
- 【香り】1.ハーブ(ミント系の爽やかさ) 2.フルーティ(ライムの酸味とビター感)
- 【味わい】森を感じるみずみずしさと清々しさ。ミントやローズマリーのようなハーブとメロンなどウリ系の爽やかさを感じます。ワイルドターキーらしい甘みやスパイシーさも味わえるライウイスキーです。
- 【オススメ飲み方】1.ハイボール 2.カクテル「マンハッタン」
オリーブオイルの緑の香りとよく合うため、サラダなどとの相性がよいほか、スパイシーなビーフジャーキーと合わせるのもおすすめです。
「マンハッタン」は、ライウイスキーをベースにベルモットやビターズを合わせたカクテルです。「カクテルの女王」とも呼ばれ、その甘美な味わいは世界中で親しまれています。
ワイルドターキーのオススメ飲み方を考察
ワイルドターキーは、基本的にはストレートかロック、ハイボールで飲むがおすすめです。他にはどんな飲み方があるのでしょうか。
まずはコークハイです。バーボンのコークハイはよくある飲み方ですが、ワイルドターキーはライ麦由来のスパイシーさがコーラとよく合い、とくにおすすめです。
ウイスキーに水を少しずつ足すトワイスアップもおすすめです。
バーボンウイスキーを牛乳で割った「カウボーイ」というカクテル。バニラ香のあるワイルドターキーで作ると絶品です。
まとめ
深く濃厚な味わいが魅力のワイルドターキーには、さまざまなこだわりが詰まっています。
内側を強く焦がした樽で熟成することや、低いアルコール度数で蒸留し、加水を最小限にしてボトリングすることで、樽や原料の風味を残した味わいが作り出されているのです。
また、長期熟成のラインナップが豊富なのもワイルドターキーの魅力です。
おすすめの飲み方はストレートやロック、ハイボールですが、コークハイやトワイスアップ、牛乳で割る「カウボーイ」なども楽しめます。ぜひ、さまざまな飲み方で、ワイルドターキーを味わってみてください。