アメリカのケンタッキー州で造られ、世界的に高い評価を受けているバーボンウイスキー「イーグル・レア」。
今回の記事では、歴史や種類、飲み方など「イーグル・レア」に関するさまざまな情報を徹底解説していきます。
まだ飲んだことのない人、いつも飲んでいるバーボンウイスキーとは違う銘柄を探している人は、ぜひ最後までご覧ください。
バーボンウイスキー「イーグル・レア」とは?
![バッファロートレース蒸留所](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image5-5-1024x545.png)
「イーグル・レア」は、アメリカで最古の蒸留所といわれるバッファロートレース蒸留所で造られるバーボンウイスキーです。
非常に質が高いウイスキーで「International Whisky CompetitionやInternational Spirits Challenge」「San Francisco World Spirits Competition」など、世界的に有名なコンペティションで数多くの受賞歴を誇ります。
商品名やボトルデザインに用いられているイーグル(ハクトウワシ)はアメリカの国鳥で、味わいはレア(希少)の名に恥じない味わいです。
さらに深く「イーグル・レア」について知るために、歴史や蒸留所について詳しく解説していきます。
「イーグル・レア」の歴史
「イーグル・レア」の歴史は、シーグラム社が1975年に10年熟成の101プルーフ(アルコール度数50.5%)バーボンとして発売したところから始まります。
1989年になると、商標権をサゼラック社が買収。
当時はオールド プレンティス蒸留所(現フォアローゼズ蒸留所)で造られていましたが、現在ではバッファロートレース蒸留所のメインブランドとして、世界的な人気を得るようになりました。
「イーグル・レア」を造るバッファロートレース蒸留所について
「イーグル・レア」を造るバッファロートレース蒸留所では、数々の有名なバーボンが造られています。
バッファロートレース蒸留所が造るバーボンウイスキー
・バッファロートレース
・ブラントン
・ジョージ・T・スタッグ など
実はバッファロートレース蒸留所は時代とともに何度も名前が変わっているため、その変遷や歴史についても解説していきます。
1858年 | バッファロートレース蒸留所の前身であるリーズタウンの小さな蒸留所が開発される |
1870年 | エドムンド・ヘインズ・テイラー・ジュニア大佐が、リーズタウンの蒸留所を買収、O.F.C(オールド・ファイヤー・カッパー)蒸留所と名付けられる |
1878年 | ジョージ・T・スタッグがO.F.C蒸留所を買収 |
1904年 | O.F.C蒸留所はジョージ・T・スタッグ蒸留所と改名 |
1920年 | アメリカで禁酒法が施行され、多くの蒸留所はウイスキー製造において大打撃を受けるが、ジョージ・T・スタッグ蒸留所は薬用ウイスキーとして製造を許可された数少ない蒸留所の1つだったため、なんとかこの混乱の時代を乗り切る |
1999年 | 現在の蒸留所名であるバッファロートレース蒸留所に改名 |
2000年 | ウイスキー専門誌『Whisky ADVOCATE』におけるDistillery of the Year(その年における最高の蒸留所としての称号)を受賞 |
禁酒法が施行された厳しい時代を乗り越えたバッファロートレース蒸留所は「Honor Tradition,Embrace Change(伝統を尊重し、変化を受け入れる)」というポリシーのもと、試行錯誤を繰り返し、常に質の高いウイスキーを生み出し続けています。
蒸留所についてや、看板商品の「バッファロートレース」についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
「イーグル・レア」の製法
![アメリカ国旗のミニチュアと殿に置かれたロックウイスキー](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image8-5-1024x538.jpg)
「イーグル・レア」は、バッファロートレース蒸留所の看板商品「バッファロートレース」と同じマッシュビル(原料の比率構成)で造られています。
「マッシュ #1」と呼ばれるこのマッシュビルの特徴は、ライ麦比率が低くトウモロコシ比率が高いため、できあがるウイスキーが甘く優しい味わいになることです。
「バッファロートレース」との最大の違いは熟成期間の長さで、他にも違いはありそうですが、残念ながら細かな情報は非公開になっています。
「イーグル・レア」の種類
![4つ並んだテイスティンググラス](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image3-4-1024x538.jpg)
「イーグル・レア」のラインナップについて、現行品はもちろんのこと、限定品や終売品も含めてご紹介します。
「イーグル・レア 10年」
![イーグル・レア 10年の商品画像](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image7-4.png)
容量 | 700mL |
度数 | 45% |
受賞歴 | 2022 International Spirits Challenge:金賞 2022 International Wine & Spirit Competition:銀賞 2022 Ultimate Spirits Challenge:ファイナリスト 他多数 |
今回ご紹介する「イーグル・レア」のラインナップの中で、唯一誰でも手に入れられるのが「イーグル・レア 10年」です。
以前はボトルに「シングルバレル」という表記がありましたが、現在はなくなっています。
ハチミツのような甘さ、ナッツのような香ばしさ、ハーブやシトラスのような爽やかさがあり、複雑で上品な風味が楽しめます。
「イーグル・レア 17年」(毎年限定生産)
![「イーグル・レア 17年の商品画像](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image2-5.png)
容量 | 750mL |
度数 | 約45~50.5%(リリース年によって異なる) |
受賞歴 | 2022 International Spirits Challenge:金賞 2022 International Wine & Spirit Competition:銀賞 2022 Ultimate Spirits Challenge:チェアマンズトロフィー(最高スコア) 他多数 |
「イーグル・レア 17年」は、バッファロートレース蒸留所がリリースするウイスキーの中でも最高級ラインの銘柄です。
生産数が少なく、日本に輸入されることはほとんどありません。
蒸留所公式サイトによるテイスティングノート(日本語訳)
アーモンド、シガーボックス、シナモンを思わせる香ばしい香りは、ほとんどワインのような個性を持っています。繊細でドライな中盤は、レザー、バニラ、タバコの味わいです。このバーボンは余韻が長く、レザーとトフィーのヒントで締めくくられます。
引用:Eagle Rare 17 Year-Old
2000年以降毎年リリースされていますが、使われる原酒の熟成年数や蒸留方法が違うため、味わいが毎年わずかに異なります。
![](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
「ダブルイーグル ベリーレア」(限定品)
![ダブルイーグル ベリーレアの商品画像](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image9-4.png)
容量 | 750mL |
度数 | 45% |
「ダブルイーグル ベリーレア」は「イーグル・レア 10年」の2倍の熟成期間(20年熟成)を経て造られることから、商品名にダブルと名が付き、ボトルのキャップと底部の2箇所にイーグルの装飾が施されています。
生産数が非常に少ないため、日本では基本的に手に入りません。
1本1本にシリアルナンバーが書かれた証明書が付属する、コレクター垂涎のウイスキーです。
蒸留所公式サイトによるテイスティングノート(日本語訳)
オーク樽で20年間熟成させた後でも、このバーボンウイスキーは驚くほどバランスが取れています。バニラ、トーストしたオーク、キャラメルのヒントが、優雅に熟成された樽の風味へと導いてくれます。今まで味わったことのないような味わいです。
引用:Double Eagle Very Rare
「イーグル・レア 10年 101プルーフ」(終売品)
容量 | 750mL |
度数 | 50.5% |
「イーグル・レア 10年 101プルーフ」は、1970年代から1980年代後半にかけて流通していたといわれています。
現在流通している「イーグル・レア 10年」との違いは、オールド プレンティス蒸留所(現フォアローゼズ蒸留所)で造られていることと、度数が少し高めに造られていることです。
70年代は上記画像とわずかに違うボトルデザインだったようですが、ラベルの変化はあまりないことから、味わいや製法もそこまで大きな違いがないと考えられます。
「イーグル・レア 15年」(終売品)
容量 | 750mL |
度数 | 53.5% |
「イーグル・レア 15年」は、1990年代に流通したウイスキーです。
日本向けに特別にブレンドされたウイスキーで、ラベルの右下に「ウイスキー」と日本語で表記されています。
筆者は一度飲んだことがあるのですが、ほんのり感じるオールドボトルならではの落ち着いた風味と、バニラやバナナのような甘さ、スパイシーな余韻がありました。
バーボンウイスキー「イーグル・レア」のおすすめの飲み方
![グラスに入った琥珀色のウイスキー](https://whiskey-spirits.jp/wp-content/uploads/2023/05/image10-5-1024x538.jpg)
今回は、日本で唯一通常販売されている「イーグル・レア 10年」に絞っておすすめの飲み方をご紹介します。
「イーグル・レア 10年」がなぜ世界的なウイスキーコンペティションで評価されているのかを知るためにも、まずはストレートで飲んでみるのがおすすめです。
複雑で厚みのある味わいが楽しめるでしょう。
次いでおすすめなのがロックです。
冷えても渋みやエグみがあまり出ず、バランスの良さを感じます。
ソーダ割りにしても味の骨格はしっかりと感じ、ドライで爽快感がありますが、他のもう少し安価なバーボンウイスキーとの違いが大きく出るかといわれると、そこまでではないかなというのが正直な感想です。
最後に
今回ご紹介したバーボンウイスキー「イーグル・レア」のまとめです。
- バッファロートレース蒸留所が造るウイスキー
- 世界的なウイスキーコンペティションで数々の受賞歴を誇る
- 日本で手軽に入手できるのは「イーグル・レア 10年」のみ
「イーグル・レア」は非常に質が高く、いつも飲んでいるバーボンウイスキーとは違う銘柄で良いものはないか探している人や、まだ飲んだことのない人には、ぜひ一度飲んでいただきたいウイスキーです。
バッファロートレース蒸留所が造る他のウイスキーと飲み比べをしてみて、蒸留所の個性を感じるのもおもしろいでしょう。