キリンウイスキー「陸(りく)」は、キリンディスティティラリーが手掛けるブレンデットウイスキーで、その飲みやすさと奥深い味わいで多くのファンを魅了しています。
本記事では、キリンウイスキー「陸」の定価や市場価格、主な特徴、さらにはおすすめの飲み方まで、その魅力を紹介していきますので、ぜひ参考にしてください!
ウイスキー「陸」の歴史

キリンウイスキー「陸(りく)」は、キリンディスティラリー株式会社が静岡県御殿場に構える“富士御殿場蒸溜所”の質の高い原酒を主体に、厳選された海外原酒をブレンドしてつくられる、グレーン原酒「主体」のブレンデッドウイスキーです。
2020年に発売された「陸」は、2022年に大幅にリニューアルされて、キリンウイスキーの新たな歴史を刻んでいますが、その誕生には日本のウイスキー業界が抱えるある課題が深くかかわっています。
その課題とは、原酒不足です。
キリンは2005年に「富士山麓」という銘柄を発売し、「富士山麓樽熟原酒50。」「富士山麓18年」の2種類を展開していました。
日本のウイスキーブームを支える存在として人気を博しましたが、この原酒不足という課題に直面したことにより、その解決方法として主力である「富士山麓」の販売を停止し、あらたにキリンウイスキー「陸」を販売することになりました。

「陸」と「富士山麓」の大きな違いは、原酒の構成比にあります。
「富士山麓」がモルト主体であったのに対して、「陸」はグレーン主体へと変更されました。
モルト原酒は個性的な味わいを持ち、グレーン原酒は癖がなく飲みやすいとされていますが、この両者をブレンドして作るウイスキーが「ブレンデッドウイスキー」です。そのブレンデッドウイスキーの中でも「陸」はグレーンウイスキーを主体とした銘柄であり、富士山の伏流水や豊かな自然条件を活かした富士御殿場蒸溜所で製造されたグレーン原酒と、厳選された輸入モルト原酒がブレンドされています。
「陸」は、ウイスキーのうまみ成分を閉じ込める「ノンチルフィルタード」という製法によりボトル詰めを行っています。

これにより、桜桃やオレンジ、リンゴのようなほのかな甘い香りを持った深みのある熟成香や、スムースな柔らかい味わいを楽しむことができる樽出しの状態に近い香味豊かなウイスキーになっています。
※「モルトウイスキー」…大麦麦芽のみが原料
- 「グレーンウイスキー」…大麦麦芽に加え、トウモロコシ、小麦、ライ麦なども原料
- 「ノンチルフィルタード」…香味成分がほとんど析出しないように、一般的なウイスキーが行うボトル詰め前の冷却ろ過を行わない製法
出典:キリン公式ホームページ
ウイスキー「陸」の定価・市場価格・特徴

出典:キリン公式ホームページ
定価・市場価格
「陸」は、主に次の2種類の容量で販売されています。
陸 500mlボトル:スタンダード商品。アルコール度数50%
陸 4,000ml(4L)ペットボトル:業務用やホームユース向け大容量
加えて、2024年12月には「陸」100%使用のハイボール缶(350ml、アルコール分7%)が数量限定で登場!
特徴
スタンダードは500mlボトルですが、日常的にハイボールなどを楽しむ方におすすめの4000mlボトルも販売されています。味わいやアルコール度数はどちらも変わりません。
桜桃やオレンジ、リンゴのようなまろやかな甘い香りがあり、さわやかなキレのある飲みごたえで原酒本来の味わいが楽しめるウイスキーです。飲み終わった後もフルーティな余韻が長く続くのも魅力で、近年のウイスキートレンドに合わせた味わいと言えます。
また、アルコール度数50%と高めですが、ハイボールなど水や炭酸で割ってもその風味の厚みを味わえますので、ウイスキー初心者にとっても飲みやすく楽しめるウイスキーと言えます。
グレーン主体の設計
富士御殿場蒸留所では、大麦麦芽に加え、コーン、ライ麦なども原料に、連続式蒸留機を使ってグレーンウイスキーを造っています。
軽快で穏やかな香味が持ち味で、他の原酒とのブレンドにも適しています 。
ノンチルフィルタード
一般的なウイスキーでは冷却ろ過により香味成分が一部除去されますが、「陸」はチルフィルターを通さない製法により、原酒の旨味や香り成分をそのまま瓶詰めしています 。
富士御殿場蒸溜所

ウイスキー「陸」を製造している富士御殿場蒸溜所は富士山の麓に位置し、豊かな自然と清らかな水に恵まれた理想的な地にあります。
蒸溜所周辺は「水土野(みどの)」と呼ばれ、古くから水が豊富な場所として知られていました。

蒸留所では、富士山東斜面に降った雨水が約50年かけて濾過されたやわらかで「ミネラル豊富な伏流水」を、地下100mから、汲み上げウイスキーづくりの全工程で使用しています。この水は有機物が非常に少なく、繊細な香りと雑味のない「クリーン&エステリー」な味わいを生み出します。
ここでは、穏やかなライトタイプ、芳醇なミディアムタイプ、華やかなヘビータイプといった多様なグレーン原酒を独自の蒸留方法で生産。
一般的には脇役とされがちなグレーンウイスキーにこだわり、澄んだ味わいの中に熟成香が広がる、日本ならではの繊細で優雅なウイスキーづくりを追求しています。自然の恵みと高度な技術が融合するこの場所から、唯一無二の味わいが生まれています。
富士御殿場蒸留所を見学する
富士御殿場蒸留所は、一つの蒸留所で仕込みからパッケージングまで一貫して行う世界でもまれな蒸留所です。
工場見学ツアーでは、見学者に「立地」「原酒」「人」の視点でキリンウイスキーの魅力を伝えているとのことで、施設内には、見学者が最初に訪れるビジターセンター、全長12mの大迫力シアターで蒸留所の紹介を行うシアターセンター、試飲スペース、有料で特別なウイスキーを味わうテイスティングコーナー、買い物ができるショップ、富士山や御殿場市内を展望できる展望台などがあります。
見学を希望される方は、「公式ホームページ(工場見学予約)」から申し込みを行うようにしましょう。
出典:キリンの工場見学予約(キリンディスティラリー富士御殿場蒸留所)
ウイスキー「陸」のおすすめの飲み方をご紹介!

キリンウイスキー「陸」は、ロックはもちろんですが、キリンの公式ページではハイボールで飲むこともおすすめとされています。
アルコールと炭酸水の割合は1:5
アルコール度数が高めなので、ウイスキー初心者やアルコールに弱い人でもハイボールにすることで楽しく飲めますし、万人受けする飲みやすい味わいになります。
その他、ウイスキーをスイーツのように楽しみたい方向けに、ホットシナモンウイスキーをお勧めします。作り方は、ウイスキー1に対して、お湯を3から5の割合で加えます。そこにスプーン1杯の砂糖と、お好みに合わせてシナモンを適量加えて完成です。
「陸」はシナモンの香りや風味と見事に調和し、やさしい甘さが引き立ちます。
まるで“飲むスイーツ”のような感覚で楽しめるため、いつもと違ったウイスキーの味わい方として、ぜひ一度シナモンとの組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ

キリンウイスキー「陸」は、かつてキリンが販売していた「富士山麓」の後継として誕生したキリンディスティラリーの主力銘柄です。
洗練されたグレーン主体のブレンデッドウイスキーで「手ごろな価格」と「高い品質」、そしてハイボールなどの色々な飲み方に対応する「自由度の高さ」も魅力です。
グレーン原酒を主体とすることで、ライトでフルーティ、そして癖のない飲みやすい味わいを実現しており、ほのかな甘い香りと澄んだ口当たりが特徴です。公式サイトでもハイボールが推奨されており、初心者から愛好家まで幅広い層が楽しめる万能なウイスキーです。
ホットシナモンウイスキーのように、新しい飲み方でその魅力に出会えることも楽しみの一つでしょう。
ぜひ、ご自身にあった飲み方で「陸」の世界を堪能してください。
出典:キリン公式ホームページ
