サントリーの創業者である鳥井信治郎の遺作としても有名な「ローヤル」。
かつては高級ウイスキーの代名詞だった銘柄ですが、実際どんな味なのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ローヤル」の味やおすすめの飲み方を、ボトルの種類や歴史とともにご紹介します。
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「サントリーウイスキーローヤル」とは
「サントリーウイスキーローヤル」(※以下、「ローヤル」とする)は、サントリーから販売されている国産ブレンデッドウイスキーです。
1960年の発売以降、日本の高級ウイスキーの代名詞として人気を博してきました。
初代マスターブレンダー鳥井信治郎によってブレンドされた「ローヤル」の味わいは、甘く華やかな香りと、やわらかくなめらかな口あたりが特徴です。
「ローヤル」はサントリーの創業60周年を記念し、1960年に誕生しました。
鳥井信治郎の天才的なインスピレーションと、日本人の味覚研究や市場調査によって、こだわり抜かれたブレンド比で造られた傑作ウイスキーといわれています。
桜吹雪をイメージした甘く華やかな味
大阪府島本町にある山崎蒸溜所を抜けると、椎尾神社という神社にたどり着きます。
椎尾神社は春になると桜が咲き、鳥居に桜吹雪が降りかかりますが、「ローヤル」は椎尾神社の桜吹雪をイメージしてブレンド設計されました。
「ローヤル」のブレンド比は、美しく舞う桜の花びらのような、甘く華やかな味わいを生み出しています。
正しい名前はローヤル?ロイヤル?
「ローヤル」のラベル表記は「ROYAL」ということから、「ロイヤル」と読み間違えたり、書き間違えられたりするようです。
しかし、カタカナ表記は「ロイヤル」ではなく「ローヤル」が正しく、サントリー公式サイトにも「ローヤル」で記載されています。
「ローヤル」が正式名称ですので、「ローヤル」について検索する際は注意しましょう。
「サントリーウイスキーローヤル」の歴史
サントリーの創業60年とともに生まれた「ローヤル」ですが、誕生の背景にはどのような歴史があるのでしょうか。
「ローヤル」を語る上で欠かせない鳥井信治郎との関係とともに、「ローヤル」の歴史をご紹介します。
初代マスターブレンダー最後の名作
サントリー創業者の鳥井信治郎は、創業者でありながら初代マスターブレンダーとして、さまざまなウイスキーを造ってきました。
日本人が本当においしいと感じる味わいを常に探求し、たどり着いたのがブレンデッドウイスキー「ローヤル」です。
「ローヤル」は鳥井信治郎が追い求めた、輸入もののウイスキーに引けを取らない国産ウイスキーを造るという「夢」の到達点でした。
「ローヤル」発売後間もなく鳥井信治郎はこの世を去り、「ローヤル」は彼の造った最後の名作としても、その名を知られるようになりました。
初代マスターブレンダー鳥井信治郎とは
サントリーの創業者の鳥井信治郎は、「大阪の鼻」と呼ばれるほどの鋭い感性を持っていたといわれています。
その感性で、初代マスターブレンダーとして数々のウイスキーを造り出してきました。
「船来ものに負けない国産ウイスキーを」
この鳥井信治郎の志によって生み出されたのが、遺作である「ローヤル」です。
独創的なボトルデザイン誕生秘話
「ローヤル」のボトルは、他のウイスキーとは異なる珍しい形をしています。
独創的なフォルムのボトルは、「酒」という漢字の「酉」を表現しています。
「酉」は、干支の「とり」であると同時に、酒器の意味も持つ漢字です。
また、緩やかにカーブがかかったボトルキャップは、「ローヤル」の味わいのイメージにもなった椎尾神社の鳥居がモチーフです。
ボトルキャップには、鳥井信治郎の「鳥井」と「鳥居」をかけた意図も込められています。
細部にまでこだわり抜かれた「ローヤル」のボトルデザインは、鳥井信治郎の傑作ウイスキーの意匠として、誕生から60年以上経った現在も、ウイスキーファンに愛されています。
数量限定の干支ボトルも人気
容量 | 600mL |
アルコール度数 | 43% |
サントリーでは年末が近づいてくると、翌年の干支にちなんだ干支ボトルが発売され、年末年始の風物詩となっています。
干支ボトルの中でも「ローヤル」のボトルは干支の動物を模したデザインになっており、ギフトやコレクションとして人気です。
過去に発売されたものは、通販サイトやオークションサイトにて高額で取引されています。
干支ボトルは毎年数量限定での販売となるため、事前にサントリー公式サイトをチェックしておくのがおすすめです。
発売は毎年11月末頃、販売に関するお知らせは毎年9月中旬頃に公式サイトにアップされています。
参考:サントリーウイスキー ウイスキー・オン・ザ・ウェブ サントリー
「サントリーウイスキーローヤル」の製法
ブレンデッドウイスキー「ローヤル」ですが、どのような製法で造られているのでしょうか。
本項では、「ローヤル」のこだわりの製法についてご紹介します。
山崎蒸溜所で生まれた原酒をブレンディング
「ローヤル」は、日本で初めてのモルトウイスキー蒸留所である、山崎蒸溜所で造られています。
「ローヤル」が誕生した1960年当時は、サントリーの保有する国内の蒸留所は山崎蒸溜所しかありませんでした。
その後、白州蒸溜所が設立され、より幅広い原酒が造られるようになり、年代物や限定品の「ローヤル」も誕生しています。
黄金比と呼ばれるブレンド比の極み
初代マスターブレンダーの鳥井信治郎が日本人が本当においしいと感じる味わいを求め、完成した「ローヤル」ですが、ブレンド比は「黄金比」といわれています。
人間が美しいと感じる造形比率が黄金比率といわれるように、「ローヤル」もまた「黄金比」のブレンドから生まれた美しい傑作ウイスキーであるとわかります。
「ローヤル」の「黄金比」はまさに、ブレンド比の極みです。
「サントリーウイスキーローヤル」のラインナップ【終売しているもの多数】
「ローヤル」は現在、通常のボトルと、スリムボトルの2種類が販売されています。
過去には、年代ものや限定のボトルも販売されていました。
すでに終売しているボトルや、終売品の購入方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「サントリーウイスキーローヤル」
容量 | 700mL |
アルコール度数 | 43% |
希望小売価格(税別) | 3,360円 |
甘く華やかな香りと、やわらかでなめらかな口当たりが特徴の国産ブレンデッドウイスキー。
初代マスターブレンダーの鳥井信治郎の遺作であり、傑作ウイスキーといわれる「サントリーウイスキーローヤル」の味は、極められた黄金比でのブレンドにより生まれました。
高級ウイスキーの代名詞であり、かつてはパブで「ローヤル」をボトルキープすることが富裕層のステータスであったともいわれ、豊かな日本の夜を彩ってきた名品です。
甘く華やかな味わいは、独創的なボトルデザインとともに、現在もウイスキーファンに愛されています。
「サントリーウイスキーローヤル スリムボトル」
容量 | 660mL |
アルコール度数 | 43% |
希望小売価格(税別) | 2,920円 |
独創的なボトルデザインの「ローヤル」の味わいをそのままに、ボトルがスリムになったものが、「ローヤル スリムボトル」です。
通常の「ローヤル」が容量770mLのところ、「ローヤル スリムボトル」は容量660mLとなり、ボトルデザインがスリム化されました。
ボトルの中身は「ローヤル」と同様のため、好みのボトルデザインや容量に合わせて買い分けるのがよいでしょう。
終売品となった「ローヤル」の数々
現在販売されている「ローヤル」はノンエイジのみですが、過去には年代物や限定ラベルのボトルも発売されていました。
ただし、年代物や限定ラベルのボトルは、残念ながら現在は全て終売しています。
1960年に「ローヤル」が誕生して以降の販売歴は、以下の通りです。
- 1995年……ローヤルプレミアム12年(青のローヤル)発売
- 1997年……ローヤル12年、プレミアム15年 発売
- 2007年……ローヤル12年、プレミアム15年 リニューアル新発売
上記の銘柄は、どれも「ローヤル」の独創的なボトルをそのままに、それぞれのオリジナルラベルを使用したデザインで販売されていました。
終売品はネット通販で購入可能
現在は終売となっている「ローヤル」シリーズの数々ですが、ネット通販であればまだ購入可能です。
通称「青のローヤル」といわれている「ローヤルプレミアム12年」など、なかには高値で販売されているものもありますが、全体的に手の届きやすい価格帯です。
オークションサイトでは、限定販売されていたボトルも出品されているため、限定ボトルが気になる方はチェックしてみるのもおすすめです。
「サントリーウイスキーローヤル」のおすすめの飲み方はハイボール
甘く華やかな香りが特徴の「ローヤル」。おすすめの飲み方はハイボールです。
「ローヤル」をハイボールにすると、ビターな刺激が強まりサッパリとした後味で、すいすい飲みやすくなります。
トワイスアップもおすすめ
「ローヤル」の特徴である甘味と華やかな香りを堪能するなら、トワイスアップもおすすめです。
トワイスアップで飲む「ローヤル」は、フルーティな風味があり、やわらかさとまろやかさが際立ち、マイルドな口当たりを楽しめます。
トワイスアップで、「ローヤル」本来の甘味と華やかさをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
「サントリー ローヤル」はうまいとのウワサを独自調査【レビュー・口コミは?】
「ローヤル」の味については賛否あるようです。
そこで、Whiskeen編集部では、ネット上の「ローヤル」の評価について独自調査してみました。
うまいとする意見
Twitter上では、うまいという評価が多いようです。
「ローヤル」を初めて飲んだ方の感想は、総合的に評価が高い傾向にありました。
まずいとする意見
うまいという評価が多い一方で、まずいという評価もありました。
昨今のウイスキーブームによってウイスキー初心者が増えているなかで、他のウイスキーと比べた結果、まずいという評価が挙がっているような印象を受けました。
ただし、まずいという意見よりもうまいとする意見の方が圧倒的に多い結果でした。
比較的手に入りやすいウイスキーからか、あえて評価が表に出ないため、おいしさに気がついていない方が多いのかもしれません。
上記のように、味だけでなく「ローヤル」の歴史を含めた上での評価もありました。
1960年に発売されてから変わらない味わいの「ローヤル」は、発売当時の雰囲気を味わえるところも魅力のひとつなのかもしれません。
最後に
サントリー創業者であり、初代マスターブレンダーであった鳥井信治郎のこだわりが凝縮された「ローヤル」は、誕生から60年以上経った現在でも人々に愛されています。
昨今のウイスキーブームで、新たなウイスキーファンにも飲まれるようになり、改めてこの名作をうまいと評価する人も増えてきているようです。
甘く華やかな味わいのブレンデッドウイスキーをお探しの方や、「ローヤル」に興味のある方は、ぜひこの機会に「サントリーウイスキーローヤル」を手にとってみてください。