サントリーが1989年(平成元年)に創業90周年記念として生み出した、最高傑作ブレンデッドウイスキー「響17年」。
日本で高い評価を受けているだけでなく、世界中のウイスキーファンからも注目されています。
価格は発売当初から今なお高騰を続け、投資面からも注目されている「響」。
「響」の誕生秘話や世界的なコンペティションで受けた評価、最高級ウイスキーとなった理由に迫ります。
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「響17年」誕生秘話
サントリーの企業理念は、「人と自然と響き合う」とあります。
和を大事にする日本人を表すような名前を持つ「響(ハーモニー)」の誕生の背景には、次のような逸話が残っています。
当時のマスターブレンダー佐治敬三は、チーフブレンダーである稲富孝一に「創業90周年にサントリーの枠を集結した傑作を出したい」と告げました。
弦楽器のヴィオラに親しむ稲富は、ブラームスの『交響曲第1番第4楽章』をイメージしながら山崎・白州両蒸溜所の原酒を厳選します。
キーモルトには、ミズナラ樽の長期熟成モルトが加えられました。
こうして「響」のために30種以上の長熟モルト原酒と、数種の長熟グレーン原酒がブレンドされ、新たな傑作・和の極致ともいえる「ハーモニー」が誕生しました。
ウイスキー「響」と音楽の共通点
当時(1995年)のサントリーウイスキー響のテレビCMでは、こう紹介されていました。
「ウイスキーのブレンドはオーケストラの指揮に似ている。あるモルトはバイオリン。
あるモルトはフルート。
ブラームスの交響曲第1番第4楽章から響は生まれた。
36のモルトのハーモニー。
今夜グラスにシンフォニーをどうぞ。サントリーウイスキー響」(CMナレーション引用)
https://twitter.com/KogaGengakki/status/707225154561007616
『交響曲第1番第4楽章』は、弦楽器と木管楽器の柔らかな音色が混ざり合い、ヴィオラの旋律が美しく響くのが特徴です。
チェロとコントラバスのピッツィカート(弦を指ではじいて弾く奏法)が旋律をガイドしていて、まるでウイスキーの原酒が重なり合い、味わいが広がる様子を表現しているようです。
ブラームスの『交響曲第1番』は着想から完成までに21年の歳月を費やしたといわれていて、ウイスキー「響」に似ています。
「響」も「17年」「21年」「30年」と長い年月を費やした銘柄があります。
サントリーは音楽文化の普及にも力を入れており、西洋音楽のための理想的なコンサート専用ホール「サントリーホール」を開設しました。
ここでは、世界的指揮者であり巨匠と呼ばれるカラヤンをはじめ、サヴァリッシュ、アバド、バーンスタインといった20世紀を代表するマエストロや、一流の演奏家が出演した数々の名演が生まれました。
巨匠カラヤンから、「音の宝石箱」と賞賛されたサントリーホールは、音楽で人々の心を満たす音の響きを届け続けています。
「響」の世界的な評価
世界的に「響」の評価が高まり、現在は定価で入手するのが難しくなりました。
評価されているのは、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)やWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)等の世界的なコンペティションです。
2004年には「響30年」がISC最高賞の「トロフィー」を獲得、「響21年」が金賞を受賞して世界的評価を得ました。
2005年には「響17年」がSWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)で金賞を受賞しました。
2006年のISCでも「響30年」が「トロフィー」、「響21年」が金賞を受賞していて、高い水準で品質を維持しています。
さらに2021年のISCでは「響21年」がダブルゴールドを受賞、以下の銘柄が同コンペティションで金賞を受賞しています。
- 「響30年」
- 「響 JAPANESE HARMONY」
- 「響 JAPANESE HARMONY - Master's Select -」(免税限定)
- 「響 BLENDER'S CHOICE」
こうした評価から世界から注目が集まり、「響」はジャパニーズウイスキーを牽引する銘柄のひとつとなりました。
ウイスキー「響」のおすすめ3選
出合えたら味わいたい、おすすめのウイスキー「響」の3つの銘柄を紹介します。
「響 JAPANESE HARMONY」
アルコール度数:43%
容量:700mL
“日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技を結集したウイスキー”をコンセプトにしています。
ボトルは日本の24節気(立春や立夏、秋分、大寒、等)を表した24面カットで、越前和紙ラベルには「響」の文字が墨文字で施されています。
「響 JAPANESE HARMONY」に出合えたら、まずはストレートでその味わいを楽しんでみるのもおすすめです。
「響21年」
アルコール度数:43%
容量:700mL
酒齢21年以上の超長期熟成のモルト原酒がブレンドされています。
グレーン原酒も酒齢21年以上の原酒が厳選されており、サントリーのこだわりが結集したぜいたくな原酒のハーモニーを楽しめます。
ストレートやロックで味わってみてください。
「響30年」
アルコール度数:43%
容量:700mL
年間数千本しか造れない、きわめて貴重な数量限定商品です。
30面カットのクリスタルボトルが使用されていて、市場価格は年々高騰し続けており、2022年現在の価格は60万~70万円程度です。
「響」の最高傑作というにふさわしい「響30年」はストレートで味わい、香り・舌触り・喉越し・余韻の全てをじっくりと堪能するのがおすすめです。
まとめ
「響」の歴史、世界的な評価を紹介しました。
四季のある日本国内で、日本人の感性に合う味わいに造られたウイスキー「響」。
デザインやブランドのこだわりが、私たちの心にもブラームスの交響曲を響かせてくれるようです。
出合うことがあれば、ぜひさまざまな飲み方で味わってみてください。