原料のとうもろこしをベースにライ麦や小麦、大麦麦芽などを混ぜて製造される「バーボンウイスキー」。
さまざまな銘柄が製造・販売され多くのバーボン好きに親しまれてきました。
この「バーボン」っていう響き。
なんだか男らしいワイルドな感じがしますよね。
この「バーボンウイスキー」の中でも作り手によって厳選された材料と、こだわりの製造方法によって少量だけ製造される特別な「バーボンウイスキー」、通称「クラフトバーボン」をご存じでしょうか?
今回は、クラフトバーボンの銘柄のひとつ「ノブ クリーク」についてご紹介します。
「ノブ クリーク」とは?
「ノブ クリーク」とは、「ブッカーズ」や「ベイカーズ」など数多くのクラフトバーボンをリリースしている名門ビーム家が製造している銘柄のひとつです。
蒸留場所 | ジムビーム蒸溜所 |
樽 | 2度焼きをしたオーク材の樽 |
アルコール度数 | 50%~60% |
おすすめの飲み方 | ロックやハイボール |
価格相場 | 4,000円〜5,000円ほど |
「ノブ クリーク」ブランド名の由来

あなたは「ノブ クリーク」の名前の由来をご存じですか?
実は、「バーボン」の始まりの地、ケンタッキー州(当時はバーボン郡)のケンタッキー・ヒルにある小川の名前が由来です。
ここは、アメリカでもっとも偉大な大統領の1人「リンカーン」の故郷でもあり、彼の生きざまを力強い味わいに重ねて名付けられたともいわれています。
力強いリッチさを持つバーボンにふさわしい名前ですね。
禁酒法時代の以前こそが「バーボン」本来の姿

今回のテーマである「ノブ クリーク」は、リッチで深みのある当時の「ボトルド・イン・ボンド」の味を再現した銘柄です。
「ノブ クリーク」のさらなる魅力に迫る前に、「ノブ クリーク」は「バーボン」の本来の姿だということをご存じでしたか?
本来の「バーボン」の姿は禁酒法が施行される前だといわれています。
バーボンの品質を守った「ボトルド・イン・ボンド」
当時の「バーボン」はとても力強いリッチさと豊かな風味が特徴で、アメリカを中心に非常に人気の高いものでした。
しかし、当時のアメリカでは水で薄めた粗悪品や、混ぜ物をした模造品が多く出回っており、酒市場の混乱や酒税に対する国家への影響が懸念されていました。
そこで政府は1897年に「ボトルド・イン・ボンド」という法律を制定しました。
この法律により、1蒸留所で1シーズンのみ蒸留したものだけを樽に詰め、税関監督の下で4年以上熟成させ、50%以上のアルコール度数で瓶詰めした銘柄だけが「ボンデット」または「ボトルド・イン・ボンド」と名乗れました。
「ボトルド・イン・ボンド」はいわば政府公認の品質保証であり、まがいものではない信頼性のある「バーボン」の証でした。
時代背景をほうふつとさせる「ノブ クリーク」のボトルデザイン

「ノブ クリーク」のボトルのデザインは、通常の丸型のボトルのデザインとは違い平らで特徴的なデザインをしています。
実はこのデザインも1920年から1930年代まで続いた禁酒法における時代背景を物語っているのです。
ボトル誕生の背景「禁酒時代」
具体的に言うと、当時アメリカでは飲酒によるアルコールの販売を禁止した禁酒法があり「禁酒時代」と呼ばれていました。
そのため、人々はお酒を入手することが次第に難しくなっていったそうです。
禁酒法により、アメリカ政府はお酒による健康被害や犯罪件数が減ると期待していましたが、事態はその期待と真逆をたどります。
届け出の無い酒場の営業や、アルコール市場がブラックマーケットに流れていったことにより、薄めたり混合されたりした粗悪なアルコール飲料が出回りました。
中には、アルコールならなんでも大丈夫だろうと死体の防腐処理に使われるアルコールを希釈して販売したケースもあったそうです。
そのため、粗悪なアルコールにより多くの人々が中毒になり死亡するケースもありました。
禁酒法により市場を支えていた多くの蒸留所やワイナリーが倒産、または他国に流出してしまいアメリカのアルコール文化はどんどん衰退し、傾いていきました。
このボトルは、そんな時代に流行したデザインが基になっており、アルコールを持ち歩いているとわからないないようにブーツの中に隠しやすいボトル(通称:フラスコボトル)を再現しています。
魅力的な「ノブ クリーク」3シリーズ

ここまでの話はいかがでしたか?
少しでも「ノブ クリーク」の魅力が伝わっていただけたら幸いです。
ここからは、現在入手しやすい「ノブ クリーク」の銘柄をご紹介します。
「ノブ クリーク」
2度焼きのオーク材の樽の中で、9年を超える熟成を経たアルコール度数が50%の力強いリッチさを兼ね備える逸品。
琥珀色に輝く見た目が特徴で、一口飲めばオーク樽の香りと一緒にバニラやナッツの優しい香りが鼻腔を通り、スモーキーな味わいと一緒にバニラをほうふつとさせる甘みが舌の上で踊り、甘い余韻が続くと高い評価を得ているそうです。
アルコール度数 | 50% |
容量 | 750mL |
希望小売価格 | 4,000円(税別) |

「ノブ クリーク シングルバレル」
9年熟成された樽の中でもさらに厳選した樽を選び抜いた至極の逸品。
通常の「ノブ クリーク」よりさらに力強く、リッチな甘みを持ち合わせているのが特徴です。
キャラメル・スモーキーな香りと甘み。アーモンドの風味で多くの人気を集めているそうですよ。
アルコール度数 | 60% |
容量 | 750mL |
希望小売価格 | 5,000円(税別) |

「ノブ クリーク ライ」
通常のとうもろこしを原料に使ったバーボンでなく、ライ麦を主原料にしたライウイスキーです。
ライ麦特有のスパイシーで爽やかな香味は、ケンタッキーの草原をそよぐ風「ブルーグラス・ステート」を感じさせるといわれるほど。
味も「さぞスパイシーなのか」と思ってしまいますが、実際はバニラを連想させる優しい甘さを感じられます。
通常のとうもろこしを原料に使ったバーボンでなく、ライ麦を主原料にしたライウイスキーです。
ライ麦特有のスパイシーで爽やかな香味は、ケンタッキーの草原をそよぐ風、ブルーグラス・ステートを感じさせるといわれるほど。
味も「さぞスパイシーなのか」と思ってしまいますが、実際はバニラを連想させる優しい甘さを感じられます。
アルコール度数 | 50% |
容量 | 750mL |
希望小売価格 | 4,600円(税別) |

最後に
さて、今回の「ノブ クリーク」特集はいかがでしたか?
名門ビーム家が禁酒法時代以前の力強いバーボンを再現するため、かなりこだわりを持って開発、製造していることが少しでも伝われば幸いです。
『Whiskeen』ではこの他にもビーム家が製造している「ブッカーズ」をはじめさまざまな銘柄について特集していますので、ぜひご覧ください。
それでは、これからも楽しいウイスキーライフをお過ごしください。
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