クラフトバーボン「ブッカーズ」は、毎年限定生産されるプレミアムバーボンで、ウイスキーファンから注目を集め続けています。
そんな「ブッカーズ」が、有名なバーボン「ジムビーム」と関係が深いのをご存じでしょうか。
この記事では、「ブッカーズ」が世に出るまでの歴史や「ジムビーム」との関係、濃厚な味わいの秘密をご紹介します。
終売という噂や価格情報についても解説します。
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「ブッカーズ」とは

クラフトバーボンの最高峰ともいわれる「ブッカーズ」。
ユニークな名前の由来や、歴史ある製造地といった「ブッカーズ」の基本情報を見ていきましょう。
「ブッカーズ」名前の由来
「ブッカーズ」の名前から本と関係があるようにも思いますが、関係ありません。
この名前は、生みの親であるブッカー・ノウの名前に由来します。
彼はクラフトバーボンに強いこだわりを持ち、厳選した少数の樽からボトリングしたウイスキーを表す「スモールバッチ」という言葉は、ブッカー・ノウが作り出したといわれています。
「ブッカーズ」の製造地
「ブッカーズ」の生みの親ブッカー・ノウは、バーボン「ジムビーム」で知られるビーム家の6代目です。
「ブッカーズ」の原酒が製造されているのも、ジムビーム蒸留所です。
この蒸留所では「ブッカーズ」の他に、「ノブ クリーク」「ベイカーズ」「ベイゼルヘイデン」といったクラフトバーボンも造っており、いずれも人気を博しています。
「ブッカーズ」の歴史

画像出典:クラフトバーボンの思想 サントリー
ウイスキー製造の名家であるビーム家が生み出した「ブッカーズ」。
こだわりのクラフトバーボンはどのように発売され、高い品質を保ち続けているのでしょうか。
「ブッカーズ」の歴史をひも解いていきましょう。
バーベキュー・パーティで客向けに出していたバーボンが始まり
ブッカー・ノウの息子であるフレッド・ノウによると、「ブッカーズ」はもともと、ビーム家主催のバーベキュー・パーティで出していたバーボンでした。
賓客のみに振る舞われていましたが、あまりにも評判がよく、商品として販売されることになったそうです。
ブッカー・ノウの最高傑作ともいわれる「ブッカーズ」は、当時から飲んだ人を魅了していたのですね。
息子フレッド・ノウがさらなる高みを目指す
「ブッカーズ」は毎年、6~8年ほど熟成させた原酒の中から、最高峰としてふさわしいものを厳選し、ヴァッティングして造られます。
そのため製造年やバッチ(樽)によって度数や味わいに微妙な違いがあります。
現在の「ブッカーズ」は息子のフレッドが中心になって製造しており、父ブッカーが生み出した銘柄の香味をさらに高め、ファンを魅了し続けています。
「ブッカーズ」の製法

ジムビーム蒸留所で造られる原酒をヴァッティングして造られる「ブッカーズ」は、大量生産を行っていません。
毎年、蒸留所のディスティラーやクラフトマンが厳選した原酒をブレンドしており、年によって少しずつ味わいが異なります。
ブレンドされたウイスキーは、加水調整やろ過を行わず、そのままボトリングしているのも特徴です。
銘柄には、ブレンドした人の名前が付けられており、蒸留所のどの倉庫の原酒をどれくらい使ったかをホームページで見られます。
参考:https://www.bookersbourbon.com/batches/
「ブッカーズ」のラインナップ

「ブッカーズ」には、毎年ブレンドされるスタンダードボトルの他にも種類があるのをご存じでしょうか。
いずれも限定品で見かける機会は少ないため、味わう機会があったらラッキーです。
ブッカーズ

アルコール度数:60.5%~63.5%
容量:750mL
「ブッカーズ」のスタンダードボトルであり、毎年、厳選された原酒をブレンドして造られます。
年によってアルコール度数や味わいが微妙に異なるのも、魅力の一つです。
加水せずにボトリングしているため製造年やバッチ(樽)によってばらつきがありますが、いずれも60%を超える高いアルコール度数。
しかしアルコールの刺激は少なくマイルドで、バニラ、キャラメル、オークの厚みのある香りと、フルーツとタンニンの味わいが楽しめます。

ブッカーズ ライ

アルコール度数:68.1%
容量:750mL
「ブッカーズ」から初めて発売されたライウイスキーです。
ブッカー・ノウが生前に仕込んだライウイスキーで、13年以上熟成されたものを、加水・ろ過なしでボトリングしています。
アメリカ限定で販売されたため、日本ではなかなか見られない銘柄ですが、スパイシーさが強く出た味わいが特徴とのことです。
2017年には、ウイスキー評論家のジム・マレー氏が毎年発行するJim Murray’s Whisky Bibleで、「ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」に選出されています。
ブッカーズ ノエ(ブッカーノゥズ)

アルコール度数:62.6%(※蒸留年やバッチによって度数違いあり)
容量:750mL
1990年頃に流通していた銘柄で、現在はオークションなどで高値で取引されています。
メープルシロップ、バニラの甘さとウッディさを感じる香りと濃厚な口当たりが特徴です。
スタンダードボトルと同様、加水やろ過なしでボトリングされていますが、アルコールの刺激は少なくなっています。
ブッカーズ フレッド・ノエ・セレクト 成城石井

アルコール度数:62.5%
容量:750mL
ブッカー・ノウの息子、フレッド・ノウが手がけた日本の成城石井限定のボトルです。
300本限定で販売されたため、なかなか目にすることがない希少な銘柄です。
樽のようなおしゃれな箱と、フレッド・ノウの写真、直筆が入ったラベルが、特別感があります。
「ブッカーズ」の飲み方

「ブッカーズ」を飲む機会があったら、おいしく楽しみたいですよね。
プレミアムバーボンの味わいを楽しむおすすめの飲み方をご紹介します。
味わいを楽しむならロックかストレート
加水を行っておらず、アルコール度数の高い「ブッカーズ」ですが、その味わいを楽しむならぜひロックかストレートで。
濃厚なフルーツの味わいやバニラの香り、長く続く余韻を楽しめます。
ぜいたくにハイボールで楽しむ
「ブッカーズ」はハイボールにしても、おいしく飲めます。
ハイボールではもったいないと感じるかもしれませんが、割ることでアルコールの刺激が緩和され、飲みやすくなります。
重厚な香りや味わいはそのままで、爽やかに「ブッカーズ」を味わえます。
「ブッカーズ」終売の噂と価格高騰について解説

「ブッカーズ」を調べると、終売の噂や、価格が高騰しているなどの情報が出てきます。
これには、2018年以降の「ブッカーズ」の製造終了が関係しています。
2018年版の発売の後製造終了が発表され、取引価格が高騰しました。
2019年からは数量限定で販売を再開したものの、その人気も相まって高額で取引され続けています。
Amazonでは2021年版が2万円前後、価格ドットコムでは2022年版が2万円弱で販売されています。
まとめ
バーボンの名家、ビーム家の6代目が生み出したプレミアムバーボン「ブッカーズ」。
その味わいと希少さから、ウイスキー愛好家の関心を集め続けているウイスキーです。
入手する機会は少ないかもしれませんが、バーなどで見かけたらぜひその濃厚な味わいを楽しんでみてください。