ニッカウヰスキーを代表するウイスキー「竹鶴ピュアモルト」。
名前は聞いたことがあるけど、実際には飲んだことがないという方もいるのではないでしょうか。
今回はそんな「竹鶴ピュアモルト」の歴史や創業者の思い、おすすめの飲み方についてご紹介します。
この記事の監修者
大中 ヨシ
都内勤務のバーテンダー兼ウイスキー専門のwebライター。ウイスキープロフェッショナル資格所有。休日には蒸留所や温泉を巡っています。普段はジャパニーズやスコッチを愛飲。推し蒸留所はキルホーマンです。
ウイスキー「竹鶴ピュアモルト」の特徴
「竹鶴ピュアモルト」は複数の原酒を使っていることが特徴です。
味の決め手となるキーモルトは次の3つ。
- 余市蒸溜所のモルト(シェリー樽熟成)
- 宮城峡蒸溜所のモルト(シェリー樽熟成)
- 宮城峡蒸溜所のモルト(底板を新材に交換したリメード樽熟成)
この3つのモルト原酒が、なめらかな口当たりと華やかでフルーティーな香りを生み出しています。
「竹鶴ピュアモルト」を造る2つの蒸溜所
「竹鶴ピュアモルト」の構成原酒は、余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所のウイスキーです。
異なる蒸溜所で育くまれた複数の原酒が使用されています。
モルトウイスキーの可能性を追求した創業者・竹鶴政孝
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏は、本場スコットランドでウイスキー造りを学び、北海道の余市に蒸溜所を造りました。
そして余市蒸溜所の誕生から約30年後、竹鶴政孝氏は
「異なる土地で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーは味わい深く豊かになる」
という信念のもとに第2の蒸溜所を造りました。
それが、現在のニッカウヰスキー仙台工場・宮城峡蒸溜所です。
2つの蒸溜所を駆使して、竹鶴政孝氏はブレンデッドウイスキーに匹敵する柔らかさとバランスを持つモルトウイスキーの開発を目指しました。
そんな竹鶴政孝氏の情熱が結集したウイスキーが、その名を冠した「竹鶴」なのです。
ウイスキー「竹鶴ピュアモルト」製品化の歴史
竹鶴政孝氏亡き後、「竹鶴」は初めて製品化されます。
「竹鶴12年ピュアモルト」として2000年に初登場しました。
翌年には「竹鶴17年ピュアモルト」が発売され、続いて「竹鶴21年ピュアモルト」、「竹鶴25年ピュアモルト」が登場しました。
ドラマの影響で終売が相次ぐ
2014年にNHK連続ドラマ「マッサン」の放送が開始され、ジャパニーズウイスキーの人気が上昇。
これまで、あまりウイスキーに関心のなかった人たちが、このドラマをきっかけに興味を持つようになったといってもよいでしょう。
さらに世界的なジャパニーズウイスキーのブームも重なり、原酒不足が深刻化。
「竹鶴」シリーズは、相次いで終売になりました。
「竹鶴ピュアモルト」のラインナップや現在の販売状況【ほぼ終売品】
過去に販売されていた「竹鶴ピュアモルト」には、6つのラインナップが存在しました。
以下では、2023年3月時点に公式サイトにて確認できる情報を掲載します。
- 竹鶴ピュアモルト ※2020年3月31日(火)数量限定発売(参考小売価格:4,500円(税抜)/ アルコール度数43%)
- 竹鶴25年ピュアモルト ※終売 (参考小売価格:70,000円(税抜)/アルコール度数43%)
- 竹鶴35年ピュアモルト ※終売 (希望小売価格:70,000円(税抜)/アルコール度数43%)
参考:
竹鶴ピュアモルト|商品紹介|NIKKA WHISKY
竹鶴ピュアモルト | アサヒビール
竹鶴25年ピュアモルト ISC2019トロフィー受賞|商品紹介|NIKKA WHISKY
「竹鶴35年」を1,200本限定で発売 (ニュースリリース) | アサヒビール
2007年に限定1,200本で販売された「竹鶴35年ピュアモルト」は、希少性が高く他のウイスキーよりも高額です。
また、ノンエイジの「竹鶴ピュアモルト」は2020年3月31日(火)に数量限定で発売がありましたが、現時点での追加販売状況は確認できませんでした。
参考:竹鶴ピュアモルト | ウィスキー・ブランデー | 商品情報 | アサヒビール
「竹鶴17年ピュアモルト」および「竹鶴21年ピュアモルト」は終売以降、希望小売価格や希望小売価格、定価に関する公式サイト内に情報の記載なし。
また、「竹鶴12年ピュアモルト」に関する情報は公式サイトで取得不可能となっているようです。
(2023年3月30日時点)
竹鶴17年ピュアモルト WWA2018世界最高賞受賞|ニッカ モルトウイスキー|商品紹介|NIKKA WHISKY
竹鶴21年ピュアモルト|商品紹介|NIKKA WHISKY
ネット通販では一部購入可能
前述の通り、「竹鶴ピュアモルト」シリーズは相次いで終売となっていますが、一部の製品については2023年3月現在、通販サイトで購入できるようです。
ただし、「竹鶴ピュアモルト」シリーズは既に終売済みだったり、数量限定発売だったりする背景から、通販サイト上も高価格帯での設定が多いことを念頭に置かなければなりません。
「竹鶴ピュアモルト」おすすめの飲み方
「竹鶴ピュアモルト」はロックやストレート、水割り、ハイボールといったどの飲み方でもオールマイティーに楽しめます。
本来の味わいと香りを楽しむならストレートがおすすめ。
アルコールの刺激は強めですが、雑味が少ないのでウイスキーを飲み慣れていない方でもおいしく飲めます。
「竹鶴ピュアモルト」を使ったスイーツ
神奈川県横浜市に本店をかまえる生チョコレートの人気店、シルスマリアから「竹鶴ピュアモルト生チョコレート」が販売されています。
「竹鶴ピュアモルト」の深いコクと濃厚な生チョコレートのバランスがたまらない一品。
高級感が漂う専用の木箱に入っており、贈り物としてもおすすめです。
また、北海道札幌市にあるTHE NIKKA BARでは、「竹鶴」を使用したオリジナルの生チョコレートが提供されています。
見つけた方は、ぜひ試してみてください。
最後に
「竹鶴ピュアモルト」は、加水してもバランスが崩れない芯のあるウイスキー。
”ジャパニーズウイスキーの父”と呼ばれる竹鶴政孝氏の名が付いているだけあって、味も香りも一級品です。
「竹鶴ピュアモルト」はニッカウヰスキーの歴史の集大成。
手にする機会があれば、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。