スコッチ

【タリスカー】胡椒風味といわれる味や飲み方を徹底解説

スコッチウイスキーの中でも高い人気を誇る「タリスカー」。
スコットランドのスカイ島にある、タリスカー蒸留所で造られています。

厳しい海洋性気候のスカイ島で造られる「タリスカー」は、潮風の香りと黒胡椒のようなスパイシーな味わいを持つスコッチウイスキーです。

今回は「タリスカー」の歴史や特徴、おすすめの飲み方、ラインナップを紹介します。

この記事の監修者

柿﨑祐介

柿﨑祐介

BARWHITEOAK店主。青森県出身。ウイスキーとワインをこよなく愛する。ウイスキーエキスパート、ソムリエ。バーテンダー歴11年。

アイランズモルト「タリスカー」とは

「タリスカー」の基本情報をご紹介します。

  • スコットランドのスカイ島で造られている
  • 「霧の島(ミストアイランド)」と呼ばれる天候が不安定で波風が強いスカイ島で造られるからこその、味わいがある
  • タリスカー蒸留所は1830年創業
  • 販売元は世界最大手の酒類メーカーであるディアジオ社
  • 味わいは黒胡椒のようなスパイシーさと潮気を感じるのが特徴

「タリスカー」のラベルには「MADE BY THE SEA」と表記されています。
海が育んだウイスキーを意味し、スカイ島の厳しい気候が「タリスカー」の個性を引き出しているということなのです。

「タリスカー」の故郷スカイ島 

スコッチウイスキーには6大生産地があります。

  • ハイランド
  • ローランド
  • スペイサイド
  • キャンベルタウン
  • アイラ
  • アイランズ

「タリスカー」が造られているスカイ島は、アイランズに属しています。
アイランズはスコットランドから海を隔てた島々で造っているので、それぞれ個性的な味わいの銘柄が多いことが特徴。

「タリスカー」が造られているスカイ島の名前には、古代ノース語(ヴァイキングが使っていた言葉)で「翼の形をした島」という意味があります。

また、スカイ島は別名「霧の島(ミストアイランド)」と呼ばれるほど霧が出る日が多く、荒波が打ち寄せ強い潮風が吹く島です。
そんな気候だからこそ、「タリスカー」は潮気のある力強い味わいになるのですね。

「タリスカー」の名前の由来

「タリスカー」はヒュー・マカスキルとケネス・マカスキルという兄弟の手によって生まれました。
スカイ島の近くにあるエッグ島から来たマカスキル兄弟は、当時スコットランド本土で盛んだったスコッチウイスキー造りに目をつけ、スカイ島で蒸留所を創業します。

蒸留所の建設中に滞在していたタリスカー・ハウスが、「タリスカー」の名前の由来となりました。

ちなみに、「タリスカー」は古代ノース語で「傾いた大岩」という意味があります。

胡椒といわれる味わい

スモーキーでスパイシーな味わいと海の香りを感じられる「タリスカー」。
「アイランズ」にふさわしい個性的な味わいが魅力です。

香り海水、生ガキ、柑橘系、ピート
味わい黒胡椒、ドライフルーツ、塩キャラメル
フィニッシュ樽香を感じる厚みのある余韻が長く続く

「タリスカー」の最大の特徴といえるのが、黒胡椒のような刺激的な味わい。
個性的な味わいですが、口当たりが良く飲みやすいので、ウイスキー初心者の方にもおすすめできる銘柄です。

スコットランド出身の著名人にも愛される銘柄

スコットランド生まれのロバート・ルイス・スティーブンソンは、「タリスカー」をこよなく愛していました。
彼は、「ジキル博士とハイド氏」や「宝島」という名作を世に残した世界的に有名な小説家です。

そんなロバート・ルイス・スティーブンソンは「酒の王者として思いつくのはタリスカー」と言い「KING OF DRINKS」の称号を与えるほど愛飲していました。

「タリスカー」の飲み方

「タリスカー」の個性的な味わいはどのような飲み方が適しているのでしょうか。

おすすめの飲み方をご紹介します。

「タリスカー」はストレートやロックがおすすめ

「タリスカー」のおすすめの飲み方、ストレートとロックです。

ストレート

ストレートは「タリスカー」本来の味わいを感じられます。
そのため、代名詞である黒胡椒のスパイシー感、潮風の香りをダイレクトに感じられます。

ロック

オン・ザ・ロックスの場合、氷が溶け出すと味わいに変化が起こります。
氷が溶け出した時の「タリスカー」の味わいの変化を楽しみましょう。

「タリスカー10年」のスパイシーハイボール

撮影:Whiskeen編集部 torauma

後述する「タリスカー」のスタンダードボトル「タリスカー 10年」は、ハイボールで飲むのもおすすめです。
黒胡椒のようなスパイシー感や、潮気がアクセントのハイボールになります。

また、ハイボールに黒胡椒を一振りする「タリスカー スパイシーハイボール」もおすすめです。

「タリスカー スパイシーハイボール」の作り方

  1. グラスに氷を入れてステアし、グラスを十分に冷やす。
  2. 「タリスカー」1に対してソーダ2〜3を目安に注ぐ。
  3. 「タリスカー」の風味が逃げるのでステアせず、黒胡椒を一振りオントップすれば完成。

食中酒として「タリスカー」を飲むときにおすすめの飲み方です。

「タリスカー」の歴史

「タリスカー」はスカイ島の厳しい環境の下、造られているウイスキーです。
スカイ島とその海が育んだ「タリスカー」は、どのようにして誕生したのでしょうか。

「タリスカー」の歴史を振り返っていきましょう。

タリスカー蒸留所の誕生

タリスカー蒸留所は、エッグ島からスカイ島に渡ってきたマカスキル兄弟の手によって創業されました。

場所は、スカイ島のロッホ・ハーポートという汽水湖の入江にあるカーボスト。

マカスキル兄弟は、もともと羊を飼うために土地を借りていたので、蒸留所を建設するときは反対の声も多かったようです。

しかし、マカスキル兄弟のウイスキー造りにかける熱意が通じて、蒸留所の創業にこぎつけました。
その当時は、スカイ島でウイスキー造りの許可を持っている7つの蒸留所と、無許可でウイスキー造りをしている数十の蒸留所がありました。

現在は2017年にトラベイグ蒸留所が新たに創業しており、スカイ島には2カ所の蒸留所が存在しています。

タリスカー蒸留所の歩み

タリスカー蒸留所は創業後、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。

1830年タリスカー蒸留所の創業
1843年資金繰りに行き詰まり、北スコットランド銀行のマネージャーであるジャック・ウエストランドに売却する
1844年~オーナーが数回代わる
1925年ディスティラーズ・カンパニーがオーナーになる
1930年代~世界大恐慌や第二次世界大戦の影響で2度の撤退を経験する
1960年火災に見舞われるが、2年後に復活
1986年ギネス社がディスティラーズ・カンパニーを買収
1997年ギネス社とグランドメトロポリタン社が合併してディアジオ社となり現在のオーナーとなる

タリスカー蒸留所は順風満帆な歴史を歩んできたわけではなく、いくつものピンチを乗り切ってきました。
オーナーが代わってしまったり、撤退を余儀なくされたりしても、タリスカー蒸留所はマカスキル兄弟の意志を受け継いで、「タリスカー」を現在も世に送り出しています。

受賞歴

「タリスカー」は、世界的なコンペティションや大会で、数々の輝かしい賞を獲得しています。
スタンダードボトルである「タリスカー 10年」の、主な受賞歴を見ていきましょう。

ISC(International Spirits Challenge)ゴールド:1999・2007・2008・2013・2014・2015・2017年
シルバー:2009〜2012年
WWA(World Whiskies Award)ベストシングルモルトアイランズ:2008・2011・2017年
ブロンズ:2014年
IWSC(International Wine and Spirits Competition)最優秀シングルモルト12年未満:1993・1997・1999・2001・2002・2004・2009・2010年
ゴールドメダル:過去13回受賞
シルバーメダル:2000・2011・2014年
ブロンズメダル:1998年
SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)ダブルゴールド最優秀賞:2015年
ダブルゴールド:2000・2001・2003・2009・2013年
ゴールド:2010年
シルバー:2004・2007・2008・2014・2016年

その他のコンペティションや大会でも、すばらしい結果を残しています。

「タリスカー」の製法 

「タリスカー」の個性的な味わいは、どのような製法によって出来上がるのでしょうか。
こだわりの製法をご紹介します。

オレゴンパイン(オレゴン松)製のウォッシュバック 

「タリスカー」の発酵に使用されるウォッシュバック(発酵槽)は、昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製。

現在では、鉄製やステンレス製のウォッシュバックを使用する蒸留所が多くなりました。

しかし、木製のウォッシュバックを使うことで乳酸菌を利用し、独特の風味を造り出せます。

長時間の発酵と蒸留回数の変化 

発酵時間は通常50時間程度ですが、「タリスカー」は70時間発酵させます。
オレゴンパイン製の発酵槽で70時間かけてじっくり発酵させることによって、「タリスカー」の個性的な味わいが生まれるのです。

また、「タリスカー」はもともと3回蒸留していましたが、1928年以降はモルト本来の風味を生かすために2回の蒸留にとどめています。

こだわりの初留窯とワームタブ冷却装置

「タリスカー」の蒸留装置で特徴的なのが、最初の蒸留に使用する初留釜(ウォッシュスチル)。
蒸気が流れるパイプがU字になっており、重い成分はパイプの先の精留器によって初留釜に戻されて、気化と液化を繰り返す仕組みです。
そのため、クリアな初留液となり、「タリスカー」のフルーティーさを引き出しています。

また、ワームタブという昔ながらの冷却装置を採用しているのも特徴のひとつ。
冷水を張ったタンクの中にパイプをぐるぐるとはわせ、その中に蒸気を通して冷却する方法です。
ワームタブで冷却するとゆっくりと液化するため、「タリスカー」の個性にもつながります。

現在、ワームタブの冷却水には海水が利用されています。
水を確保するのが大変なスカイ島において、非常に効率の良い冷却システムといえるでしょう。
効率的なシステムにより、「タリスカー」は生産量を増やすことに成功しています。

「タリスカー 10年」の旧ラベルと新ラベル 

撮影:Whiskeen編集部 torauma

「タリスカー」のスタンダードボトルである「タリスカー 10年」が、2021年にラベルを変更しました。

旧ラベルと新ラベルのデザインの違いをご紹介するとともに、味の変化があったのかどうかを解説します。

新ラベルにリニューアル【2021.11~】

旧ボトル 撮影:Whiskeen編集部 torauma

旧ボトルは、ウイスキーを好んで飲む方なら見たことがあるのではないでしょうか。

新ボトル 撮影:Whiskeen編集部 torauma

スカイ島をかたどったラベルに旧ボトルにも書かれている「MADE BY THE SEA」は、スカイ島の自然と環境をリスペクトしている証。
さらに、自然と共存するブランドを目指し、ボトル本体のプラスチック量を削減、総重量の60%をリサイクル素材で作られたボトルです。

地球の素晴らしい自然に敬意を払っている「タリスカー」ならではのラベル変更、ということですね。

旧ラベルと新ラベルの味の違い

「タリスカー」は新ラベルになって、味がマイルドになった印象を筆者は受けました。
海水を思わせる潮気や黒胡椒のスパイシーさが柔らかくなり、よりスムースな口当たりになったといえます。

新ラベルに比べて、旧ラベルの方がしっかりとした味わいを感じられる印象です。

タリスカーの個性が好きな方は、今のうちに旧ボトルを買っておくことをおすすめします。

新ラベルも「タリスカー」の個性がなくなったわけではありません。
微々たる変化なので、新ラベルも十分おいしく飲めます。

もう少し黒胡椒感が欲しい場合は、先ほど紹介した「スパイシーハイボール」にして飲むのがおすすめです。

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その他の「タリスカー」の種類

「タリスカー10年」以外の、個性豊かな「タリスカー」のラインナップを紹介します。

タリスカー ストーム

アルコール度数45.8%
容量700mL

マスターブレンダーが熟成年数に関係なく「タリスカー」の個性が秀でた樽、スカイ島の嵐を体現しているような樽を選んでバッティングしたのが、「タリスカー ストーム」です。

「タリスカー 10年」よりも構成原酒の酒齢が若いことから、潮気や黒胡椒のような味わいが強く感じられるでしょう。
「タリスカー」の個性が気に入った方には、ぜひ試してほしい銘柄です。

主な受賞歴

  • ISC(International Spirits Challenge)

ゴールド:2014・2017年
シルバー:2015年

  • WWA(World Whiskies Award)

ゴールド:2016年
ブロンズ:2014・2017年

  • IWSC(International Wine and Spirits Competition)

シルバーメダル:2014・2015年

  • SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)

ダブルゴールド最優秀賞:2015年
ダブルゴールド:2014年
シルバー:2016年

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タリスカー ダークストーム

アルコール度数45.8%
容量1000mL(並行輸入品)

ヘビーチャーしたオーク樽で熟成された「タリスカー ダークストーム」。
「タリスカー ストーム」と同様に「タリスカー」の個性が色濃く出ている銘柄です。

現在は、免税店向けに販売されています。

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タリスカー ポートリー

アルコール度数45.8%
容量700mL

ポートリーとは、スカイ島の中心地となる街の名前で、「王の港」という意味があります。

「タリスカー」をポートワイン樽で追加熟成させたもので、スモーキーな味わいが少し和らいだ、ポートワイン由来のフルーティーな甘味のあるウイスキーです。 

主な受賞歴

  • ISC(International Spirits Challenge)

ゴールド:2015年
シルバー:2017年

  • IWSC(International Wine and Spirits Competition)

シルバーメダル:2015年

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タリスカー 8年 ディアジオ スペシャルリリース

アルコール度数59.7%
容量700mL

ディアジオ スペシャルリリースは、ディアジオ社が所有する蒸留所の原酒を使用し、加水せずにボトリングするカスクストレングスシリーズです。
「タリスカー8年 ディアジオ スペシャルリリース」も、そのシリーズのひとつで、カスクストレングスならではの力強い味わいが特徴です。

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タリスカー 18年

アルコール度数45.8%
容量700mL

「タリスカー 18年」は、18年以上熟成させたバーボン樽とシェリー樽の原酒をバッティングして造られています。
年間数量限定で出荷される、貴重な銘柄です

世界的なウイスキー品評会であるWWAにて、2007年にシングルモルトウイスキーの頂点に立ちました。

主な受賞歴

  • ISC(International Spirits Challenge)

ゴールド:2008・2011年

  • WWA(World Whiskies Award)

世界最優秀シングルモルト:2007年

  • IWSC(International Wine and Spirits Competition)

ゴールドメダル:2005・2007・2008・2011・2015年
ゴールド(ベスト・イン・クラス):2007・2008年

  • SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)

ダブルゴールド:2006年
ゴールド:2007・2008年
シルバー:2005年

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タリスカー 25年

アルコール度数45.8%
容量700mL

25年以上の熟成に耐えられる樽は、1万樽に1つしかないといわれています。
そんな希少な樽原酒をボトリングしたのが「タリスカー 25年」

かつては、カスクストレングスでの不定期なリリース品でしたが、現在では加水をしてアルコール度数45.8%に調整され、年に1度発売されています。

主な受賞歴

  • ISC(International Spirits Challenge)

シルバー:2009年
ブロンズ:2008年

  • IWSC(International Wine and Spirits Competition)

ゴールドメダル:2005・2007年
シルバーメダル:2009・2010年
ゴールド(ベスト・イン・クラス)2007・2008年
シルバー(ベスト・イン・クラス)2008年

  • SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)

ゴールド:2005・2006・2007年
シルバー:2011年

  • TWSC(東京ウイスキースピリッツ&コンペティション)

最高金賞:2019年

タリスカー 30年

アルコール度数45.8%
容量700mL

現行のシリーズで一番長熟の「タリスカー 30年」。
年に1度リリースされますが、ボトリングされるのはごくわずかの希少な銘柄です。

主な受賞歴

  • WWA(World Whiskies Award)

最優秀アイランドシングルモルト21年超:2008年

  • IWSC(International Wine and Spirits Competition)

シルバー(ベスト・イン・クラス):2007・2008年

  • SFWSC(San Francisco World Spirits Competition)

ダブルゴールド:2007年
ゴールド:2008年

タリスカー ディスティラーズ エディション

アルコール度数45.8%
容量700mL

アメリカンオーク樽で熟成させた後、アモロソシェリー樽で追熟させた「タリスカー ディスティラーズ エディション」。

アモロソシェリーとは、甘口のオロロソシェリーよりもさらに甘い、クリームのような味わいのシェリーのことです。

出荷される量が限られている希少な銘柄で、ヴィンテージやボトリングした日付、バッチ番号がラベルに刻印されています。

【ゲーム・オブ・スローンズ コラボ】タリスカー セレクト リザーブ グレイジョイ家 

アルコール度数45.8%
容量750mL

人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(HBO)とコラボした銘柄。
「ゲーム・オブ・スローンズ」に出てくるグレイジョイ家の紋章が、ラベルに描かれています。

最後に

スカイ島の自然と海が生んだ「タリスカー」は、アイランズらしい独特の個性を持った素晴らしいウイスキーです。

ウイスキーブームの現在、世界のみならず日本でも人気が高まっているウイスキーのひとつですので、この記事を参考に、ぜひ試してみてください。

  • この記事を書いた人

torauma

大阪で細々とBARをしています。 好きなお酒はバーボン。 whiskeenを通してウイスキーの魅力を知っていただけたらうれしいです。

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