「アードベッグ」を世界中のファンと共に祝う「アードベッグ・デー」が、2023年6月1~3日(東京)、9~10日(大阪)で開催されました。
本イベントに参加したWhiskeenライターが、イベント内容と試飲した限定ボトル「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」を詳しく紹介します。
「アードベッグが大好き」「アードベッグ・デーがどのようなものか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
「プラネットアードベッグ・デー2023」概要

東京会場 | 原宿八角館1F 6月1日(木)~6月3日(土) (6月1日はコミッティーメンバー限定) |
大阪会場 | 心斎橋BIG STEP B2F 6月9日(金)~6月10日(土) |
チケット価格 | 3,500円(税込) |
ドレスコード | マンガやアニメ、SF、映画といったサブカルチャー要素を盛り込んだ服装(必須ではありません) |
会場で楽しめるのは、次のドリンクです。
- 限定ボトル「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」
- アードベッグ TEN(10年)
- アードベッグ ウィー・ビースティー (5年)
- アードベッグ オリジナルカクテル
「アードベッグ・デー」とは
「アードベッグ・デー」とは、シングルモルト「アードベッグ」を熱心なファン「アードベギャン」やモルトファンと共に祝うイベントです。
スコットランドのアイラ島では、毎年5月最終週から6月第1週に「アイラウイスキー・フェスティバル」が開催され、期間中は各蒸留所が日替わりで「オープン・デー」を開催します。
最終日の「アードベッグ」は、その日を「アードベッグ・デー」とし、毎年コンセプトを変えて限定ボトルを発売しています。
2012年より世界で同時開催しており、アイラ島に行かずとも限定ボトルが楽しめるようになりました。
2023年のコンセプトは「プラネットアードベッグ・デー」。
マンガやアニメや、SF、映画といったサブカルチャーの世界観が楽しめる「アードベッグ・デー」となりました。
【体験】プラネットアードベッグ・デー2023

東京・原宿八角館1Fのイベント会場に入り、ウェルカムドリンクの「アードベッグ ウィー・ビースティ(5年)」のハイボールを頂きました。
爽やかで非常に飲みやすく、ゴクゴクと一気に飲んでしまいました。

会場1Fには、バーカウンターとさまざまなグッズが当たる「コミッティーガチャ」が設置されています。
地下1Fにはバーカウンターとメインステージの他、SFグラフィックノベル「プラネット アードベッグ」の世界が楽しめるディスプレイがありました。





地下1Fにはグラフィックノベルの世界と一体になれるフォトスポットがあり、早速1枚撮影させていただきました。

なお、「プラネットアードベッグ・デー2023」の様子は、MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社のプレスリリースでも公表されています。
「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」お披露目
会場で「アードベッグ」を楽しんでいると、メインステージでアニメがスタートしました。

アニメの内容は、「アードベッグ」のジャパン・アンバサダー、ボブさんが「日本のアードベギャン用のヘビー・ヴェーパーが完成したよ。アイラ島までとりに来て」とのメールを受け、アイラ島の蒸留所に行くストーリー。
ボブさんは蒸留所へ駆け付けますが、メールの送り主は分かりません。
しかし「ヘビー・ヴェーパー」がちょうど完成したとのことで、ボブさんはそれを持って日本に帰ったのでした。

アニメが終了すると、アンバサダーご本人の登場です。
連れているのはマスコット犬のショーティー。
ボブさんは「やってまいりました! アードベークデー2023年、ようこそ!」と挨拶し、アードベッグデーを紹介。
限定ボトル「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」について、「アードベッグのピュリファイアー(精留器)を取っ払ったら、どんな味になるだろうというのが、今回のアードベッグです。」と説明してくれました。
「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」の熟成年数は10年程度とのことです。
ピュリファイアー(精留器)とは?
ポットスチルのラインアームに取り付けられる円筒形の部品のことで、採用している蒸留所は数少ない。
ピュリファイアーを使用すると蒸気の還流(蒸気が冷やされ液体化すること)が起こり、繊細で複雑な香味を持つ蒸留液ができる。
一通りボトルの紹介が終わると、会場全員が乾杯用の「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」を持ち、「スランジバー!」と乾杯。
「スランジバー」とは、スコットランドのゲール語で、「あなたの健康を祝して」という意味の乾杯の言葉です。
乾杯を終えて、「一言で言うと、うまい。重量感、濃厚さ、オイリーさ、ねっとり感。フルーティーな感じもあります。」とボブさん。
「ピュリファイアーがあると、ハーバルな感じ、ミントの感じがより出てくるけど、ヘビー・ヴェーパーは、チョコレート感をより感じるなと思いますね。」とフレーバーを解説してくれました。
会場に隠れた「悪ガキヴェーパー」を探せ!

しばらく会場で楽しんでいると、再びメインステージでアニメがスタート。
アイラ島のアードベッグ蒸留所から、「ヴェーパーがいなくなった」という内容でした。
いなくなったヴェーパーは、ひそかにボブさんにくっついて日本にやって来て、会場に紛れ込んでいるとのこと。
実は、最初のアニメでボブさんにメールをしたのは「悪ガキヴェーパー」でした。
アニメが終わるとステージにボブさんが登場し、「会場のどこかにいるから探して」「フラッシュをたいて撮影すれば見つかる」と訴えます。
そのまま会場で、悪ガキヴェーパー探しが始まりました。
【レビュー】「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」

ヘビー・ヴェーパー(heavy vapours)は直訳すると「重い蒸気」。
「アードベッグ」のスモーキーさと繊細さのバランスを取る、ピュリファイアー(精留器)を使用せずに造られた「アードベッグ」です。
ストレートで飲んだ感想や「アードベッグ TEN(10年)」と比べた感想、また、会場で飲んだカクテルを紹介します。
ストレート

非常に濃厚で、強烈なスモーキーさを感じました。
最初にほんのり甘味があるものの、かなりドライでエッジが利いています。
フルーティーな香りよりも、カカオのようなビターさと煙っぽさが堪能できます。
時間が経ってもスモーキーな余韻が残り、「無敵のアードベッグ」とアピールしているのもうなずけました。
非常においしかったです。

「アードベッグ TEN(10年)」と比較して

限定ボトルの「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」の後に飲むと、「アードベッグ TEN(10年)」は少し薄く感じられます。
また、「アードベッグ TEN」のほうが塩っぽさが強いでしょうか。
「ヘビー・ヴェーパー」はスモーキーさが長く残るのに対し、「アードベッグ TEN」は時間が経つとバニラ香やオレンジ・バナナといったフルーツ香が残ります。
この違いが、バランスを取るピュリファイアー(精留器)から生まれているのかもしれません。

カクテル「ジーニーズ・トフィー」

ジーニーズ・トフィー(genie’s toffee)は公式サイトでも紹介されている「アードベッグ」のオリジナルカクテル。
「アードベッグ」の風味がしっかり生きている、やや甘口のカクテルです。
「アードベッグ」を使ったカクテルは初めて飲みましたが、思った以上にバランスが良くて驚きました。
▼材料
- アードベッグ TEN(10年)
- アマレット
- チョコレート ビターズ
- ライム ビターズ
- 岩塩
アマレットとスコッチで作るカクテル「ゴッドファーザー」の進化系といったところでしょうか。
ドリンクレシピ | 世界が熱望するアイラモルト ARDBEG
最後に

「アードベッグ・デー」は、世界中にファンのいる「アードベッグ」のおいしさや魅力を体感できる、年に1度のお祭りです。
筆者は初めて参加し、熱心なファン「アードベギャン」だけでなく、「アードベッグ」を飲んだことのない人でも楽しめる懐の深いイベントだと感じました。
「アードベッグ」のスモーキーな味わいだけでなく世界観まで楽しめる「アードベッグ・デー」を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。