厳選された原酒を、絶妙なバランスでブレンドしたスコッチウイスキー「シーバスリーガル」。
ウイスキーファンだけではなくお酒をたしなむ方なら名前を聞いたことがある銘柄ではないでしょうか。
「シーバスリーガル」の華やかでフルーティーな味わいは世界中のウイスキーファンから支持されています。
今回はブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル」の歴史や製法、「シーバスリーガル」の個性豊かなラインナップ、口コミをご紹介します。
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「シーバスリーガル」とは
「シーバスリーガル」はシーバス・ブラザーズ社が製造しているブレンデッドウイスキーで、ペルノ・リカール・ジャパン株式会社が日本の販売元です。
キーモルトである「ストラスアイラ」を中心に、さまざまな原酒をブレンドして造られています。
厳選された原酒を卓越したブレンド技術で完成させた「シーバスリーガル」は、スムースな飲み口なのに華やかでフルーティー。
万人受けする味わいで、ブレンデッドウイスキーを代表する銘柄のひとつです。
「シーバスリーガル」名前の由来
「シーバスリーガル」の名前は、創業者であるシーバス兄弟の名前と、「王家の」「威厳のある」という意味の「リーガル」を組み合わせたことが由来です。
さまざまな原酒をブレンドしてウイスキーを造ることで、なめらかで華やかな味わいを実現させたシーバス兄弟はブレンデッドウイスキーのパイオニアといえる存在です。
キーモルトは「ストラスアイラ」
「シーバスリーガル」のキーモルトであるストラスアイラ蒸留所は、スペイサイド地方キースにある、1786年創業の現存する最古の蒸留所です。
スコットランド屈指の景観を誇る蒸留所としても有名で「絵のように美しい」と形容されるほど。
蒸留所のオフィシャルボトル「ストラスアイラ12年」はフルーティーでフルボディな味わいが魅力のシングルモルトウイスキーですが、残念ながら終売となっています。
ただし、現在もネットショップやオークションサイトで購入可能です。
シーバスリーガルの歴史
今ではブレンデッドウイスキーの代表銘柄のひとつとなっている「シーバスリーガル」の歴史は、どのようなものなのでしょうか。
「シーバスリーガル」誕生からの歩みを解説していきましょう。
始まりはアバディーンの高級食料品店
「シーバスリーガル」の誕生は、スコットランドのアバディーンにある高級食料品店でジェームス・シーバスが働き始めたことがきっかけでした。
探究心が強く、才覚のあったジェームス・シーバスはメキメキと頭角を現しました。
そこに弟のジョン・シーバスを招き入れ、シーバス・ブラザーズ社を創業します。
店の地下にあるセラーでウイスキーの熟成を試していたところ、顧客から「より豊かでなめらかなウイスキーを」という依頼があり、シーバス兄弟はウイスキーのブレンディングを始めました。
上質で安定した味のウイスキーが評判を呼び、上流階級の人々の支持も獲得します。
1840年代に入ると、シーバス・ブラザーズ社はモルトとグレーンウイスキーを一つの樽で貯蔵する試みで優れたブレンディング技術を確立。
質の良いウイスキーが生まれ、世界中から注文が殺到するようになりました。
その噂は英国王室も知ることとなり、1943年にビクトリア女王から王室御用達(ロイヤルワラント)の名誉を得ることになります。
王室御用達(ロイヤルワラント)とは?
ブランドや企業に与えられる特別な称号で、ロイヤルワラントを受けた商品やサービスは各国の王室への提供が許される。
「シーバスリーガル」の誕生
1909年に初代マスターブレンダーのチャールズ・ハワードとアレキサンダー・スミスが「シーバスリーガル 25年」を発売し、これより「シーバスリーガル」ブランドが誕生しました。
世界初のラグジュアリーウイスキーとして売り出されましたが、当時の技術で25年熟成のウイスキーを生み出すのは至難の業だったことでしょう。
当時のシーバス・ブラザーズ社の徹底した管理体制と技術力が、いかに高かったかがわかりますね。
最初に販売されたのはニューヨークで、すぐに富裕層の人々から多くの支持を得ることになりました。
ニューヨーク社交界では、定番のウイスキーとしてパーティーに無くてはならない存在となったのです。
禁酒法からの復活
1920年にアメリカで禁酒法が制定されたことで「シーバスリーガル」は市場から姿を消してしまいます。
ニューヨークを席巻したのは、わずか10年ほどという短い期間でした。
しかし、禁酒法で販売できなくなっても「シーバスリーガル」のクオリティーの高い味わいは人々の記憶に残っていました。
1933年に禁酒法が廃止されると、1938年には「シーバスリーガル 12年」がリリースされ、待望の復活を遂げました。
シーバスリーガルの製法
「シーバスリーガル」の華やかでスムースな味わいを造り出すには、「ストラスアイラ」の原酒が欠かせません。
「ストラスアイラ」の仕込み水の一部は「フォン・ブイエン」と呼ばれる蒸留所の近くにある古い泉の湧水です。
中硬水である「フォン・ブイエン」の湧水を使うことで、「シーバスリーガル」の華やかな味わいを造り出しているといわれています。
キーモルトである「ストラスアイラ」のフルーティーかつ重厚な味わいと、そのほかの個性ある蒸留所の原酒が、マスターブレンダーの絶妙なブレンディング技術によってブレンドされ「シーバスリーガル」は完成します。
シーバスリーガルのラインナップ
「シーバスリーガル」の味わいは、熱心なウイスキーファンだけでなくウイスキー初心者にもおすすめできます。
「シーバスリーガル」のラインナップを解説していきましょう。
シーバスリーガル 12年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル 」のフラッグシップボトルである「シーバスリーガル 12年」。
華やかでスムースな味わいで、世代を超えて支持される銘柄です。
蜂蜜やハーブ、フルーティーな香りで、バニラやヘーゼルナッツのような味わい。
余韻は優しく長く続きます。
シーバスリーガル ミズナラ 12年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル ミズナラ 12年」は日本産のミズナラ樽でフィニッシュさせた日本限定販売の銘柄です。
ミズナラ樽で追熟させることで、樽由来の独特の甘い香りが感じられます。
ナッツや洋梨の香りに蜂蜜やスパイシーな味わいも感じられ、優しく繊細な余韻が程よく続きます。
シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソ シェリーカスク
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル エクストラ 13年 オロロソ シェリーカスク」はオロロソシェリー樽でフィニッシュさせた銘柄です。
フラッグシップボトルの「シーバスリーガル 12年」よりも1年長い13年熟成なのは、シーバス・ブラザーズ社の創業場所が「キングストリート13番地」だったことが由来です。
オロロソシェリー樽由来の熟したフルーツの香りやシナモン、ナッツの香り。
味わいにはスイーツのような甘さを感じます。
シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
発売は2023年7月24日(月)から発売される「シーバスリーガル エクストラ 13年 ラムカスク」は、ブランド史上初めてラム酒樽を用いて造られている銘柄です
原酒の一部をラム酒樽で熟成させ、オレンジやアプリコットジャムのような味わいを生み出しています。
ストリートアーティストのグレッグ・ゴセル氏がパッケージデザインを手掛けており、サトウキビをモチーフにデザインされています。
シーバスリーガル 18年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「ストラスアイラ」をキーモルトに85種類もの原酒をブレンドして造られている「シーバスリーガル 18年」。
85種類の原酒を、シーバス・ブラザーズ社自慢のブレンド技術で完璧に調和させています。
複雑かつ芳醇な味わいは、プレミアムブレンデッドウイスキーと呼ぶにふさわしい銘柄です。
ドライフルーツやスパイス、バタートフィーの香りにダークチョコのように香ばしく、華やかな味わい。
いつまでも続く芳醇な余韻が感じられます。
シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュ
アルコール度数 | 43% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュ」は18年以上熟成させたモルト原酒とグレーン原酒がブレンドされています。
日本産のミズナラ樽でフィニッシュさせていて、「シーバスリーガル ミズナラ 12年」と同じく日本限定の商品です。
蜂蜜、りんご、バニラ、シナモンの濃厚で芳醇な香りと、花のような繊細で華やかな香り。
アンズのような甘さと生姜のようなスパイシーさが合わさった複雑な味わいが楽しめます。
甘くてスパイシーな余韻が長く続きます。
シーバスリーガル アルティス20年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル アルティス20年」はスペイサイド地方の名だたる5つの蒸留所のモルト原酒と、ストラスクライド蒸留所のグレーン原酒をブレンドして造られた銘柄です。
▼使用されている5つのモルト原酒
- ストラスアイラ
- ロングモーン
- トーモア
- アルタベーン
- ブレイヴァル
グレーンを含めた6種類の原酒は全て20年以上熟成させたものを使用しているため、ローマ数字で「20年」という意味がある「XX」が表記されています。
りんごやラズベリージャムといった爽やかなフルーティーな香りと、バニラやバタートフィーのような濃厚な甘い香り。
蜂蜜や洋梨、チョコレートのような芳醇な甘さの後に、オレンジピールやなめらかなモルトの味わいがあり、甘くて長い余韻が続きます。
シーバスリーガル 25年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
1909年に初めて「シーバスリーガル」の名で発売した「シーバスリーガル 25年」は世界初のラグジュアリーウイスキー。
長い時を経て当時の復刻版となる「シーバスリーガル 25年」が現代に蘇りました。
贅沢に25年以上熟成させた原酒のみをブレンドしています。
ピーチやオレンジの爽やかでフルーティーな香りとナッツの香ばしい香り、上質なチョコレートのような味わい。
なめらかでやさしい余韻が長く続きます。
シーバスリーガル アイコン
アルコール度数 | 43% |
容量 | 700mL |
「シーバスリーガル アイコン」は、20種類以上の長期熟成された原酒をブレンドした最高峰のブレンデッドスコッチウイスキーです。
ブレンドには、現在操業していない蒸留所の希少な原酒を含んでいます。
ボトルは吹きガラスによって作られたクリスタルデカンタで、高級感があります。
熟した梨やビターチョコレートのような、芳醇でリッチな香り。
オレンジや桃のフルーティーな味わいとともに、ヘーゼルナッツのような香ばしい味わい。
なめらかでリッチな余韻が、いつまでも続きます。
シーバスリーガル ユニティカスク
ウイスキーの味わいに影響を与える熟成樽の慣例にとらわれない、自由な発想で生み出されたのがユニティカスクです。
ユニティカスクはミズナラとフレンチオークという2種類の材料を組み合わせて1つの樽にしているカスク。
12年以上熟成したモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、一部をユニティカスクでフィニッシュさせています。
「シーバスリーガル」の飲み方
フラッグシップボトルの「シーバスリーガル 12年」は、ストレートやロック、ハイボールでもおいしく飲めます。
ストレートなら「シーバスリーガル」の個性や芳醇な香りをダイレクトに味わえますし、ロックは氷が徐々に溶けて味の変化を楽しめます。
ハイボールは食中酒としておすすめで、炭酸で割ってもスムースで華やかな味わいが変わりません。
「シーバスリーガル」のカクテル
「シーバスリーガル」はカクテルでも楽しめます。
「シーバスリーガル」を使用したカクテルレシピを紹介していきましょう。
ココナッツハイボール
「シーバスリーガル」の味わいに、ココナッツウォーターの爽やかでトロピカルな味わいが絶妙にマッチします。
夏の暑い日によく合うカクテルです。
材料
- 「シーバスリーガル 12年」 35mL
- ココナッツウォーター 70mL
- 炭酸水 100mL
- ライム 1搾り
- くし形切りのライム(飾り用)
作り方
- グラスに氷と「シーバスリーガル 12年」を入れてステア
- ココナッツウォーターと炭酸水でグラスを満たして軽くステア
- くし形切りのライムを飾って完成
モーニング・グローリー・フィズ
スコッチウイスキーの定番カクテル、モーニング・グローリー・フィズ。
ハーブやレモンのフレーバーのすっきりしたカクテルで、卵白が口当たりをなめらかにしてくれます。
材料
- 「シーバスリーガル 12年」 50mL
- シュガーシロップ 15mL
- レモン果汁 20mL
- アブサン 5mL
- 卵白 1個
- 炭酸水
作り方
- 炭酸水以外の材料をシェイカーに入れて氷を入れずにシェイク
- シェイカーに氷を入れてさらにシェイク
- グラスに氷を入れずに注ぐ
- 泡がグラスの上までくるように炭酸水を注いで完成
ピーチハイボール
「シーバスリーガル ミズナラ 12年」のスパイシーな風味と、ピーチの爽やかでフルーティーな味わいが絶妙にマッチしたカクテル。
ウイスキーが苦手な方でも飲みやすいのでおすすめです。
材料
- 「シーバスリーガル ミズナラ 12年」 40mL
- ピーチリキュール 10mL
- 炭酸水 150mL
- スライスした桃(飾り用)
作り方
- グラスに「シーバスリーガル ミズナラ 12年」とピーチリキュールと氷を入れてステアしよく冷やす
- 炭酸水でグラスを満たす
- スライスした桃を飾って完成
「シーバスリーガル」の評価は?口コミを紹介
「シーバスリーガル」を飲んだ方はどのような感想だったのかを調べました。
ネガティブな口コミとポジティブな口コミ両方を調べたので、ぜひ参考にしてください。
ネガティブな口コミ
「シーバスリーガル」に対してネガティブな意見は比較的少なかったのですが、上記のような意見もちらほらありました。
クセの強いウイスキーが好きな方には「シーバスリーガル」のスムースな味わいは少し物足りなく感じるのかもしれませんね。
ポジティブな口コミ
「安価なのにバランスがよくておいしい」「飲みやすいのでウイスキー初心者の方におすすめできる」という意見がありました。
また、「シーバスリーガル ミズナラ 12年がおいしい」という意見が非常に多く、ポジティブな意見は挙げればキリがないほどでした。
まとめ
「シーバスリーガル」は世界初のラグジュアリーウイスキーとして発売されたブレンデッドスコッチウイスキーです。
スムースで華やかな味わいは飲み方を選ばないのでどのようなシチュエーションでも楽しめ、ラインナップは種類豊富。
キーモルトのストラスアイラの原酒と卓越したブレンド技術を感じながら、ブレンデッドスコッチの代表格「シーバスリーガル」をぜひ味わってみましょう。