「アードベッグ」はスコットランドのアイラ島で造られているウイスキーです。
アイラ島で造られるウイスキーはアイラモルトと呼ばれており、ピート香が強くスモーキーな味わいが特徴。
「アードベッグ」はアイラモルトの中でも特に強烈なピート香を感じられることから熱狂的ファンが多い銘柄でもあります。
今回はそんな「アードベッグ」の歴史や製法、ラインナップやおすすめの飲み方を解説していきます。
試飲レポートもあるので、「アードベッグ」が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
「アードベッグ」とは
「アードベッグ」はスコットランドのアイラ島南部の海沿いにある「アードベッグ蒸留所」で造られているシングルモルトウイスキーです。
「アードベッグ」のスモーキーさはアイラモルト最高クラス。
海藻を含んだピートを使用するのでヨード香という薬品のような香りも特徴的です。
しかし、強いスモーキーな味わいの中にもフルーティーで上品な甘味を感じられます。
「アードベッグ」は、個性的な味わいのウイスキーなので好き嫌いが分かれますが、世界中に「アードベギャン」と呼ばれる熱狂的なファンがたくさんおり、人気の高さがうかがえます。
「アードベッグ」発祥の地
「アードベッグ」を造るアードベッグ蒸留所は、アイラ島南部の海沿いにあります。
「アードベッグ」が造られるアイラ島は、およそ600平方メートルで淡路島より少し大きい程度。
島の中には9つの蒸留所があり、ウイスキーファンからは「スコッチウイスキーの聖地」と呼ばれています。
「アードベッグ」「アードベック」どちらが正しい?名前の由来
「アードベッグ」のスペルは「ARDBEG」です。
「アードベック」と勘違いしがちですが、「アードベッグ」が正しいので間違わないようにしましょう。
名前の由来ですが、昔のスコットランドの人々が使っていた言葉であるゲール語で「小さな岬」という意味があります。
「アードベッグ」はまずい?正露丸のにおい?
「アードベッグ」は正露丸のにおいに例えられることがあります。
それは海藻を含んだピートを使用して造られることによって生じるヨード香が、正露丸のにおいに似ているからだと考えられます。
「アードベッグ」を口に含んだ瞬間は、ヨード香とスモーキーさが非常に際立つのですが、そのときの香りが正露丸に似ているという方が多くいます。
しかし、その後はモルトの香ばしさやフルーティーな香りに変化します。
「アードベッグ」は最初の強烈なピート香とスモーキーさ、その後の爽やかな味わいの変化を楽しめるスコッチウイスキーといえます。
ただしアイラモルトを飲んだことがない方は、ピート香のインパクトに驚いてしまう可能性がありますね。
アイラモルトを代表する強烈なピート香
ピート香の強さはフェノール値(ppm)という単位で表されます。
「アードベッグ」はこのフェノール値が約55ppm。
スモーキーな味わいの代表格とされる「ラフロイグ」のフェノール値は約45ppmですが、「アードベッグ」は最高クラスのスモーキーさを感じられる銘柄です。
「アードベッグ」と「ラフロイグ」の違い
「アードベッグ」と「ラフロイグ」はどちらもスモーキーなウイスキーとして有名で、よく比較されます。
この2つの銘柄はどのような違いがあるのでしょうか。
違いを比較するのはお互いのスタンダードボトルといえる「アードベッグ TEN」と「ラフロイグ 10年」です。
まずは基本情報をみていきましょう。
アードベッグ TEN | ラフロイグ 10年 | |
---|---|---|
蒸留所 | アードベッグ蒸留所 | ラフロイグ蒸留所 |
種類 | シングルモルトウイスキー | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボン樽 | バーボン樽 |
熟成年数 | 10年 | 10年 |
フェノール値 | 約55ppm | 約45ppm |
アルコール度数 | 46% | 43% |
フェノール値とアルコール度数は「アードベッグ TEN」のほうが高いことがわかります。
筆者が「アードベッグ TEN」と「ラフロイグ 10年」を飲み比べた感想
「アードベッグ TEN」と「ラフロイグ 10年」は、どちらも口に含んだ瞬間にガツンとしたスモーキーさを感じますが、フェノール値の違いはそこまでわからない味わい、という印象でした。
(個人差があります)
「アードベッグ TEN」はスモーキーさの後に、柑橘系の爽やかな香りとモルトの香ばしさを感じます。
スモーキーな余韻が長く続きますが、後味はすっきりした印象です。
「ラフロイグ 10年」はスモーキーさの後に、バニラのような甘い香りとモルトの香ばしさを感じます。
スモーキーな余韻が長く続き、口にいつまでも残る印象です。
「アードベッグ」の歴史
「アードベッグ」は、現在ではアイラモルトを代表するウイスキーとなりましたが、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。
「アードベッグ」の歴史をご紹介します。
「アードベッグ蒸留所」の誕生
アードベッグ蒸留所は、1815年にジョン・マクドゥーガルによってアイラ島南部の海沿いにある小さな岬に設立されました。
一説では、1794年にアードベッグ蒸留所の前身となる蒸留所があったものの、密造酒を造る蒸留所だったことから、政府の取り締まりにより廃業となったようです。
1838年に、グラスゴーの商人であるトーマス・ブキャナンが蒸留所のオーナーとなりますが、蒸留所の経営はジョン・マクドゥーガルの息子であるアレクサンダーが行っていました。
1853年にアレクサンダー・マクドゥーガルが亡くなってしまいますが、彼の姉妹であるマーガレットとフローラが経営を引き継ぎます。
1887年には、ウイスキー生産量が年間110万リットルを超えて、アイラ島で一番ウイスキーを生産する蒸留所にまで成長しました。
「アードベッグ蒸留所」の度重なる困難
アイラ島で一番のウイスキー生産量になったアードベッグ蒸留所ですが、その後度重なる困難に見舞われます。
アードベッグ蒸留所は1900年代に入ると、度重なるオーナーチェンジを繰り返すようになります。
最終的に1977年にハイラム・ウォーカー社がオーナーとなりますが、1981年に蒸留所は操業停止に追い込まれることに。
その後、1987年にアライド・ライオンズ社がハイラム・ウォーカー社を傘下にし、1989年から少量ながらも生産を再開します。
1981年の操業停止から生産を再開した1989年の8年間、アードベッグ蒸留所は操業を停止していたことになります。
生産を再開できるようになりましたが、経営状況は安定せず、1996年にアライド・ライオンズ社もアードベッグ蒸留所を手放してしまう結果となりました。
しかし、1997年にグレンモーレンジィ社がオーナーとなり、少しずつ経営が改善されていきます。
「アードベッグ」が不死鳥といわれる理由
グレンモーレンジィ社がオーナーとなってから、経営状況は安定するようになりました。
一時はウイスキーを造ることさえできなかった蒸留所が、不死鳥のごとく復活したのです。
「アードベッグ」をこよなく愛するファン「アードベギャン」や、蒸留所の職人たちがいなければ、蒸留所の復活はありえなかったでしょう。
復活した当時を知る人たちは、以下のようなコメントを残しています。
蒸留所の壁に、靴箱が引っ掛けてあったんだ。「これはこの地域の風習か何かかな?」と思って蒸留所メンバーに聞いてみると…驚いた。箱を外してみると、電気のブレーカーが出てきたんだ。壊れたカバーを修繕する費用を節約してまで運営を続けてきた努力にすごく感動したよ。蒸留・製造責任者 Dr.Bill Lumsden
引用:アードベッグの歴史 | 世界が熱望するアイラモルト ARDBEG
アードベッグに赴任する夫と共にアイラに降り立ったのが97年の8月。ちょうどダイアナ妃が事故で亡くなった日だったから、その日のことはよく覚えているの。当時の蒸留所は改修前でまだボロボロ。アイラに行く前に「アードベッグは素敵なところだよ」なんて言っていた夫に、思わず「うそつき!!」って叫んでしまったくらいよ。ビジターセンターマネージャー Jackie Thompsom
引用:アードベッグの歴史 | 世界が熱望するアイラモルト ARDBEG
上記のコメントがあるように、復活当初の環境はひどいもので、アードベッグ蒸留所は本当に危機的状況だったことがわかります。
そのような環境から復活し、いまなお世界的に愛されるウイスキーを作り続けていることに感服しますね。
蒸留所閉鎖のピンチを何度も乗り越えて復活したことで、「アードベッグ」は不死鳥といわれるようになりました。
「アードベッグ」の受賞歴
「アードベッグ」の主な受賞歴を見ていきましょう。
- 「アードベッグ TEN」ウイスキーバイブル2008 ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー受賞
- 「アードベッグ ウーガダール」ウイスキーバイブル2009 ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー受賞
- 「アードベッグ スーパーノヴァ」ウイスキーバイブル2010 スコッチ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー受賞
- 「アードベッグ コリーヴレッカン」 ワールド・ウイスキー・アワーズ2010 ベスト・シングルモルト・ウイスキー受賞
「アードベッグ」が数々の輝かしい賞を獲得している、素晴らしいウイスキーということがわかりますね。
「アードベッグ」の製法
アイラモルト随一のスモーキーさが魅力の「アードベッグ」は、どのようにして造られているのでしょうか。
「アードベッグ」特有の製法を解説します。
「アードベッグ」の原料や仕込み水について
原料の大麦麦芽はポートエレンの麦芽製造所から供給される、フェノール値50ppmのピーテッド麦芽を使用します。
仕込み水は蒸留所の裏の丘を上がったところにあるウーガダール湖の軟水を使用。
ウーガダールはゲール語で「暗くて神秘的な場所」という意味があります。
「アードベッグ蒸留所」の発酵槽と蒸留器
アードベッグ蒸留所ではオレゴンパイン製の発酵槽を使用しています。
オレゴンパイン製の発酵槽を使用することで、ウイスキーになめらかな質感を与えることが可能です。
フェノール値の高い大麦麦芽を使用するため、発酵時間は他の蒸留所に比べて長い時間が必要なようです。
蒸留器は初留釜、再留釜共にランプ型のものを使用。
再留釜には精留器がついています。
蒸留した原液が精留器を通ることによって、フルーティーで華やかな香りがプラスされます。
「アードベッグ」の特徴であるノンチルフィルタードとは?
「アードベッグ」の製法で特徴的といえるのが、ノンチルフィルタードを採用しているところです。
大抵のウイスキーは品質保持のため、チルフィルタード(冷却ろ過)をして白濁した沈殿物を取り除く工程を行います。
しかし、ノンチルフィルタードはこの工程を行いません。
白濁した沈殿物の中には樽由来の成分や香り成分が含まれるので、チルフィルタードをしないことで、本来のウイスキーの風味を損なわずに済むのです。
多少の沈殿物には目をつむり、原酒本来の風味を味わってもらおうというのが、ノンチルフィルタードを採用する理由です。
使用済みの穀物は再利用される
ウイスキーを造る工程で、糖化(マッシング)というものがあります。
糖化を行うと麦芽カスが出ますが、アードベッグ蒸留所は地元の畜産農家へ麦芽カスを提供し、牛の餌としてリサイクルしています。
「アードベッグ」のラインナップ
「アードベッグ」は個性豊かなラインナップを多く揃えているのも、特徴のひとつです。
「アードベッグ」のラインナップをご紹介します。
「アードベッグ TEN」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ」のスタンダードボトルである「アードベッグ TEN」。
バーボン樽で10年以上熟成させた原酒を、ヴァッティングして造られます。
口に含んだ瞬間は強烈なピート香とスモーキーさが口の中にあふれますが、その後はフルーティーで爽やかな香りに変化していく、複雑な味わいが特徴的です。
このギャップが、多くの「アードベギャン」の心を掴んで離さないのでしょう。
「ウイスキーバイブル2008 ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した銘柄です。
「アードベッグ ウィー・ビースティ 5年」
アルコール度数 | 47.4% |
容量 | 700mL |
2020年に新ラインナップとして登場した「アードベッグ・ウィービースティ 5年」。
熟成年数は5年と短めで、バーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成されます。
スモーキーな味わいのウイスキーは、熟成期間が短いほどスモーキーさが際立つといわれています。
熟成年数の若さを武器にして、スモーキーな味わいを最大限にアピールしたのが「アードベッグ ウィー・ビースティ 5年」です。
「ウィー・ビースティ」とは「小さいながらもどう猛なリトルモンスター」という意味で、5年という熟成期間ながらパワフルでインパクトのある味わいは、まさに名前にぴったりといえます。
「アードベッグ ウーガダール」
アルコール度数 | 54.2% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ ウーガダール」は、バーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成した原酒をヴァッティングして造られています。
オロロソシェリー樽由来の甘美な香りと甘さが、「アードベッグ」のスモーキーさと絶妙にマッチしている銘柄です。
スモーキーさは健在ですが、ケーキやチョコといったデザートのような甘さが感じられます。
仕込み水として使用されている、ウーガダール湖が名前の由来です。
「ウイスキーバイブル2009 ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
「アードベッグ コリーヴレッカン」
アルコール度数 | 57.1% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ コリーヴレッカン」は、バーボン樽とフレンチオークの新樽で熟成させた原酒をヴァッティングさせた銘柄で、フレンチオークの新樽由来のスパイシーで、力強い味わいが特徴です。
「アードベッグ」のピーティーでスモーキーな味わいに、スパイシーさが加わりました。
「コリーヴレッカン」とは、アイラ島とジュラ島の間の海域で起こるヨーロッパ最大の渦潮の名称です。
「アードベッグ コリーヴレッカン」は、「ワールド・ウイスキー・アワーズ2010 ベスト・シングルモルト・ウイスキー」を受賞しています。
「アードベッグ アン・オー」
アルコール度数 | 46.6% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ アン・オー」は、バーボン樽とPXシェリー樽、アメリカンオークの新樽で熟成させた原酒をヴァッティングさせた銘柄です。
シェリー樽由来の甘さと、アメリカンオーク樽のスパイシーさが、「アードベッグ」のスモーキーさと融合しています。
スタンダードボトルの「アードベッグ TEN」に比べると甘味がある分、スモーキーさが柔らかくなって飲みやすい印象です。
「アードベッグ アン・オー」は、2022年2月に、残念ながら日本国内販売中止となってしまいました。
ネットショップやオークションサイトではまだ購入可能ですので、気になる方は今のうちに購入しておいたほうがよいでしょう。
「アードベッグ スーパーノヴァ」
アルコール度数 | 53.8%(2019年にリリースされたもの) |
容量 | 700mL |
「アードベッグ スーパーノヴァ」はレギュラーボトルではなく、ランダムでリリースされる限定品です。
フェノール値は100ppmで、「アードベッグ」のラインナップの中でもダントツでピーティーな銘柄です。
「スーパーノヴァ」の意味は、「超新星」。
口に含んだ瞬間の、スモーキーさのインパクトと爆発力に関して、「アードベッグ スーパーノヴァ」に勝るものは、なかなかないでしょう。
「アードベッグ スーパーノヴァ」は「ウイスキーバイブル2010 スコッチ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。
「アードベッグ ドラム」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
アイラ島では毎年5〜6月に「アイラ・ウイスキー・フェスティバル」と呼ばれる、各蒸留所が日替わりで施設を開放してお祝いをするというお祭りがあります。
アードベッグ蒸留所の日は「アードベッグデー」となっており、世界中の「アードベギャン」たちがお祝いをする日でもあります。
「アードベッグデー」に合わせて蒸留所では毎年限定品を販売しますが、2019年の「アードベッグデー」で販売されたのが「アードベッグ ドラム」です。
「アードベッグデー 2019」はカーニバルがコンセプトで、「アードベッグ ドラム」はバーボン樽で熟成後、ラム樽で追熟しています。
スモーキーながらもトロピカルな味わいは、カーニバルというコンセプトにぴったりな銘柄です。
「アードベッグ ブラック」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ ブラック」は「アードベッグデー 2020」で限定販売された銘柄です。
2000年に設立された「アードベッグ コミッティー」の20周年記念を祝して、造られました。
熟成にニュージーランド産ピノノワールの赤ワイン樽を使用しており、スモーキーな味わいの中に、赤ワイン樽由来のベリーの風味と甘味が感じられます。
アイラ島とニュージーランドは、人間の数より羊が多いという共通点からコラボされました。
なお、パッケージに記載されている「BlaaacK」は、羊の鳴き声の「Baaa」とかけたものです。アードベッグ蒸留所の遊び心が感じられますね。
「アードベッグ スコーチ」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ スコーチ」は「アードベッグデー 2021」で限定販売された銘柄です。
樽の内側を徹底的に焦がしたバーボン樽で熟成させており、ピート香と樽香が強烈に香ります。
ドラゴンや英雄の物語が豊富なアイラ島ならではのコンセプトとなっており、アードベッグ蒸留所の3番倉庫に住み着くドラゴンが、スピリッツへと姿を変えて出来上がったのだとか。
「アードコア」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードコア」は「アードベッグデー 2022」で限定販売された銘柄です。
極限までローストしたブラックモルトを使用して造られており、今までに無いほどスモーキーでとんがった味わいです。
強烈な炭と煙の香り、味わいはダークチョコレートのようなビターさが特徴。
「アードベッグデー 2022」のコンセプトは「PUNK」ということで、ハードコアなアードべギャンのためのウイスキーに仕上がっています。
「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ ヘビー・ヴェーパー」は「アードベッグデー 2023」で限定販売された銘柄で、2023年5月24日(水)に発売予定です。
蒸留器とコンデンサーの間のラインアームに取り付けられるピュリファイアー(精留器)を使用せず製造された限定品で、「ピュリファイアーがなかったらアードベッグはどうなるのか?」という探求心から製造されました。
スパイシーな口当たりや力強い余韻がいつまでも続く、無敵のアードベッグです。
「アードベッグ トリーバン 19年」
アルコール度数 | 46.2% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ トリーバン 19年」は、バーボン樽とオロロソシェリー樽で19年熟成させた銘柄です。
2019年より、毎年スモールバッチ(少量生産)でリリースされています。
ラベルにはボトリングした日にちや、その時の天候も書かれており、特別感があります。
「アードベッグ」のスモーキーさはそのままに、長期熟成による芳醇な樽香や、柑橘系の爽やかな香りを感じられます。
「アードベッグ 25年」
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700mL |
「アードベッグ 25年」は2021年に発売されました。
25年熟成ということは、熟成開始が1996年以前となる計算です。
そのため、グレンモーレンジィ社がオーナーになる前のアードベッグ蒸留所の原酒がボトリングされている、ということになります。
不遇の時代を乗り越えた「アードベッグ 25年」は、まさに不死鳥と呼ばれるにふさわしい銘柄ではないでしょうか。
「アードベッグ」の飲み方
「アードベッグ」は、どのような飲み方があうのでしょうか。
強烈な個性を放つ「アードベッグ」のおすすめの飲み方をご紹介します。
おすすめはストレート
「アードベッグ」のピーティーかつスモーキーな味わいと、フルーティーな香りを感じるにはストレートがおすすめです。
口に含んだ瞬間に感じる強烈なピート香とスモーキーさ、その後の柑橘のような爽やかな香りは、他の飲み方だと薄れてしまうため、ストレートでじっくりと味わってみてください。
ハイボールもおすすめ
「アードベッグ TEN」と「アードベッグ ウィービースティ 5年」に関しては、ハイボールもおすすめです。
スモーキーな味わいのハイボールは肉料理などにぴったり。
ストレートに抵抗がある方や、料理と一緒に楽しみたい方は、ハイボールを試してみてはいかがでしょうか。
「アードベッグ TEN」を飲んでみた感想
筆者は今回、スタンダードボトルの「アードベッグ TEN」を実際に飲んでみました。
あくまでも個人的な感想ですが、「アードベッグ」が気になる方の参考になれば嬉しいです。
ストレート
口に含むと、ピーティーでスモーキーな香りが爆発するイメージです。
確かに、知らずに飲むとインパクトと驚きが大きいかもしれません。
しかし、すぐに柑橘系の爽やかな香りが追いかけてくるため、尾を引くインパクトではなく、むしろフルーティーで繊細な味わいのほうが、後々印象深くなってきます。
余韻はスモーキーな香りが鼻に抜けていく感じがし、後味もすっきり、という印象です。
ロック
ストレートと同様に、口に運んだ時のインパクトは大きいですが、少し和らいだ印象でした。
柑橘系の爽やかな香りは、ストレートよりもわかりにくくなりました。
しかし、余韻はスモーキーな香りが心地よく鼻を抜けていきます。
ロックだと氷が溶け出すと非常に飲みやすくなり、最初のインパクトも心地よい程度になって優しい味わいで、味の変化を楽しめる飲み方です。
ハイボール
ハイボールにしても、ピーティーでスモーキーな口当たりは健在です。
その後、バニラのような甘い香りが漂います。
ストレートでは柑橘系の爽やかな香りを感じましたが、ハイボールではバニラやスイーツのような優しい甘い香りに。
個人差はありますが、筆者はそう感じました。
「アードベッグ TEN」は、ハイボールにしても非常においしく味わえます。
「アードベッグ」の魅力を知ったら入っておきたい「コミッティー」
「アードベッグ」には、世界中にいる「アードベギャン」のための、「アードベッグコミッティー」という会員制のファンクラブがあります。
「アードベッグコミッティー」は、蒸留所閉鎖の危機を支えた「アードベギャン」たちによる活動で、二度と蒸留所が閉鎖の危機に陥らないよう2000年に結成されました。
「アードベッグコミッティー」は、20歳以上なら誰でも無料で参加することが可能です。
蒸留所からの最新情報や、限定商品の情報も、いち早く入手できます。
「アードベッグ」が好きな方や、興味のある方、応援したい方は、ぜひ会員になってみましょう。
参考:アードベッグコミッティー | 世界が熱望するアイラモルト ARDBEG
最後に
「アードベッグ」は、度重なる困難を乗り越えて、アイラモルトを代表する銘柄となりました。
他のウイスキーでは味わえないスモーキーさは、一度気に入ってしまうと抜け出せない中毒性があります。
世界中に「アードベギャン」という熱烈なファンがいるのも、納得できます。
「アードベッグ」は、気に入ると他の人にすごくすすめたくなるようで、筆者のバーでも「アードベッグ」を飲んでいる方が、隣の方に勧めている場面を何度か目にしました。
個性的で魅力あふれる「アードベッグ」を飲んで、あなたも「アードベギャン」の仲間入りをしてみてはいかがでしょうか。