アメリカン ウィスキーの種類

「メーカーズマーク」とは?甘く優しい味わいの秘訣や赤い封ろうに込められた思いに迫る

皆さんは、バーボンウイスキーに対してどんなイメージをお持ちでしょうか。
もしかしたら「力強くて辛口のイメージが強い」と考えている方もいるかもしれません。

「メーカーズマーク」は、バーボンウイスキーのイメージを覆す、優しくて甘い味わいが特徴です。

また、おしゃれな赤い封ろうにも関係者の思いが込められています。

そこで今回は「メーカーズマーク」について、味の秘訣や封ろうに込められた思いなどをご紹介します。

この記事の監修者

浅野まむ

浅野まむ

お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、大勢で飲むのも、2人で飲むのも、なんでも好きです。

「メーカーズマーク」とは?

出典:CM YouTube:https://youtu.be/4P2oBMTSrIc

「メーカーズマーク」は、小栗旬さんのCMでお馴染みのバーボンウイスキーです。

・蒸留所:メーカーズマーク蒸留所
・地域:アメリカ ケンタッキー州 ロレット
・熟成樽:ホワイトオーク樽(ファーストフィル)
・アルコール度数:45〜55%

できる限り手作業での製造にこだわったクラフトウイスキーのパイオニア的存在の銘柄で、CMのように、とっておきの時間にピッタリのバーボンウイスキーです。

「メーカーズマーク」シリーズおすすめの飲み方

ストレートやロックなど、銘柄によっておすすめの飲み方は変わりますが、「メーカーズマーク」はハイボールが一番飲みやすいかもしれません。

本記事の後半では、銘柄ごとの特徴を活かした飲み方もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「メーカーズマーク」の歴史

「メーカーズマーク」の始まりは、1780年までさかのぼります。
ペンシルベニア州からケンタッキー州に移住したロバート・サミュエルズは、農業をしながら近所の住民のためにウイスキーの製造を始めました。
バーボンの場合、ウイスキーの英語表記は「Whiskey」ですが、「メーカーズマーク」の表記は「e」がない「Whisky」となっています。
これは、ロバート・サミュエルズがスコットランド系移民であったことに由来するそうです。

1840年に3代目テーラー・ウィリアム・サミュエルズが蒸留所を設立し、本格的なバーボンウイスキーの製造に取り掛かりました。

しかし、1920年にアメリカで禁酒法が発令され、一度蒸留所は稼働停止してしまいます。

その後1951年に、6代目ビル・サミュエルズ・シニアがバーボン製造の方針を大転換させました。
世界基準で評価されるような最高品質のプレミアムバーボンの製造を目指すようになったのです。
ケンタッキー州でも特に自然に恵まれた町、ロレットの農園を買い取り、蒸留所の大改修に取り組みます。

1954年に、新たな蒸留所としてのウイスキー製造をスタート。
「機械まかせにせず、できる限り人の手でつくる」という信念のもと、「メーカーズマーク」の完成を目指します。

そして1959年、遂に「メーカーズマーク」の誕生に至りました。

ちなみに、「メーカーズマーク」という名称は、ビルの妻マージー・サミュエルズが考案したもので、「製造者の印」という意味。
ボトルキャップの代わりに赤い封ろうをするアイデアや、ラベルデザインもマージーによるものです。

2022年現在は、8代目ロブ・サミュエルズが責任者として「メーカーズマーク」の伝統を継承しています。

「メーカーズマーク」の販売会社

「メーカーズマーク」は「ジムビーム」と共にビーム社(アメリカ)によって生産、販売されていました。
しかし、2014年にサントリー社(日本)がビーム社を買収したため、現在はビームサントリーという社名になっています。

上質な味を生み出す「メーカーズマーク」の素材と製法とは?

「たとえ、もっと早くつくれたとしても、私たちはそうしない」
メーカーズマーク蒸留所に古くから伝わるのが、この言葉です。
効率の良さよりも、ウイスキーの上質さを重視するという意思が読み取れます。

そんな「メーカーズマーク」では、長くから採用されている冬小麦と独自の製法が上質な味を生み出す秘訣のようです。

「メーカーズマーク」創業者が発見した「冬小麦」

バーボンウイスキーの製造には一般的にライ麦が使われますが、「メーカーズマーク」の製造には「Soft red winter wheat」という品種の冬小麦が用いられています。
この冬小麦は、創業者のビル・サミュエルズ・シニアによって発見されました。

通常はライ麦が使われるバーボンですが、ビルはより口当たりが良く誰にでも飲みやすいバーボンを目指し、原料から探し直すことにしました。
求める味わいを見つけるため、ビルはパンを焼き始めます。
さまざまな穀類の配合を少しずつ変えてパンを焼き、ついに理想の材料である冬小麦を発見したのです。

蒸留所近郊の契約農家から材料を仕入れ、冬小麦16%、コーン70%の理想の割合で配合することにより、高い品質とふくよかな味わいを実現させました。

「メーカーズマーク」特有の風味や口当たりを生み出しているのは、ビル・サミュエルズ・シニアの試行錯誤と、地域の農家との長年のパートナーシップなのです。

「メーカーズマーク」の「サワー・マッシュ製法」

全てのボトルを可能な限り同じ味わいに近づけるために、「サワー・マッシュ製法」が用いられます。

「サワー・マッシュ製法」とは、蒸留で生じた蒸留残液の上澄みを、新しく糖化させようとするコーンなどの仕込み水に加える製造方法です。

仕込み水には、蒸留所の敷地内にあるスプリング・フェド湖の湧き水を使用しています。
石灰岩に磨かれ鉄分が取り除かれているライムストーンウォーターは、カルシウムが豊富な硬水で、サワー・マッシュ製法に最適です。

酵母にもこだわりが

「メーカーズマーク」は、酵母にもこだわっています。
安価な酵母の仕入れは行わず、150年以上にわたって受け継がれてきた酵母を使用することで、品質を安定させているのです。

酵母による発酵は、「メーカーズマーク」が生まれる以前からあったバークス蒸留所から引き継いだ発酵槽(ファーメンター)で行われます。
この発酵槽は木製で、樹齢100年以上のレッドサイプラス(赤イトスギ)でできています。

メーカーズマークの変わらない3つの「こだわり」

前述の通り「メーカーズマーク」には、1959年から続く歴史があります。
近所の住民のためにウイスキーを販売し始めたのは1780年ですから、長い歴史があることがわかるのではないでしょうか。

代々受け継がれた「メーカーズマーク」のこだわりは、主に以下の3つです。

  • 貯蔵位置
  • 手作業(封ろう・ラベル)

「メーカーズマーク」そのものの味だけでなく、原酒を提供するボトルもこだわりを持って作られています。

それぞれについて詳しくご紹介します。

樽へのこだわり

「メーカーズマーク」の樽に使用するアメリカンホワイトオークの木材は、春から秋にかけて約9カ月間屋外で乾燥されます。
苦味のもととなるタンニンがバーボンに移らないようにするための工程です。

加えて、樽を焼く「チャー」という工程では40秒という絶妙な時間の火入れによって、「メーカーズマーク」特有のバニラのような甘みが生まれます。

樽の貯蔵位置へのこだわり

樽の貯蔵位置を定期的に入れ替えることも、「メーカーズマーク」のこだわりです。

原酒を高温状態で熟成させるとタンニンが生まれ苦味が強くなってしまいます。
そこで「メーカーズマーク」では、樽の貯蔵位置を定期的に入れ替えるローテーション作業を行っているようです。
この作業は、現在でも継続して行われています。

525ポンド(約238kg)の樽を動かすためには多くの体力と時間を使いますが、それでも一切手を抜かないその姿勢こそ「メーカーズマーク」が高品質を保っている秘訣かもしれません。

手作業へのこだわり

ローテーション作業だけでなく、「メーカーズマーク」の代名詞とも呼べる赤い封ろうも、全て手作業で作られています。

封ろうとは、瓶の容器を密封するためにあしらわれるものです。

発売当初から現在に至るまで、ずっと変わらず全て手作業のため、全く同じ形の封ろうはありません。

また、「メーカーズマーク」のラベルも手動のラベルカッターで裁断されています。

原酒造りだけでなく全てのボトルに丹精を込める、といった「メーカーズマーク」の手作業へのこだわりが感じられます。

「メーカーズマーク」の味わいと香り

手間を惜しまず、誰が飲んでもおいしいウイスキーを目指して完成した「メーカーズマーク」。

味わいは「優しい」、香りは「香ばしい」と表現されることが多いようです。

クラフトバーボンの先駆け「メーカーズマーク」の味と香りを、さらに詳しく解説していきます。

味わい

バーボンウイスキーは「辛口で玄人向けのイメージがある」という方もいるのではないでしょうか。
同じバーボンでも、「メーカーズマーク」はそのイメージと一線を画しており、柔らかいコクの中に冬小麦由来の甘みが感じられます。
「誰が飲んでも美味しいバーボンを造りたい」という創業者の思いの通り、とても優しい口当たりです。

アルコール特有の癖や辛みが少なく、多くの人が飲みやすい味わいです。

香り

香りは樽を焼いた香ばしさがあり、ほのかにオレンジのような香りも感じられます。

バーボンのウッディな香りが好きな方も楽しめます。

「メーカーズマーク」銘柄ごとの特徴や価格

「メーカーズマーク」の銘柄ごとの特徴をまとめていますので、価格や入手可能か否かも記載しますので参考にしてみてください。

なお、価格は購入方法や店舗によって異なるため、本記事では「市場価格相場」と記載します。

メーカーズマーク

  • 700mL
  • 市場価格相場…2,800円前後
  • アルコール度数…45%

「メーカーズマーク」の代名詞と呼ばれる銘柄。
トレードマークの赤い封ろうから、「メーカーズマーク レッドトップ」ともいわれます。

「メーカーズマーク レッドトップ」には、50mL、200mL、350mL、700mL、1,000mLの5つのボトルがあります。
50mLの小さなボトルでも、封ろうは全て手作りです。

「メーカーズマーク」が気に入ったら、大きなボトルを自宅にストックしても良いですし、小さなボトルをギフトとしてプレゼントするのも良いですね。

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おすすめの飲み方

ソーダ割りでオレンジを搾る飲み方がおすすめです。
甘さと酸味のハーモニーが味わえますよ。

メーカーズマーク46

  • 750mL
  • 市場価格相場…5,800円前後
  • アルコール度数…46%

「メーカーズマーク46」は、熟成したメーカーズマークの原酒の樽の中に「インナーステイブ」という焦がしたフレンチオークの板を10枚沈めて、後熟させることが特徴です。
インナーステイブと原酒が直接触れ合うことで、甘い香りや樽由来の熟成香が調和します。

「メーカーズマーク レッドトップ」よりも深みがあり、リッチな味わいが楽しめるでしょう。

ちなみに46という数字は、インナーステイブの焦がし具合のオーダー番号が由来です。
46年間熟成されている、という意味ではありませんのでご注意ください。

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おすすめの飲み方

ロックがおすすめです。
深い甘みをお楽しみください。

メーカーズマーク プライベートセレクト

  • 750mL
  • 市場価格相場…7,300円前後
  • アルコール度数…55%前後

前述の「メーカーズマーク46」をベースに、ウイスキー販売店がインナーステイブを用いてオリジナルで仕上げる銘柄が「メーカーズマーク プライベートセレクト」です。

インナーステイブは、全部で5種類あります。

・P2(Baked American P2)…アメリカンオーク、クラシックカット、低音オーブン加熱
・Cu(Seared French Cuvee)…フレンチオーク、広く波立たせたカット、遠赤外線加熱
・46(Maker’s 46)…フレンチオーク、クラシックカット、高温オーブン加熱
・Mo(Roasted French Mocha)…フレンチオーク、クラシックカット、高温オーブン加熱
・Sp(Toasted French Spice)…フレンチオーク、クラシックカット、低音オーブン加熱

「メーカーズマーク46」では、46(Maker’s 46)のインナーステイブが用いられています。

販売店がイメージする味に近づくように、オリジナルの「インナーステイブ」の組み合わせを考えるようです。
販売店によって味わいが変わりますので、それぞれ飲み比べてみるのも面白いかもしれませんね。

おすすめの飲み方

販売店によって多少味わいは変わりますが、基本的にはロックがおすすめです。
「メーカーズマーク46」とやや違った甘みや香りをお楽しみください。

メーカーズマーク カスクストレングス

  • 750mL
  • 市場価格相場…6,500円前後
  • アルコール度数…55%前後

樽で熟成された原酒に水を加えずに、そのままのアルコール度数で販売されるのが「メーカーズマーク カスクストレングス」です。

「カスク」はウイスキーを熟成する樽を、「ストレングス」はアルコールの強さを意味します。

アルコール度数を「55%前後」と曖昧に記載しているのには、理由があります。
原酒から度数が調整されずにボトル詰めされるため、同じ「メーカーズマーク カスクストレングス」でも、度数にばらつきが生じるのです。

口に含むと、最初に約55%のアルコール度数の重厚感が広がり、その後バニラのような甘さが顔を出します。
辛さもありますが、甘さとコクの方が強い印象です。

おすすめの飲み方

ストレートがおすすめです。

「メーカーズマーク カスクストレングス」の高いアルコール度数と甘みのある味わいは、スイーツとの相性が抜群!
ぜひデザートと併せて飲んでみてください。

メーカーズマーク ブラックトップ(終売)

  • 750mL
  • 市場価格相場…3万5,000円前後
  • アルコール度数…47.5%

日本限定で発売されたのが、「メーカーズマーク ブラックトップ」です。
封ろうのシックな黒色が魅力的ですね。

味わいは、「メーカーズマーク レッドトップ」のような柔らかい甘みが特徴的。

アルコール度数がやや高めですので、「メーカーズマーク レッドトップ」よりも深い味わいが楽しめます。

残念ながら終売しており、現在は入手困難のプレミア品です。
バーなどで見つけたら、ぜひ飲んでみてください。

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おすすめの飲み方

ストレートかソーダ割りがおすすめです。
奥行きのある味わいをお楽しみください。

メーカーズマーク VIP ゴールドトップ(終売)

  • 750mL
  • 市場価格相場…2万5,000円前後
  • アルコール度数…45%

ツヤのあるゴールドの封ろうが美しい「メーカーズマーク VIP ゴールドトップ」。
よりコクの深い味わいが楽しめます。

こちらも終売しているため、インターネット通販でもなかなか手に入らないレアな商品です。

おすすめの飲み方

深みのある味わいが一番堪能できる飲み方はストレート。
コクがあり加水しても味がぶれないので、ロックスタイルでじっくり味わうのもおすすめです。

メーカーズマーク VIP レッドトップ

  • 750mL
  • 市場価格相場…3万円前後
  • アルコール度数…45%

1870年代のボトルを模したギフトボトル。
20本以下の非常に少ないロットで生産されているため、入手が難しくなっています。

おすすめの飲み方

まずはロックやストレートで、その香りを楽しんでみてください。

メーカーズマーク ミントジュレップ(限定品)

  • 1,000mL
  • 市場価格相場…1万円前後
  • アルコール度数…33%

「メーカーズマーク」をベースに造られたミントリキュールが、「メーカーズマークミントジュレップ」です。
アメリカの競馬ケンタッキーダービーの時期に合わせて、毎年5月に限定発売されています。
緑色の封ろうから、「グリーントップ」という愛称もあるようです。

「ミントジュレップ」とは、バーボンをベースにミントを潰したりライムを搾ったりして作る、甘いカクテルのこと。
似たカクテルの「モヒート」では、バーボンの代わりにラム酒が使われます。

「メーカーズマーク ミントジュレップ」の味わいは、強めの甘みが特徴です。
一般的なミントジュレップはガムシロップで甘く仕上げることが多いですが、「メーカーズマーク ミントジュレップ」は元々甘いため、ガムシロップは不要かもしれません。

おすすめの飲み方

ソーダ割りがおすすめです。

甘い味がお好きな方は、ロックで飲んでも楽しめます。

アイスクリームをのせて、デザート風に仕上げても美味しいですよ。

まとめ

「メーカーズマーク」について、歴史からひも解いた製法へのこだわりや銘柄ごとの特徴を紹介しました。

手作業へのこだわりや、冬小麦の使用、サワー・マッシュ製法などが、「メーカーズマーク」のおいしさの秘訣です。

バーボンの辛口のイメージが覆る、甘くて優しい味わいの「メーカーズマーク」。
見つけた方はぜひ一度飲んでみてください。

  • この記事を書いた人

あさひなペコ

Webライター/編集。梅酒と偽られてウイスキーを飲んだという思い出がある、お酒好き。 ウイスキーはJack Daniel's派だが、最近はキルベガン、ジョニ赤にもハマる。ビールや日本酒・ワインも好きです。 4年に渡る知見をもとにしたライティングウェビナーを開催するドイツ在住デジタルノマドという一面もあり。

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