「バッファロートレース」というバーボンをご存じでしょうか?
ラベルに描かれたバッファローが目を引く銘柄なので、酒屋さんやバーなどで見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。
「バッファロートレース」は現存するアメリカ最古の蒸留所といわれているバッファロートレース蒸留所で造られています。
そんな歴史ある蒸留所の名前が付けられた「バッファロートレース」はどのようなウイスキーなのでしょうか。
今回は「バッファロートレース」の味わいや製法、飲み方、バッファロートレース蒸留所の歴史について解説していきます。
「バッファロートレース」とは

「バッファロートレース」は、ケンタッキー州フランクフォートにあるバッファロートレース蒸留所で造られているバーボンです。
蒸留所を所有するのは1850年創業の老舗酒造メーカーであるサゼラック社。
現在の日本の販売元は明治屋です。
「バッファロートレース」のラベルにはバッファローが大きく描かれているので荒々しく力強い味わいを想像しますが、初心者におすすめできるほど飲みやすくクセのないことが特徴です。
「バッファロートレース」の特筆すべき4つの特徴をご紹介しましょう。
名前の意味は「バッファローの通り道」
蒸留所の名前にもなっている「バッファロートレース」ですが、「バッファローの通り道」という意味があります。
蒸留所付近がかつて野生のバッファローの通り道だったことが名前の由来です。
ケンタッキー州の雄大な自然が想像できますね。
なお、トレースとは足跡や道という意味があります。
7年以上の長期熟成バーボン
通常のバーボンは4年〜6年の熟成期間が一般的ですが「バッファロートレース」は7年以上熟成させた原酒を使用しています。
バーボン造りにおいて、寒暖差が激しいケンタッキー州では、樽の内側を焦がした小さな樽を使用して熟成のピークを早めるのが一般的。
しかし「バッファロートレース」は蒸留所の徹底した品質管理で長期熟成を可能にしています。
長期熟成によって角が取れたまろやかな味わいや、樽由来の風味をしっかりと味わえるバーボンが生まれます。
全米最古の蒸留所で製造
バッファロートレース蒸留所は全米最古の蒸留所です。
酒づくりが開始されたのは1775年で、250年近くも前から事業を行っていることになります。
長い蒸留所の歴史で得たノウハウが「バッファロートレース」には詰め込まれているんですね。
バッファロートレース蒸留所は非常に大きな蒸留所で「バッファロートレース」以外にもたくさんの優れたウイスキーを世に送り出しています。
最多受賞数を誇るバーボン
「バッファロートレース」は数々の品評会で賞賛されてきました。
バーボンとしては最多受賞数を誇っています。
「バッファロートレース」の受賞歴を一部ご紹介しましょう。
非常に多くの賞を獲得していて全部はご紹介しきれないので、2019年以降の世界的なコンペティションでの受賞歴をピックアップします。
- IWSC(インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション)2019 ゴールド受賞
- SWSC(サンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション)2019 シルバー受賞
- ISC(インターナショナル スピリッツ チャレンジ)2019 ゴールド受賞
- SWSC 2020 シルバー受賞
- ISC 2020 ゴールド受賞
- WWA(ワールド ウイスキー アワード)2020 ゴールド受賞
- IWSC 2021 ブロンズ受賞
- ISC 2021 シルバー受賞
- ISC 2022 ゴールド受賞
多くの受賞歴から、「バッファロートレース」が非常に優れたバーボンだと分かります。
バッファロートレース蒸留所とは
先述のとおり、バッファロートレース蒸留所は長い歴史を持つ老舗の蒸留所で、数々の素晴らしいウイスキーを造ってきました。
バッファロートレース蒸留所の歴史や「バッファロートレース」以外に造られているウイスキーをご紹介しましょう。
変遷と歴史
バッファロートレース蒸留所の歴史は、1773年にマカフィー兄弟とハンコック・テイラーがフランクフォート地域を調査したことから始まりました。
1775年、二人はその地で酒造りを開始し、1792年にはリチャード・テイラーが「オールド・テイラー・ハウス」を建設。
この頃はまだ石造りで平屋という簡素な蒸留所にすぎず、この「オールド・テイラー・ハウス」は現在もバッファロートレース蒸留所の敷地内に現存しています。
1858年、ダニエル・スウィガートによって小規模ながら当時では最新の蒸留所が開発され、その後は時代とともにオールド・ファイヤー・カッパー(OFC)、ジョージ・T・スタッグ、シェンレー、ブラントン、エンシェントエイジと蒸留所の名前は変わっていきます。
ジョージ・T・スタッグ蒸留所と呼ばれていた1919年、アメリカで禁酒法が制定されてからも、薬用としてウイスキー造りの許可を取得します。
そして1999年、現在の名前であるバッファロートレース蒸留所となりました。
製造しているウイスキー
バッファロートレース蒸留所が製造している「バッファロートレース」以外のウイスキーを、日本で手に入りやすい銘柄に絞ってご紹介しましょう。
「バッファロートレース」以外にも多くの有名な銘柄を製造しています。
「バッファロートレース」の製法

「バッファロートレース」はバッファロートレース蒸留所の独自の原料レシピ(マッシュビル)で造られています。
「バッファロートレース」のマッシュビルは「ジョージ・T・スタッグ」や「イーグルレア」などのプレミアムバーボンと同じ「ライ・マッシュ♯1」を採用。
原材料の51%以上トウモロコシを使用するのがバーボンの定義となりますが、「バッファロートレース」に使用されている「ライ・マッシュ♯1」は、一般的なバーボンに比べてコーン比率が非常に高いことが特徴です。
コーン比率を高くすることで、甘くて優しい口当たりのバーボンを造れます。
「バッファロートレース」のラインナップ
バッファロートレース蒸留所のフラッグシップボトルである「バッファロートレース」は1種類しか販売されていません。
現在ある「バッファロートレース」には正規品と並行輸入品、それに容量違いのボトルがあります。
「バッファロートレース」正規品
アルコール度数 | 45% |
容量 | 750mL |
バッファロートレース蒸留所のフラッグシップボトル「バッファロートレース」。
高品質の原料を使用して造られるプレミアム・クラフト・バーボンです。
コーン比率が非常に高くライ麦の比率が低いので、甘くてスムースな味わいが特徴です。
バニラや糖蜜のような甘い香り、ミントのような爽やかな香りを感じます。
味わいもまったりとした甘さがあり、甘めのバーボンが好きな方におすすめの銘柄。

「バッファロートレース」並行輸入品
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「バッファロートレース」の並行輸入品で、正規品とアルコール度数、容量が違います。
正規品よりもアルコール度数が5%低く、よりスムースで飲みやすいことが特徴です。
バーボン好きの方は少し物足りなさを感じるかもしれませんが、バーボン初心者の方は並行輸入品の「バッファロートレース」のほうがスムースで飲みやすく感じるのではないでしょうか。
「バッファロートレース」375mL(セブン&アイ限定)
アルコール度数 | 45% |
容量 | 375mL |
セブン&アイ限定の「バッファロートレース」のハーフボトル。
コンビニ(セブンイレブン)でプレミアム・クラフト・バーボンが気軽に購入できます。
ハーフボトルなので「バッファロートレース」が気になる方はまずこちらを試してみるといいかもしれません。
バッファロートレースの飲み方

「バッファロートレース」はスムースな味わいが特徴なので、ストレート、ロック、水割り、ハイボールどの飲み方にもマッチする万能なバーボンです。
個人的にはハイボールがおすすめで、クセが少なく飲みやすいので食事と合わせても邪魔になりません。
晩酌にぴったりのバーボンといえます。
バーボンにこれから挑戦したいとお考えの方は一度「バッファロートレース」のハイボールを飲んでみてはいかがでしょうか。
バッファロートレースは、まずい?うまい?口コミを紹介

「バッファロートレース」の評価についてTwitterでの口コミをご紹介しましょう。
「バッファロートレース」を飲んだ皆さんはどのような印象を持っているのでしょうか。
ネガティブな意見と「おいしい」という意見両方の口コミを見てみましょう。
ネガティブな意見
口コミを調査するとネガティブな意見は少なかったのですが、人によっては甘すぎると感じることもあるようですね。
また、バーボン通の人でクセが強いものが好みだと、物足りないと感じるのかもしれません。
ポジティブな意見
「バッファロートレース」を評価している方の口コミを見ると、多くの人が飲みやすくておいしいと書いていました。
また、甘くて飲みやすいという意見も多く見られました。
セブンイレブンに売っているものも評価されているようですね。
バーボン初心者からバーボン通までおいしく飲める銘柄ということが分かります。
まとめ
アメリカ最古の蒸留所のフラッグシップボトルである「バッファロートレース」。
世界的な品評会でもたくさんの評価を獲得しているので間違いない味だということが分かりますね。
力強く描かれたバッファローのラベルが目印の銘柄「バッファロートレース」は、甘くてクセが少なく、スムースな味わいはバーボン初心者にもおすすめできます。
飲み方も選ばない万能型のバーボンなので、気分によって飲み方を変えられるのもありがたいところ。
飲みやすいバーボンとして非常におすすめの銘柄なので、皆さんもぜひ飲んでみてくださいね。