この記事の監修者
大中 ヨシ
「都内勤務のバーテンダー兼ウイスキー専門のwebライター。ウイスキープロフェッショナル資格所有。休日には蒸留所や温泉を巡っています。普段はジャパニーズやスコッチを愛飲。推し蒸留所はキルホーマンです。」
ブラックニッカとは
ウイスキー「ブラックニッカ」は、ニッカウヰスキー社が1956年(昭和31)年に生み出した、ブレンデッドウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーとは、製法の異なるモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーのこと。
瓶のラベルには、ヒゲをたくわえたおじさんが描かれています。これは「キング・オブ・ブレンダー」と呼ばれたブレンドの名人W・P・ローリーがモデルといわれています。
ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝もヒゲを生やしており、「これはあなたがモデルですか?」と聞かれたところ、
「自分の顔をラベルに使うほど厚かましくないぞ。それにこのヒゲの男の目は青いじゃないか。わしの目のどこが青いんじゃ?」
と笑いながら答えたというエピソードも残っています。
「ニッカウヰスキー」については、下記記事で詳しく紹介しています。
「ブラックニッカ」のラインアップとうまい飲み方
「ブラックニッカ」の特徴はピート香をあえて付けず、飲みやすくクセのない味わいが楽しめるという点です。
また、「ブラックニッカ」のラインアップは流通量の多さからコンビニやスーパーでよく見かけるだけでなく、手の届きやすい値段になっています。
それぞれうまい飲み方を紹介しますので、見かけたらぜひ味わってみてください。
「ブラックニッカ クリア」
アルコール度数:37%
ノンピートモルトを使用する事で、やわらかな香りとまろやかな味わいを実現したクセのないウイスキーです。
ウイスキーを飲んだことがない人やウイスキーが苦手な人でも楽しめる「飲みやすい味わい」のウイスキーとして1997年に発売されました。
クリアな飲み心地に仕上がっています。
ノンピートモルトとは、ピートを使用せず乾燥させた、ピート由来のスモーキーフレーバーの無い大麦麦芽のこと。
値段設定は下記の通りです。
・300mL 参考小売価格:470円(消費税別)
・700mL 参考小売価格:900円(消費税別)
おすすめの飲み方
「ブラックニッカ クリア」おすすめのうまい飲み方は、「ハイボール」です。
作り方
1.氷をグラスにぎっしり入れます。
2.ウイスキーを注ぎます。ウイスキーと炭酸は1:3がおすすめです。
3.冷えた炭酸をゆっくり注ぎます。この時炭酸を氷に当てないことがポイントです。
4.マドラーで軽く1回かき混ぜたら完成です。
「ブラックニッカ リッチブレンド」
アルコール度数:40%
シェリー樽で熟成を重ねたモルトウイスキーと、カフェスチルで蒸留したグレーンウイスキーを使用したブレンデッドウイスキーです。
「ブラックニッカ クリア」とは全く異なるウイスキーの美味しさを多くの人たちに提供したいという想いから、2013年に発売開始されました。
甘くやわらかい樽の香りと、フルーティーで華やかな香りが広がります。
シェリー樽原酒をキーモルトとして、カフェグレーンを調和させた、スムースな口当たりと、飲みやすさの中にもコクがしっかりと感じられる味わいが特徴です。
値段設定は下記の通りです。
・180mL 参考小売価格:420円(消費税別)
・700mL 参考小売価格:1,330円(消費税別)
おすすめの飲み方
「ブラックニッカ リッチブレンド」おすすめのうまい飲み方は、ふわっと3回甘く香るといわれている「ロック」です。
冷やされることで、グラスに鼻を近づけたときに香るフルーティーな宮城峡モルト、口に含んでのどを通るときに香る穀物のようなカフェグレーン、そして、飲みこんだ後に鼻に帰ってくるレーズンのようなシェリー樽モルトがより香り立つためです。
「ブラックニッカ ディープブレンド」
アルコール度数:45%
「ブラックニッカ ディープブレンド」はふくらみのある豊かなコクと甘さ、心地良い樽の余韻が楽しめるウイスキーです。
飲みやすさを保ちながら深みを感じさせるブレンドを追い求めて試行錯誤を重ね、2015年に発売されました。
新樽で熟成した原酒ならではのウッディな香りとバニラを思わせる甘い香り。
そして、樽のコク深さと濃密なモルトの甘さが深く溶けあい、豊かで伸びのある味わいを実現しました。
ふくよかな味わいが感じられた後、心地良いピート香と樽のほろ苦くまろやかな余韻が口の中にゆっくりと広がります。
値段設定は下記の通りです。
・180mL 参考小売価格:480円(消費税別)
・700mL 参考小売価格:1,500円(消費税別)
おすすめの飲み方
「ブラックニッカ ディープブレンド」おすすめのうまい飲み方は、「ロック」ですが、じつは、スイーツとの相性も良く、ニッカウヰスキー社の公式Twitterでもおすすめされています。
甘いものが好きなウイスキー好きの方はぜひ試してみてください。
ブラックニッカは美味しくないのか?
それぞれのブラックニッカでうまい飲み方を紹介してきましたが、人によってはブラックニッカが、やばい?まずい?という声もあるようです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
「ブラックニッカ」の意外な楽しみ方
「ブラックニッカ」とチョコレート
ウイスキーにチョコレートはよく合う楽しみ方として紹介されることがあります。
例えば、「ブラックニッカ クリア」のハイボールにはサクサクした食感のチョコ、「ブラックニッカ リッチブレンド」のロックにはビターチョコ、「ブラックニッカ ディープブレンド」のロックにはミルクチョコです。
これはこのままチョコを食べながら飲むスタイルですが、ここではさらに工夫した楽しみ方を紹介します。
カクテル、「ソルティ・ドッグ」のように塩ではなく、「グラスの縁にチョコレートパウダーを付ける」というものです。
オレンジでグラスの縁を湿らせ、グラスを逆さにしてすりおろしたチョコを縁に付着させます。
グラスに注いだウイスキーを飲むとき、ほのかにチョコの香りと甘みを感じる、という仕掛けです。
そして、もうひとつが「溶かした温かいチョコレート」です。
板チョコを細かく刻んで、大さじすりきり3杯と牛乳15~20mL程度を耐熱カップに入れます。電子レンジで加熱してフツフツとなったらすぐに取り出します。
スプーンで練り混ぜて出来上がりです。
加熱し過ぎるとチョコが焦げるのでご注意ください。とろりと温かなチョコレートは、ストレートやロックとよく合います。
その他にも、チョコレートフレーバーのアイスクリームとの相性も抜群です。暑くなる季節にはピッタリの楽しみ方ですね。
「ブラックニッカ」とエナジードリンク
エナジードリンクカクテルは、2000年代前半にはすでにアメリカで流行しており、ヨーロッパではレッドブルとお酒を割るのが若者の定番にもなっていました。
「ブラックニッカ」をモンスターエナジーというエナジードリンクで割って楽しむという方もいらっしゃいました。
しかし、ガブガブ飲めてしまうだけに飲み過ぎによる急性アルコール中毒・カフェイン中毒のどちらも気をつけてくださいね。
「ブラックニッカ 氷点下フリージングハイボール」
ニッカウヰスキー社が独自に開発した、氷点下(-2℃~0℃)抽出技術が生み出す、お店でしか味わえない氷点下のハイボールです。
「ブラックニッカ樽詰めハイボール」を使い、クセのないクリアな味わいはそのままに、甘く華やかな香りとなめらかな口当たり、爽快感あふれるスーッと冷たいのどごしが特徴です。
「氷点下 フリージングハイボール」を飲めるお店は、食べログサイトより確認できます。
「ブラックニッカ」といちごの「あまおう」
Whiskeen編集部でも以前、「ブラックニッカ」を使った新しい試みができないかと考えたところ、「ブラックニッカ」といちごの「あまおう」を組み合わせた「いちごウイスキー」にたどり着き、実際に作ってみたものをご紹介しています。
最後に
ウイスキー「ブラックニッカ」いかがでしたか?
うまい飲み方はロックやハイボール、いろいろなものとの相性が良いウイスキーなので、何かと一緒に飲むのもおすすめです。
フルーツやハーブ、スパイスなどをウイスキーに漬け込み、自分だけのオリジナルブラックニッカでハイボールも楽しいですね。
流通量も多く値段もお手頃なので、どこかで目にしたらぜひ飲んでみてくださいね。
さあ、あなたの人生に楽しいウイスキーライフを!