「デュワーズ」は、スコットランド生まれの有名なブレンデッドウイスキーです。
そんな「デュワーズ」ですが、アメリカでシェアNo.1なのをご存じでしょうか。
また、諸説ありますが、ハイボール誕生のきっかけになったといわれる銘柄でもあります。
今回はそんな「デュワーズ」の歴史やラインナップをご紹介しますので、この記事を通してぜひ世界観を感じてみてください。
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スコッチウイスキー「デュワーズ」とは

「デュワーズ」は、アメリカにおいて国内シェアNo.1のスコッチウイスキーです。
スコッチといえば「デュワーズ」といわれるほど、アメリカで大人気の銘柄で、もちろんアメリカだけでなく、日本を含む全世界に認められるポピュラーなスコッチウイスキーです。
そんな「デュワーズ」のキャッチフレーズは、“いつも胸に、好奇心を。”。
「デュワーズ」の”好奇心”にスポットを当てた、以下の動画もぜひご覧ください。
「デュワーズ」の特徴
まず「デュワーズ」の基本情報をまとめます。
種類 | スコッチ/ブレンデッドウイスキー |
キーモルトを造る蒸留所 | ・アバフェルディ ・グレイゲラキ ・オルトモア ・ロイヤル・ブラックラ ・マクダフ |
原産国 | イギリス・スコットランド |
平均アルコール度数 | 40% |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
「デュワーズ」はスコットランドのブレンデッドウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーとは、数種類のモルトウイスキーやグレーンウイスキーを掛け合わせ、バランスのよい味わいに仕上げたウイスキーのこと。
複数の蒸留所の異なるウイスキーのテイストや香りが混じり合い、深みのある独特の味わいを楽しめます。
厳選されたウイスキーをブレンドした「デュワーズ」は、“ダブルエイジ製法”による、まろやかな味わいが特徴です。
後ほどダブルエイジ製法やキーモルトについて詳しくご紹介します。
栄光の歴史
「デュワーズ」は“世界で最も多くの賞を受賞したブレンデッドスコッチウイスキー”であり、その数は1,000以上にのぼります。
「デュワーズ」の歴史を年表にまとめました。
- 1846年 創業者ジョン・デュワーによりジョン・デュワー&サンズ社が設立
- 1886年 エジンバラ国際博覧会でメダルを獲得
- 1891年 “ハイボール”の誕生
- 1893年 ヴィクトリア女王より英国王室御用達の称号を獲得
- 1898年 アバフェルディ蒸留所が設立
- 1902年 イギリスでハイボール(HIGH BALL)の商標を取得
- 1905年 ニューヨークの新聞で“ハイボールの起源”と紹介
創業者と2人の息子
「デュワーズ」を生んだ”ジョン・デュワー&サンズ社”の創業は1846年。
創業者のジョン・デュワーは、当初ワインやスピリッツ類を扱っていました。
その後、”ジョン・デュワー&サンズ社”はウイスキーを初めてボトル詰めにして売ったことで業績がアップ。
これまで量り売りが基本だったウイスキー業界において、ボトル詰めは革新的な販売方法でした。
ジョン・デュワーの死後、同社は2人の息子に引き継がれます。
- ジョン・アレクサンダー・デュワー
- トミー・デュワー
息子たちは引き継いだ同社を、世界的に有名なブランドに育て上げていくのです。
アメリカで大人気となった理由
やがて「デュワーズ」は、スコッチ最大の消費国アメリカにおいてシェアNo.1を獲得するほど爆発的な人気を得ます。
人気に火が付いたきっかけは、鋼鉄王アンドリュー・カーネギーが、当時のアメリカ大統領に「デュワーズ」を樽ごと贈ったこと。
これは、トミー・デュワーが親交の深かったカーネギーに、ジョン・デュワー&サンズ社宛ての手紙を書かせたことで実現しました。
手紙には、「私の友人であるベンジャミン・ハリソン米国大統領に最良のスコッチウイスキーを送るように」と書かれていました。

画像出典:デュワーズ|バカルディ ジャパン株式会社【BACARDI JAPAN】 (dewars-jp.com)
上記の手紙をきっかけに、「デュワーズ」の名が全米で広く知られるようになったのです。
ハイボール起源説

画像出典:https://www.dewars.com/whisky-drinks/
「デュワーズ」はハイボールの起源といわれています。
諸説ありますが、「デュワーズ」が起源といわれる面白い逸話をご紹介します。
1891年のニューヨーク。
トミー・デュワーは友人とウイスキーを楽しむためにサロンへ行き、ウエイターから出されたグラスが小さかったため、こう言いました。
「もっと背の高い(high)グラスでくれないか。そうすればもっと楽しめる(have a ball)」
その瞬間、highとhave a ballを掛け合わせて「ハイボール」が誕生したといわれています。
「デュワーズ」のこだわりの製法と蒸留所
「デュワーズ」は独自の”ダブルエイジ製法”により、ウイスキー初心者にも親しみやすい、なめらかな味わいに仕上がっているのが特徴的です。
ブレンデッドウイスキー「デュワーズ」ならではの熟成に力を入れた製法の秘密や”ダブルエイジ製法”を実現する樽、味の要となるモルトを製造する5つの蒸留所について解説します。
独自のダブルエイジ製法
前述の通り、「デュワーズ」は時間と手間をかけた”ダブルエイジ製法”で造られたウイスキーです。
”ダブルエイジ製法”は、樽熟成させたモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした後、そのブレンデッドウイスキーを再び樽の中で熟成させます。
これが、なめらかでバランスのとれた味わいのウイスキーができる秘訣です。
”ダブルエイジ製法”を発展させた樽シリーズ
「デュワーズ」はスコッチウイスキーと世界の樽を掛け合わせた、“樽シリーズ”というラインナップを発売しています。
ダブルエイジ製法でできた原酒をさらに世界のユニークな樽でフィニッシュさせることで、新しいフレーバーのウイスキーを生み出しました。
主な樽の種類
・ラム樽
・メスカル樽
・ミズナラ樽
樽シリーズが生まれたきっかけ
1892年、「デュワーズ」創業家の一人であるトミー・デュワーは、販路を広げるため世界各地へと旅に出ました。
訪問したのは26か国にもおよび、旅先で出会ったさまざまな文化をウイスキー造りのヒントに。
“異なる2つのものが掛け合わさると新しい発見や創造につながる”
この気づきが「デュワーズ」の樽シリーズ、別名”ユニークカスクシリーズ”が生まれるきっかけです。
キーモルトを造る5つの蒸留所
「デュワーズ」は、5種類のキーモルトによって味や風味が決定づけられています。
- アバフェルディ蒸留所
- クライゲラキ蒸留所
- オルトモア蒸留所
- ロイヤル・ブラックラ蒸留所
- マクダフ蒸留所
キーモルトを製造する、上記5つの蒸留所について簡単にご紹介します。
中核を担うアバフェルディ蒸留所
メインのキーモルトを製造しているのは、ハイランド地方のアバフェルディ蒸留所。
1898年、ジョン・アレクサンダー・デュワーによって「デュワーズ」のために設立されました。
アバフェルディ蒸留所はビクトリア朝様式の見事な建物で、観光ツアーも開催されています。
中にはウイスキーラウンジやカフェも併設されているようです。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
その他4つの蒸留所
「デュワーズ」のキーモルトには、アバフェルディ蒸留所のほか、以下の蒸留所のモルトも使用されています。
スペイサイド地方
- クライゲラキ蒸留所
- オルトモア蒸留所
ハイランド地方
- ロイヤル・ブラックラ蒸留所
- マクダフ蒸留所
コスパ最高!デュワーズのラインナップ
「デュワーズ」はメジャーな商品から樽シリーズまで、種類が豊富です。
気軽に試せるスコッチウイスキーなので、ぜひ自分にぴったりの「デュワーズ」を見つけてみましょう。
コスパの良い普段使いの銘柄が知りたい!という方は、以下の記事も併せて参考にしてみてください。
デュワーズ ホワイトラベル
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
1899年に初代マスターブレンダーのA.J.キャメロンが手掛けた、長年愛されるブレンデッドスコッチウイスキー。
日本では、多くのバーテンダーに支持されているウイスキーとして有名です。
手に入りやすい価格で、気軽にハイボールを楽しみたい方におすすめですよ。
じっくり楽しみたい方は、ぜひストレートでどうぞ。

デュワーズ12年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700mL |
「デュワーズ12年」は12年以上熟成されたアバフェルディを中心に、40種類以上の原酒をブレンドしており、なめらかな味わいと芳醇な香りが特徴的。
いつもと少し違うハイボールを飲みたいときに、おすすめします。

デュワーズ15年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
「デュワーズ 15年」は、7代目マスターブレンダーが手掛けた現代的味わいの1本です。
15年以上熟成されたアバフェルディを中心に40種類以上の原酒をブレンドすることで生まれる、甘く華やかな香りが特徴。
ワンランク上のハイボールを楽しみたい方におすすめです。

デュワーズ18年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
「デュワーズ18年」では、18年以上の原酒をブレンド。
ジョン・デュワー&サンズ社が所有する5つの蒸留所で造られたキーモルトの個性がバランスよく調和した味わいが印象的。
ウイスキーにこだわりのある方におすすめです。

デュワーズ25年
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
「デュワーズ25年」も前述の「デュワーズ 15年」と同様、7代目マスターブレンダーが携わって造り上げた至高のウイスキー。
25年以上熟成された希少なモルトを含む40種類以上のウイスキーをブレンドしています。
ブレンドした原酒は、史上初の英国王室御用達を賜った「ロイヤルブラックラ」が熟成されていた樽に入れてフィニッシュ。
贅沢なウイスキーが飲みたいときにおすすめです。

樽シリーズ「デュワーズ カリビアンスムース」
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
トミー・デュワーの世界観を表現する「デュワーズ8年熟成シリーズ」の第1弾商品です。
8年以上熟成させたグレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンド後、再度熟成するダブルエイジ製法を採用し、ラム樽でフィニッシュ。
ブラウンシュガーのような深く甘い香りが特徴です。

樽シリーズ「デュワーズ イリーガルスムース」
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
トミー・デュワーの世界観を表現する「デュワーズ8年熟成シリーズ」の第2弾です。
「イリーガルスムース」は、メスカル樽でフィニッシュさせた特徴的なウイスキー。
なめらかな味わいで、グリーンペッパーのようなスパイシーな香りとほのかに感じるスモーキーな風味が特徴です。
ハイボールはもちろん、ロックやストレートでも楽しめます。
番外編「デュワーズ ジャパニーズスムース」
アルコール度数 | 40% |
容量 | 750mL |
日本とスコットランドの2つの文化を結びつけたウイスキー「デュワーズ ジャパニーズスムース」。
日本のミズナラ樽でフィニッシュをかけた、8年物の「デュワーズ」です。
日本では現在発売されておらず、2022年9月時点では並行輸入品のみ購入可の商品。
調和のとれたブレンドで、シナモンやフローラルの独特な香りが特徴です。

「デュワーズ」おすすめの飲み方【合わせる料理も紹介】
ハイボールがおすすめ
「デュワーズ」は、ハイボールを作るのに最適なウイスキーで、日本において多くのバーテンダーにも支持されています。
実はWhiskeen編集部にも「デュワーズハイボール」のファンがいますよ。
メーカーが提案する「デュワーズハイボール」の作り方もぜひ参考にしてみてください。
あなたも、ウイスキー初心者から上級者まで幅広い層に愛されている「デュワーズハイボール」を自宅でぜひ作ってみましょう。
ペアリングにおすすめの料理
スコッチエッグ風ミートボールのトマト煮込み
スコッチエッグと、スコットランド生まれの「デュワーズ」を合わせるペアリングです。
「デュワーズ」をキレのあるハイボールにすれば、より楽しめそうですね。
詳しいレシピは公式サイトをご参照ください。
まとめ
「デュワーズ」の魅力、歴史、製法をご紹介しました。
「デュワーズ」はハイボールの起源といわれるスコッチウイスキー。
”ダブルエイジ製法”でなめらかな味わいに仕上がっていて、初心者も挑戦しやすいウイスキーです。
コスパも良いため、筆者も早速”樽シリーズ”を注文してみようと思います。
皆さんもぜひ「デュワーズ」をご自宅で楽しんでみてください。