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「テンプルトン ライ」とは?歴史や製法、おすすめの飲み方を解説

「テンプルトン ライ」は、アイオワ州テンプルトンという小さな町で造られているライウイスキー。

1920年代の禁酒法時代に名を馳せたギャング、アル・カポネが愛したウイスキーとして有名です。

原料の95%がライ麦で造られている「テンプルトン ライ」は、芳醇な香りとやわらかな甘味を感じられるので、筆者はライウイスキーが好きな方や興味がある方には、ぜひ試してもらいたい銘柄だと思っています。

そこで今回は「テンプルトン ライ」の歴史や製法、おすすめの飲み方を解説します。

この記事の監修者

浅野まむ

浅野まむ

お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、大勢で飲むのも、2人で飲むのも、なんでも好きです。

ライウイスキー「テンプルトン」とは

「テンプルトン ライ」はもともと禁酒法時代にひそかに造られていた銘柄で、粗悪品が多かった当時、品質の良さから愛飲する人が多かったようです。

禁酒法時代から70年の時を経て、2006年に当時の製法を再現して復活しました。

ライウイスキーは原料の51%以上をライ麦にすることが定められていますが、「テンプルトン ライ」はその割合をはるかに上回る95%ものライ麦を使用して造られています。

独自の製法と禁酒法時代の逸話から、人気のライウイスキーです。

ライウイスキーについて詳しく知りたい方は≪『ライウイスキーの魅力。スパイシーさが味わえるおすすめ銘柄も紹介』という記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

ライウイスキーの有名どころは、他に「サゼラック ライ」「ノブクリーク ライ」「ジムビーム ライ」「ワイルドターキー ライ」などがあります。

「テンプルトン」の蒸留所

2006年から復活した「テンプルトン ライ」はインディアナ州ローレンスバーグにあるMGP社の蒸留所で原酒が造られています。

MGP社とは「Midwest Grain Products」のことで、ウイスキーやその他のスピリッツを造るアメリカ屈指の生産能力を持つ蒸留所。
MGPで造られた原酒をアイオワ州の自社施設に運び、調整後にボトリングして製品化されています。

2018年、アイオワ州テンプルトンに自社テンプルトン蒸留所を造ったので、今後は禁酒法時代と同じ土地で蒸留から製造されることになります。

「テンプルトン」の製法

「テンプルトン ライ」は他のライウイスキーとは違ったこだわりの製法で造られています。

その中でも特筆すべき3つの特徴をご紹介しましょう。

「テンプルトン ライ」3つの特徴

  1. 原料の95%がライ麦
  2. ポットスチルを使用
  3. ヘビーチャーしたホワイトオークの新樽で4〜6年熟成

それぞれ解説します。

1.原料の95%がライ麦

原料のうちライ麦を51%以上使用すればライウイスキーの定義を満たしますが、「テンプルトン ライ」はライ麦を95%も使用しています。

この特徴により、ライ麦特有の香ばしさを存分に味わえます。

2.ポットスチルを使用

ライウイスキーなどのグレーンウイスキーは連続式のコラムスチルを使って蒸留されるのが主流ですが、「テンプルトン ライ」は銅製のポットスチルで蒸留しているといわれています。

ポットスチルは原料の香りが残りやすい蒸留方法。
連続式のコラムスチルは高濃度のアルコール原酒を造りやすい反面、香りが残りにくい蒸留方法です。

3.ヘビーチャーしたホワイトオークの新樽で4〜6年熟成

ヘビーチャーとは熟成樽の内側を黒くなるまで焦がすことです。

焦がした樽で熟成させることで、バニラや蜂蜜を連想させる風味に仕上げられます。

ヘビーチャーしたホワイトオークの新樽で最低4年間熟成させることで、「テンプルトン ライ」は甘味のあるスムースな味わいに仕上がっています。

「テンプルトン」の歴史

「テンプルトン ライ」には、禁酒法時代の歴史と2006年に復活してからの歴史があります。
その2つを紹介しましょう。

禁酒法時代の「テンプルトン ライ」

禁酒法時代だった1920年代に、アイオワ州の人口360人ほどの小さな町テンプルトンでひそかに造られていた「テンプルトン ライ」。

粗悪品が多かった当時、上質なウイスキーだった「テンプルトン ライ」は、その味の良さからギャングのアル・カポネの目に留まり、大都市であるニューヨークやシカゴにまで出回るようになりました。

その後アル・カポネは捕まり、難攻不落といわれるアルカトラズ刑務所に収容されます。
アル・カポネは「テンプルトン ライ」の味が忘れられず、あの手この手を使って刑務所内に「テンプルトン ライ」を持ち込んでいたようです。

実際に、彼が収容されていた独房(AZ-85)では「テンプルトン ライ」の空き瓶が見つかっています。

2006年に復活してからの「テンプルトン ライ」

2006年に復活した「テンプルトン ライ」。
出回る数が非常に少なかったため、アメリカ国内で消費されていたようです。

禁酒法時代の製法に従って、アイオワ州で造られる少量生産のライウイスキーとして売り出されました。
しかし実際の原酒は、インディアナ州にある大手のMGP社の蒸留所が製造。
テンプルトン ライ・スピリッツ社は問題ないと思っていたようですが、「アイオワ州の手造りウイスキー」と思っていた消費者が事実を知り、訴訟問題に発展しました。

その結果、ラベルに「インディアナ州で蒸留」という表記の追記、スモールバッチ表記の削除、また賠償金の支払いなどの対応を求めらるようになったのです。

2018年に禁酒法時代と同じアイオワ州に自社の蒸留所が造られたので、そこから製品がリリースされれば、またラベルの表記も変わってくるでしょう。

「テンプルトン」の種類とおすすめの飲み方

「テンプルトン ライ」の個性豊かなラインナップと、おすすめの飲み方をご紹介します。

「テンプルトン ライ 4年」

アルコール度数40%
容量750mL

「テンプルトン ライ」のスタンダードボトルで、ライ麦の香ばしさとスムースな口当たりが特徴的な「テンプルトン ライ4年」。
ライウイスキーの中でも飲みやすさを感じられる銘柄です。

「テンプルトン ライ 4年」はスムースな飲み口なので、ソーダ割りがおすすめです。
または世界最古のカクテル「サゼラック」にするのもおすすめ。

「サゼラック」はライウイスキーベースのカクテルで、以下の材料で作られています。

  • ライウイスキー
  • アブサン
  • 角砂糖
  • ペイショーズビター
  • レモンピール

BARに行った際に注文してみてはいかがでしょうか。

「テンプルトン ライ 6年」

アルコール度数45.75%
容量750mL

「テンプルトン ライ」を6年熟成させた銘柄で、ライ麦の香ばしさと蜂蜜のようなまったりした甘さを感じられます。

「テンプルトン ライ 4年」よりも深みがあるので、ストレート、ロック、トワイスアップがおすすめです。
抵抗がある方は、ソーダ割りやカクテルにしてもおいしく飲めます。

「テンプルトン ライ 10年リザーブ」

アルコール度数52%
容量750mL

「テンプルトン ライ」を10年熟成させ、選りすぐりの樽原酒をボトリングしたもの。
樽番号が手書きで明記されています。

チョコレートや高級バニラアイスのような濃厚な甘みとライ麦のスパイシーさがうまくマッチしていますよ。

おすすめの飲み方はストレート、ロック、トワイスアップ。
10年熟成の濃厚さを味わってほしい銘柄です。

「テンプルトン ライ バレルストレングス」

アルコール度数57%前後
容量750mL

「テンプルトン ライ」の中で最高熟成の樽をボトリングしたもので、製造者が自信とプライドを持って販売する銘柄という点から、1年に1度しか発売されないレアなウイスキーです。

「テンプルトン ライ」の中でも、味の深みや複雑さは群を抜いていて、フルーツのような爽やかな甘味と高級チョコレートのような優雅な甘味、ライ麦の香ばしさやスパイシーさを感じられる至高のライウイスキーだといえます。

おすすめの飲み方は、ストレート、ロック、トワイスアップです。

「テンプルトン ライ オロロソシェリーカスクフィニッシュ」

アルコール度数46%
容量750mL

「テンプルトン ライ オロロソシェリーカスクフィニッシュ」は「テンプルトン ライ」を6年熟成させた後、さらにオロロソシェリー樽で9ヵ月熟成させた限定品。
「テンプルトン ライ」の味わいの中に繊細なシェリー樽の香りが感じられます。

おすすめの飲み方はストレート、ロック、トワイスアップです。

「テンプルトン ライ カリビアンラムカスクフィニッシュ」

アルコール度数46%
容量750mL

「テンプルトン ライ カリビアンラムカスクフィニッシュ」は「テンプルトン ライ」を5年熟成させた後、さらにジャマイカ産のダークラムの樽で6ヵ月熟成させた限定品。

ダークラム特有のレーズンのような風味と「テンプルトン ライ」の香ばしさがマッチしています。

おすすめの飲み方はストレート、ロック、トワイスアップ。
独特の風味を味わってほしい銘柄です。

「テンプルトン ライ メープルカスクフィニッシュ」

「テンプルトン ライ メープルカスクフィニッシュ」はバーモント州のウッズバーモントシロップカンパニーとのコラボ商品です。
「テンプルトン ライ」を熟成させた後の空樽でバレルエイジドメープルシロップを造り、「テンプルトン ライ」をメープルシロップの香りがついた樽で熟成させます。

バレルエイジドメープルシロップとは
バーボンを熟成した後の空樽に漬け込み、バーボンや樽の香りをつけたメープルシロップ

メープルの甘い香りが感じられる一風変わったライウイスキーです。

おすすめの飲み方はストレートやロック、トワイスアップ。
メープルの香りを感じてみてください。

「テンプルトン ライ」はおいしいのか?実際に飲んでみた感想

「テンプルトン ライ」を実際に筆者が飲んだ感想と、実際に店舗に来店したお客様に飲んでいただいた感想をご紹介します。

今回は、スタンダードボトルの「テンプルトン ライ 4年」を試してみました。

筆者が飲んでみた感想

「テンプルトン ライ 4年」を実際に飲んだ時の画像
画像提供:Whiskeen編集部 torauma撮影

写真は「テンプルトン ライ 4年」の旧ボトルです。

ストレート、ハイボールで飲んでみました。

最初はストレートから。
香りはすっきり系でライウイスキーらしいな、という印象。

飲んでみてまず思ったのが甘い。
そしてストレートなのに飲みやすい。
しかし、残念ながらストレートにして飲むほどの深みのある味わいとは思いませんでした。

とはいえ「テンプルトン ライ」の香ばしさ、甘さ、風味は筆者好みです。

「テンプルトン ライ 4年」ハイボール
画像提供:Whiskeen編集部 torauma撮影

お次はハイボールです。

ストレートと比べて香りが爽やかになりました。

「テンプルトン ライ」の特徴である香ばしさが、ハイボールにすることでよくなっている印象です。
ストレートで感じた甘さは控えめになって香ばしさが際立っているように感じました。

ライウイスキー特有のクセは感じますが、非常に飲みやすくゴクゴクいけます。
筆者はハイボールがおすすめです。

お店にきたお客様に飲んでもらった感想

自分自身だけの意見だけではなく、筆者が経営するBARに来たお客様にも実際に飲んでもらい、感想を聞いてみました。

ロックを飲んだお客様

  • 飲んだ瞬間に思ったよりガツンとした香りがする
  • 後味が甘いから飲みやすい
  • チープな印象
  • 氷が溶けてからおいしく感じてきた
  • ロックよりハイボールのほうが合いそう

「テンプルトン ライ 4年」は加水したほうが、甘味や香りがたつウイスキーということですね。

ハイボールを飲んだお客様

  • 女子が好きそう
  • ライウイスキー初めて飲んだけどハマる
  • 他のライウイスキーより飲みやすい
  • 蜂蜜っぽい香りがするのがわかる
  • おいしいけど好みではない
  • 飲みやすいけど思ったよりクセを感じた

好みは人それぞれですが、総じて皆さんが言っていたのは飲みやすいということ。

お客様の声からもハイボールと相性の良いウイスキーということがわかりました。

まとめ

「テンプルトン ライ」は原料の95%がライ麦で造られているので、ライウイスキー好きの方にはぜひ飲んでほしい銘柄です。
ライウイスキーを飲んだことがない方でも、甘くて香ばしくスムースな口当たりが特徴なのでおすすめします。

アメリカの歴史や映画好きの方も、「禁酒法時代にアル・カポネが愛飲していた」と聞けば、飲みたくなるかもしれません。

ぜひあなたも「テンプルトン」を試してみてください。

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  • この記事を書いた人

torauma

大阪で細々とBARをしています。 好きなお酒はバーボン。 whiskeenを通してウイスキーの魅力を知っていただけたらうれしいです。

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