バーボンウイスキーの定番として人気の銘柄「アーリータイムズ」。
古くからアメリカをはじめ世界中で親しまれてきた、ウイスキー好きには馴染みのある銘柄のひとつです。
そこでこの記事では、「アーリータイムズ」の種類や飲み方、販売情報をご紹介します。
この記事で「アーリータイムズ」の歴史や飲み方・販売情報をチェックして、友達や恋人に自慢しちゃいましょう。
この記事の監修者
「アーリータイムズ」とは
「アーリータイムズ」はアメリカ合衆国ケンタッキー州ルイビルにあるダウンタウン蒸留製造所で製造されており、現在はカナディアンウイスキー「カナディアンミスト」も傘下に入る、サゼラック社が所有しています。
日本では、2022年6月から明治屋が輸入元となって販売を行っています。
「開拓時代」という意味もある「アーリータイムズ」は、アメリカの南北戦争など激動の時代をくぐり抜けてきた歴史があります。
長年親しまれてきた「アーリータイムズ」の歴史を見てみましょう。
「アーリータイムズ」の歴史
「アーリータイムズ」が最初に蒸留されたのは、1860年。
ケンタッキー州にあったこの蒸留所は、”Early Times Method”(昔ながらの製法)でウイスキーを造るという信念のもと、アーリータイムズ蒸留所と名付けられました。
1920年になると、禁酒法が施行されたことにより存亡の危機に瀕します。
その後、医療用の薬用ウイスキーとして認められてからは例外的にウイスキーを販売できるように。
やがて、バーボンウイスキーとして広く親しまれるようになりました。
バーボンウイスキーの定番「アーリータイムズ」の特徴3つ【製法や分類】
数あるバーボンウイスキーの中でも、多くの人に親しまれている「アーリータイムズ」。
その理由は、製造方法へのこだわりや、独自の味・香りにあります。
ここからは、「アーリータイムズ」の特徴をご紹介します。
自社で樽の製造も行う「アーリータイムズ」製法のこだわり
「アーリータイムズ」の原料は、インディアナ州でとれるトウモロコシ・ライ麦・大麦。
製造に使用される仕込み水は、ケンタッキー州の石灰でできた地層を通った、ミネラル豊富な中硬水(ライムストーンウォーター)です。
バーボンウイスキーの熟成には、内側を焦がしたオーク材の新樽を使うことが必須。
「アーリータイムズ」の製造では、かつての蒸留所の所有者である「ブラウンフォーマン社」の樽工場でつくられたもののみ使用しています。
自社の樽を使用するメリットは、樽の焦がし具合などを細かく調整できること。
ケンタッキー州で自社の樽を使用しているのは「アーリータイムズ」だけです。
「アーリータイムズ」の味や香りの特徴
「アーリータイムズ」は、トウモロコシを主な原料としているため、甘くフルーティな香りと味が特徴的です。
また、オーク樽由来のキャラメルのような甘い香りもあります。
活性炭を使ってろ過することで不純物を取り除いているため、後味はスッキリしています。
ストレートやロックだけでなく、カクテルにしても楽しめるバーボンウイスキーです。
アメリカではバーボンではない?「アーリータイムズ」の分類
アメリカ国内で販売されている「アーリータイムズ」は、バーボンではなくケンタッキーウイスキーとして販売されています。
バーボンは、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成させなければなりません。
一方、アメリカで販売されている「アーリータイムズ」は、再利用した樽を使って熟成しているため、バーボンウイスキーの定義から外れています。
輸出用に製造されている「アーリータイムズ」は新樽のみを使用して熟成しているため、バーボンウイスキーに分類されるのです。
バーボンやその他のウイスキーの分類を知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
「アーリータイムズ」のラインナップ
「アーリータイムズ」で一番多く見かけるのは「アーリータイムズ イエローラベル」ですが、他にも種類があるのをご存じでしょうか。
それぞれ味わいや香りに違いがあるので、飲み比べも楽しいはず。
入手が難しくなっている銘柄もありますので、販売情報もご紹介します。
「アーリータイムズ イエローラベル」→2022年6月14日に終売確定→代理店変更→ 2022年12月終売
アルコール度数:40%
「イエローラベル」は「アーリータイムズ」のスタンダードボトルであり、ロングセラー商品です。
ライトな口当たりで、洋梨のようなフルーティな甘み、オーク樽由来の芳醇な香りが特徴。
2022年6月14日、日本での輸入販売を行っていたアサヒビールが取り扱いを終了し、実質終売となりました。
参考:アサヒビール 『アーリータイムズ イエローラベル』4商品 取扱終了のお知らせ
2022年8月25日追記
アサヒビールからの発表後、食料小売業などで知られる明治屋が、アーリータイムズをはじめとするサゼラック社所有のアルコール7品の取り扱い開始を発表。
参考:「アーリー・タイムズ」、「サザン・カンフォート」、「バッファロー・トレース」など7ブランド発売開始
現在、明治屋からは「アーリータイムズ ホワイト」がリリースされていますが、「アーリータイムズ イエローラベル」のリリースは発表されていません。
2022年12月9日追記
Whiskeen 編集部メンバーが新販売代理店の明治屋に直接問い合わせした情報によると、「アーリータイムズ イエローラベル」は、アメリカ本土でも造られていないそうなので完全に終売とのことです。
「アーリータイムズ ホワイト」
アルコール度数:40%
アーリータイムズの新生の1本、「アーリータイムズ ホワイト」。
ウイスキーのなめらかさを追求し、アメリカンブレンデッドウイスキーとしてリリースされました。
2022年9月より、世界に先駆けて日本で先行発売しています。
驚くほどなめらかな味わいで、ハチミツやキャラメルなどの甘い風味。
価格もリーズナブルで、ハイボールにして家飲みで楽しむには持ってこいのウイスキーです。
参考:【世界初リリース!日本先行発売!!】 アメリカンウイスキー『アーリー・タイムズ ホワイト』9月20日に明治屋から出荷開始
「アーリータイムズ ブラウンラベル」→2021年 終売品、再販不明
アルコール度数:40%
「ブラウンラベル」は、1996年に日本向けに販売された銘柄。
「イエローラベル」の原酒と、「ブラウンラベル」用に製造された原酒をブレンドして造られており、「イエローラベル」よりもスモーキーで、深い味わいが特徴です。
1,300円前後で買えるウイスキーでしたが、こちらも2021年に終売となっています。
前述の明治屋からの再販ラインナップに、再び加わると良いですね。
「アーリータイムズ 354」
アルコール度数:40%
厳選したオーク樽で4年熟成された銘柄で、クラシックなラベルが特徴です。
「アーリータイムズ 354」の354という数字は、アメリカの蒸留所における連邦許可番号に由来します。
味わいは、「イエローラベル」よりもフルーティ。
バナナやレモンを感じる味わいです。
「アーリータイムズ ブラインドアーチャー」
アルコール度数:33%
「目隠しをした弓矢使い」という意味の「ブラインドアーチャー」。
スイスの伝説に登場する弓の名手ウィリアム・テルが、目隠しをして息子の頭に乗ったリンゴを射抜いた話に由来しています。
伝説にちなんだ青リンゴやシナモンのフレーバーを加えたフレーバードウイスキーです。
甘みが強く度数が低いため、日本の酒税法上リキュールとして扱われており、炭酸やジュースで割る飲み方がおすすめです。
「アーリータイムズ イエローラベル」休売の真実や現在の価格
バーボンウイスキーの定番として親しまれた「アーリータイムズ イエローラベル」ですが、アサヒビールが2022年6月14日に取り扱いを終了したことで日本では一時的に終売となり、多くのファンを驚かせました。
その後、明治屋より再販のニュースが流れたため、完全な休売・終売ではないことがわかりましたが、なぜ休売・終売の流れとなったのでしょうか。
また、明治屋からの発売開始の間に「イエローラベル」を楽しむ方法はないのかについても解説します。
供給量の減少による契約変更→休売だった?
「アーリータイムズ イエローラベル」の休売の理由は、供給量の減少といわれています。
なぜ、供給量が減ってしまったのでしょうか。
実は、2020年に「アーリータイムズ」はブラウンフォーマン社からサゼラック社に所有が移行しています。
ブラウンフォーマン社時代の原酒の不足や、蒸留所が変わったことによる味の変化によって「アーリータイムズ イエローラベル」の供給量が減少したのではないかと考えられます。
しかし、現在明治屋から「アーリータイムズ ホワイト」のみがリリースされていることから、もしかしたら、イエローラベルの原酒が減少している可能性もありそうです。
【価格高騰?】「アーリータイムズ イエローラベル」現在の価格【2022年8月現在】
アサヒビールの参考小売価格が1,600円(税別・700mL)と、「アーリータイムズ イエローラベル」は、アサヒビールからの終売が発表されるまではお手頃な価格で買えたウイスキーでした。
現在はスーパーなど店頭での入手が難しくなっています。
アサヒビールより販売されていた「アーリータイムズ」を飲みたい!という方は、通販で購入してみてはいかがでしょうか。
ただし、休売により価格は上がっており、楽天やAmazonでは、700mLが3,000円以上で販売されているようです。
明治屋からの再販される可能性もあります。
再版されたら価格高騰が終わるかもしれませんので、再販後に市場に流通するのを待ってから購入することも手段のひとつでしょう。
「アーリータイムズ」のおすすめの飲み方
一部、入手が難しくなっている「アーリータイムズ」ですが、定番のバーボンウイスキーの楽しみ方は、知っておきたいですよね。
ここではおすすめの飲み方や、「アーリータイムズ」を使ったカクテルをご紹介します。
まずは味や香りを楽しめるストレートやロックを
まずはストレート、またはロックで飲んでみてください。
こだわりのオーク樽由来の香り、フルーティな甘みを感じることができます。
華やかな香りを楽しむには、炭酸水で割ったハイボールがピッタリです。
不純物がろ過されていることによる、スッキリした後味が際立ちます。
他にウイスキーの美味しい飲み方を知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
「アーリータイムズ」はカクテルもおすすめ
そのままの味や香りを楽しんだら、カクテルにもチャレンジしてみましょう。
「アーリータイムズ」の公式サイトでは、カクテルのレシピも公開されています。
ジュースなどで割ることで、ウイスキー初心者の方にも飲みやすくなるはず。
ぜひ試してみてください。
「アーリータイムズ マンハッタン」
- アーリータイムズ 60mL
- スイートベルモット 30mL
- アンゴスチュラ・ビターズ 2mL
- オレンジ・ビターズ 1mL
- 飾り用チェリー
チェリー以外の材料を、氷を入れたミキシンググラスに入れてよく混ぜ、よく冷えたグラスへ注ぎます。
仕上げにチェリーを飾ります。
まとめ
「アーリータイムズ」はバーボンウイスキーの銘柄として、一度は聞いたことがある方もいるでしょう。
製造方法へのこだわりや蒸留所の歴史を知ると、興味がわきますね。
休売や終売などで入手が難しくなっている銘柄があるのは残念ですが、明治屋からの再販を期待し、また入手しやすくなることを祈りましょう。
バーやレストランなどで見つけたら、ぜひ楽しんでみてください。
他に飲みやすいバーボンを知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。