アサヒビール社が日本に輸入をおこなっている唯一のカナディアンウイスキーである「カナディアンミスト」。
独自の3回蒸留製法による軽やかでスムーズな味わいが特徴的な銘柄です。
そんな「カナディアンミスト」の世界観を一緒に覗いてみませんか?
今回は「カナディアンミスト」について、現役バーテンダーの筆者が網羅的にご紹介します。
英語版公式サイトのカクテルレシピをもとに日本人にも飲みやすくしたアレンジ版カクテルレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ウイスキー「カナディアンミスト」の概要
「カナディアンミスト」はカナダのオンタリオ州、ジョージア湾を臨むコリングウッドにあるカナディアンミスト蒸留所で造られています。
日本ではアサヒビール株式会社が輸入し、販売を行っています。
参考小売価格 | 750mL:1,370円(税別) |
蒸留所 | カナディアンミスト蒸留所 |
樽 | ホワイトオーク樽 |
アルコール度数 | 40% |
おすすめの飲み方 | ハイボール、ジンジャーエール割り、ロック、カクテルベースなど |
受賞歴あるカナディアンウイスキー
「カナディアンミスト」は世界でも有数のスピリッツコンペティションで高く評価された実績があります。
“2019 サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション”にてシルバーメダルを受賞
“サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション”とは世界三大酒類コンペティションといわれ、2022年で22回目を迎える世界中で最も影響力のある酒類コンペティションのひとつです。
審査は、以下のような蒸留酒業界で最高の鑑識眼を持つ70人の審査員により、2週間にわたって行われます。
・BARやレストラン、ホテルに勤めるスピリッツ業界の専門家
・主要スピリッツメディアのジャーナリスト
・酒類流通業者のバイヤー
・コンサルタント など
そして、数十ある各部門からダブルゴールド賞、ゴールド賞、シルバー賞、ブロンズ賞が選ばれます。
「カナディアンミスト」が受賞したシルバーメダルは、洗練され卓越したスピリッツに贈られ、各部門の中で最良の1銘柄だけが選ばれます。
“2018 アルティメットスピリッツ チャレンジ”にて91点と「Great value」を受賞
「カナディアンミスト」は2018年開催の「アルティメットスピリッツ チャレンジ」において、高評価の91点を記録し、「Great value」という評価も獲得しています。
“アルティメット・スピリッツ・チャレンジ”とは
2010年からニューヨークで開催されている米国有数のスピリッツのコンテストのこと。
他のコンテストの多くが「メダルの色」などで評価を表現するのに対し、「得点」で評価を公表するのが特徴的。
米国スピリッツ業界において最も公平で信頼のおけるコンテストとして評価されています。
「カナディアンミスト」が受賞した「Great value」というのは、対象アイテムの価格に対し、高いコストパフォーマンスを発揮していることを示すものです。
たとえ「アルティメットスピリッツ チャレンジ」の点数で高得点を記録しても、販売価格があまりに高い場合はこの評価は受けることはできません。
市場価格が約1,500円で高評価とされる91点を獲得したことは快挙といえると同時に、お財布に優しいのは、ありがたいですね。
「カナディアンミスト」の沿革
時をさかのぼること1967年、ケンタッキー州のバートン・ブレンズ社がアメリカ人向けのカナディアンウイスキー「カナディアンミスト」を造る蒸留所の着工に取りかかりました。
アメリカ市場向けに企画された新しいカナディアンウイスキーは「大量の良質な水」と「アメリカへの輸出販路」を必要とし、ジョージア湾を臨むコリングウッドは理想的な立地でした。
同地に蒸留所の建設が完了し、翌年1968年から(ウイスキー)の生産を開始しています。
しかし、わずか3年後の1971年、アメリカ資本のブラウンフォーマン社によって蒸留所が買収されます。
これにより、カナディアンミストの原酒はケンタッキー州ルイヴィルのブラウンフォーマン蒸留所に運ばれてボトリングされるようになりました。
後述で詳しく説明しますが、アメリカでベストセラーとなった「カナディアンミスト」ですが、2016年に日本への正規輸入が始まります。
その後、2020年にはアメリカのサゼラック社の傘下に入り、現在は日本への輸入はアサヒビール株式会社によって行われています。
参考①:土屋 守 著『ウイスキーコニサー資格教本 下 』P.139
参考②:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/canadian/canadian_mist/
「カナディアンミスト」の特徴
輝かしい受賞歴を持つ「カナディアンミスト」は、カナディアンウイスキー初心者でも挑戦しやすい味わいや香りだけでなく、以下のような特徴もあります。
・蒸留所が「カナディアンミスト」のみ造り続ける
・世界5大ウイスキーを取り扱う日本メーカー誕生のきっかけになる
詳しく見てみましょう。
味わいと香り
香りは「オーク樽由来のバニラ」や「伸ばした蜂蜜」「ブラウンシュガー」のような甘い香りと、ライ麦の香ばしさを感じます。
飲み口はとても軽やかでスムーズなので、カナディアンウイスキーを試したい方には、ぴったりのエントリーモデルです。
1種類だけを造り続ける
カナディアンミスト蒸留所では「カナディアンミスト」以外のウイスキーは造られていません。
蒸留所の創業から現在に至るまでの約半世紀間、ひとつのブランドにこだわり続けています。
「カナディアンミスト」は2019年に約100万ケースの販売量を記録し、カナディアンウイスキーブランドでは第4位となっています。
1種類の製造だけにこだわり続けた結果なのかもしれませんね。
アメリカ国内向け特別ブレンドがある
「カナディアンミスト」の発売開始以来、特にアメリカでの消費と人気が拡大し、アメリカの超大手ウイスキーメーカー「サゼラック社」がオーナーとなりました。
そのため、アメリカ市場向けに特別にブレンドされた「カナディアンミスト」は一般的なカナダ人の好みよりやや甘く、フルーティーな味わいになっています。
もしアメリカに行く機会があれば、ぜひ「カナディアンミスト」を味わってみてください。
世界5大ウイスキーを取り扱う日本メーカーの誕生につながる
前述でも触れたとおり、「カナディアンミスト」が2016年7月26日より日本での発売が開始されたことで、日本において世界5大ウイスキーを取り扱うメーカーの誕生に繋がりました。
輸入はアサヒビール株式会社が行っており、アメリカのブラウンフォーマン社との販売契約におけるブランド拡充により実現。
カナディアンミスト蒸留所は2020年にサゼラック社の傘下に入りましたが、アサヒビール株式会社がサゼラック社と販売契約を結んだことで、引き続きアサヒビール株式会社が輸入・販売をしています。
この販売決定により、アサヒビール株式会社はカナディアンウイスキーをレパートリーに加えたことで、“世界5大ウイスキー”を取り扱う数少ない日本メーカーになりました。
“世界5大ウイスキー”とは
スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本で生産されるウイスキーのこと。
上記5カ国は世界的なウイスキー生産国として知られており、世界中のウイスキーファンから、技術や品質などあらゆる面において評価と支持を得ている。
そのなかで、カナディアンウイスキーは最もライトでスムーズな飲み口といわれ、食事などにも合わせやすく飲みやすいウイスキーとして日本でも知られています。
【品質重視】カナディアンミスト製造へのこだわり
「カナディアンミスト」は、昨今の新興蒸留所でよく目にする「少量生産」や「クラフトウイスキー」とは異なり、多くの人が広く楽しめるように「クラシックなウイスキー造り」を続けています。
原料となる穀物や発酵作業、蒸留、熟成を施す樽など、全ての工程に独自の品質を保つためのこだわりがあります。
工程ごとに「カナディアンミスト」の製造についてご紹介いたします。
原料
原料となる穀物は、全てカナダ産のみを使用するという、徹底したテロワールを追及しています。
テロワールとは
酒の原料を取り巻く自然環境要因のこと。原料を生産する土地や気候までも、酒などを造る際の味わいに影響するという考え方。
特にワインで使われることが多い言葉だが、ウイスキーでも使われることがある。
主原料のトウモロコシは蒸留所から100マイル以内の畑で栽培されたものを使用します。
主原料以外の穀物についても、アルバータ州の良質な大麦麦芽、オンタリオ州の豊かな香ばしい味わいのライ麦を使うなどの徹底ぶりです。
テロワールを追求した原料を混ぜ合わせることで、カナディアンミストはこの土地から生まれる特有の風味を保っているのです。
参考:https://www.canadianmist.com/our-story/
糖化・発酵
糖化とは、穀物の主成分であるデンプンを糖に変える過程のことです。
麦芽に含まれる酵素の力でデンプンを糖化し、発酵に必要な麦汁を抽出するのです。
まず、粉砕された穀物と温水を合わせ、「マッシュ」と呼ばれる粥状の混合物を造ります。
マッシュは糖化槽の中で糖化し、濾されて麦汁となります。
続いて、発酵槽に麦汁と酵母を投入し、アルコール発酵を促します。
麦汁に含まれる糖をエサに酵母が増殖し、発酵が進むことによってアルコールと二酸化炭素が生成されます。
カナディアンミスト蒸留所では発酵させた麦汁のことを「ビール」と呼び、最大5日間麦汁を発酵させます。こうしてできた「ビール」は次の蒸留工程に移ります。
参考:https://www.canadianmist.com/our-story/ (英語)
蒸留
カナディアンミスト蒸留所ではステンレス製コラム・スチル(主にグレーンウイスキーなどを製造する連続式蒸留機)でなんと3回の蒸留を行います。
1回目の蒸留は短めのコラム・スチルで蒸留し、アルコール度数約60度のスピリッツを得ます。
カナディアンミスト蒸留所で一番ユニークな製法はここからです。
1回目の蒸留で得た約60度のスピリッツに、脱塩処理をしたジョージア湾の水を加えてアルコール度数を約15度まで希釈します。
水で希釈することで、スピリッツに含まれている「不快成分のフーゼル油」が分離、除去されます。
フーゼル油とは
ウイスキー造りにおいては不快成分として扱われ、除去することが望ましい物質。
アルコールと沸点が近いため、通常の蒸留では分離できない成分を指す。
非水溶性という特性を利用し、加水することで分離します。
その後、2回目の蒸留が行われ、豊かな穀物風味を備えたクリアな酒質になります。
精留コラムによる3回目の最終蒸留でスピリッツは元のアルコール度数へと引き上げられ、樽での熟成工程へと進むのです。
なお、このコラム・スチルには数カ所、銅が内在しており、蒸留液に含まれる硫黄化合物などのオフフレーバーを分離・除去する役割があります。
参考:https://www.canadianmist.com/our-story/
熟成と樽
3度の蒸留を経た「カナディアンミスト」の原酒は、ホワイトオークの樽で熟成させます。
ホワイトオークはウイスキーの貯蔵に使われる主要な木材です。
安価で樽への加工がしやすく、液漏れもしづらいという点で多くのウイスキーで利用されています。
カナディアンミスト蒸留所には熟成庫が3カ所あり、なんと約10万個の樽が貯蔵されているようです。
ウイスキーの熟成は同じ熟成庫でも樽の保管場所によりばらつきが生じるため、
「the whisky is left to mature, not “age”(ウイスキーを熟成させるのは“年数だけ"ではない)」
という同蒸留所独自の考え方で、熟成のピークを見極めています。
熟成年数にとらわれず、香味の基準を満たしたと判断されたウイスキーは瓶詰されていきます。
参考:https://www.canadianmist.com/our-story/
ボトル
商品名である「カナディアンミスト」の「MIST」をラベルの中央に大きく配置した、シンプルでモダンなデザインです。
現地カナダでは1,750mLの大容量サイズも展開されています。
残念ながら、アサヒビールでは大容量サイズを取り扱っていないことから国内では販売されていませんが、ぜひアメリカやカナダへ行く際に探してみてください。
参考:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/canadian/canadian_mist/
「カナディアンミスト」の種類
「カナディアンミスト」は前述の通り1種類のみの発売です。
この項目では、米国限定の商品も併せてご紹介します。
「カナディアンミスト」
・アルコール度数40%
独自の3回蒸留により、軽快でスムーズな口当たりとまろやかで、すっきりとした味わいが楽しめます。
おすすめの飲み方としてはよく冷やしたロックやソーダ割りです。
カクテルベースとして楽しめるお値段なのも、嬉しいですね。
【米国限定】「カナディアンミスト ブラックダイヤモンド」
・アルコール度数43%
アメリカ市場限定で販売されている「カナディアンミスト」の数少ない製品のひとつです。
よりリッチでまろやか、そして力強く、カナディアンミスト愛好者が「特別なときのために」と求めるように、慣れ親しんだ良さを失わずにスケールアップした製品です。
日本への正規品はなく、国内のネットショップでも扱っているところはほぼありませんでした。
どうしても欲しいという方は現地で購入を検討したり、日本発送に対応してくれる海外のネットショップを探してみましょう。
気になる「カナディアンミスト」の評価【レビューも大公開】
ここまで製法や歴史などをご紹介いたしましたが、実際に飲んでみた方の気になる評価も気になるところです。
Whiskeen編集部がSNSの声を中心に確認してみました。
また、実際に編集部メンバーに飲んでみたという方がいるので、感想も聞いてみました。SNSでの声
3回蒸留によりスッキリとした味わいとなっているため、ついつい杯が進んでしまうという意見もありました。
上記の声からもわかるように、「カナディアンミスト」はハイボールにしてもライ麦の豊かな風味を感じられるようです。
軽やかな飲み口も、カナディアンウイスキーの特徴のひとつですね。
Whiskeen編集部内での評判
Whiskeen編集部チーム内でも、カナディアンミストを実際に飲んだ感想を公募したところ、ライターの久田一彰さんよりいただけました。
最初の香りはバニラがフルーティーに顔を出す印象です。
ライター久田さんの感想
口あたりはやわらかくライト、華やかな甘みの後に麦の香りがしてきます。
飲んだ後はスッキリとしていますが、しっかりと味わいを感じられました。
おすすめはやはりストレートで楽しむことです。
もし食事と合わせるのであれば、個人的には「ウイスキー:ソーダが1:3」のソーダ割りがおすすめです。
「カナディアンミスト」はスッキリとした飲みやすい仕上がりで、特にソーダ割りはさまざまな食事と合わせやすい味わいです。
ご自宅に1本あれば、ソーダ割りやジンジャーエール割りなどカクテルのようにアレンジして、いろいろなお料理と楽しめること間違いありません。
「カナディアンミスト」はカクテルで。おすすめレシピ8種類
「カナディアンミスト」はカクテルのベースとしても使いやすい銘柄です。
ここでは、現役バーテンダーとしても活躍する筆者が、カナディアンミスト公式サイトのレシピを参考にした一般的な日本でのレシピに寄せた材料と作り方で紹介しますので、ぜひお試しください。
ボイラーメーカー
材料 | ・カナディアンミスト:30mL ・ビール(ピルスナーやラガータイプ):300~360mL |
作り方 | 1. 冷やしたグラスにビールを注ぎます。 2. カナディアンミストを入れたショットグラスをビールの入ったグラスに沈め入れて完成です。 |
カナディアンミュール
材料 | ・カナディアンミスト:30~40mL ・フレッシュレモンジュース:10~15mL ・ジンジャービア:90mL |
作り方 | 1. 氷を入れたグラスにカナディアンミストとフレッシュレモンジュースを注ぎ入れ、混ぜ合わせます。 2. ジンジャービアを注ぎ、炭酸が抜けないように軽く混ぜて完成です。 |
ウイスキー・スマッシュ
材料 | ・カナディアンミスト:45mL ・メープルシロップ:5~10mL ・ミントリーフ:5枚ほど ・レモン:1/6カット |
作り方 | 1. 全ての材料と氷をシェイカーに入れてシェイクします。 2. グラスにクラッシュアイスをたっぷり入れ、シェイカーからストレーナーでこしながらグラスに注ぐ。 3. ミントとレモンのカットを上に添えて完成です。 |
ホット・トゥディー
材料 | ・カナディアンミスト:45mL ・メープルシロップ:15mL ・お湯:適量 ・レモンスライス:1枚 |
作り方 | 1. 耐熱グラスにカナディアンミスト、メープルシロップ、お湯を入れて混ぜ合わせます。 2. グラスにレモンスライスを飾り入れて完成です。 |
トム・コリンズ
材料 | 45mL:カナディアンミスト22.5mL:フレッシュレモンジュース15mL:シンプルシロップ90~120mL:炭酸水レモンスライス1枚 |
作り方 | カナディアンミストとフレッシュレモンジュース、シンプルシロップ、氷をシェイカーに入れ、シェイクします。氷を入れたコリンズグラスにシェイカーの中身を入れます。炭酸水を注ぎ、軽くステアしてレモンスライスを飾り入れたら完成です。 |
ウイスキー・サワー
材料 | ・カナディアンミスト:30mL ・トリプル・セック(ホワイトキュラソー):15mL ・フレッシュレモンジュース:15mL |
作り方 | 1. 全ての材料を氷とともにシェイカーに入れ、シェイクします。 2. クープグラスなどに注ぎ完成です。 |
マンハッタン
材料 | ・カナディアンミスト:45mL ・スイートベルモット:10~15mL ・メープルシロップ:1tsp(約5mL) ・アンゴスチュラビターズ:1dash ・ガーニッシュチェリー:1個 |
作り方 | 1. ガーニッシュチェリー以外の材料と氷をミキシンググラスに入れ、よくステアし撹拌します。 2. よく混ぜ合わせたらカクテルグラスに注ぎ、ガーニッシュチェリーを飾り入れて完成です。 |
オールド・ファッション
材料 | ・カナディアンミスト:50mL ・メープルシロップ:5~10mL ・アンゴスチュラビターズ:2dash ・オレンジ:1/6カット ・ガーニッシュチェリー |
作り方 | 1. 氷で満たされたカクテルシェイカーにカナディアンミスト、シンプルシロップ、アンゴスチュラビターズを入れてシェイクします。 2. グラスに注ぎ、ガーニッシュチェリーとオレンジを飾り入れて完成です。 |
まとめ
今回は日本で購入できる数少ない銘柄「カナディアンミスト」について詳しく紹介しました。
その軽やかでスムーズな味わいから食事にも合わせやすく、カクテルベースとしても幅広く活躍できるウイスキーです。
「カナディアンウイスキーをまだ飲んだことがないよ」という方は、この機会にBarやご自宅でお試しください。
この他にもカナディアンウイスキーについての記事を投稿しておりますので、ぜひご覧ください。