アイリッシュウイスキー復活の旗印ともなったのが、今回紹介するウイスキー「カネマラ」です。
ここでは衰退するアイリッシュウイスキーを復活へと導いた、その魅力あふれる香りや、味わい等の楽しみ方を紹介いたします。
ウイスキー「カネマラ」とは?
アイリッシュのシングルモルトウイスキーです。
その名前の由来となったのは、アイルランド西部にあるカネマラ地方です。
ここは昔、ピートの採掘地であり、昔のアイリッシュウイスキーの製法はピートを焚いていました。
そのため「カネマラ」はスモーキーなウイスキーとして有名です。
ボトルは、「エメラルド島」と呼ばれるアイルランドを彷彿させる緑のデザインです。
ピーテッド・シングルモルトウイスキー
ラベルに注目してみると「PEATED SINGLE MALT WHISKEY」と書かれています。
「PEAT=ピート」の文字が示すように、ピートを焚いた麦芽を2回蒸留しています。
これは、スコッチのモルトウイスキーと同じ製法です。
通常、アイリッシュウイスキーは3回蒸留を行います。
そのため、現在唯一のスコッチタイプのシングルタイプウイスキー、「ピーテッド・シングルモルトウイスキー」と言われています。
蒸留された原酒はバーボン樽で熟成させているのもポイントです。
バーボン樽は内側をバーナーで炙っているため、樽から出る香味成分の影響を受けやすいのが特徴です。
飲んだ時の味わいにバニラ感があるのはこのためです。
歴史
1987年に「ジョン・ティーリング」によって、クーリー蒸留所が設立されました。
国営のアルコール工場を買取り、1989年からウイスキーの製造を開始しています。
かつて、アイリッシュにあった何百という蒸溜所は1920年代以降衰退し、1972年には当時残っていた蒸溜所が合併して、生産拠点を「ブッシュミルズ」と「新ミドルトン」の2つに集約されていました。
そして、第3の蒸溜所としてクーリー蒸留所が新たに誕生したのです。
そこから、アイリッシュウイスキーは復活の大躍進を遂げました。
「クーリー蒸留所」についてもっと知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
ジョン・ティーリング
ジョン・ティーリングは、「アイリッシュの革命児」とも呼ばれています。アイリッシュが不振の時代に陥った要因は、「独立戦争」(1919年)や「アメリカ禁酒法」(1920年)等があります。
その中で、じゃがいもを原料とするアルコール工場を買い取り、スコットランドのベンネヴィス蒸留所から中古のポットスチルを導入させ稼働させました。
独立したウイスキーメーカーが、約100年ぶりにアイルランドで誕生した瞬間でした。
そして、2007年にはキルベガン蒸留所も復活させています。
ちなみに、現在ベンネヴィス蒸留所は、ニッカウヰスキーが所有しています。そこで使われていたポットスチルが、現在サントリー傘下のクーリー蒸留所にあるのも何かしらの運命を感じます。
「カネマラ」の定番ウイスキー!定価や飲み方の紹介
1.カネマラ

アルコール度数:40% 700mL 4,620円
ロックで飲むのもおすすめです。最初に氷を入れたら、マドラーでかき混ぜて、グラスを冷やすと、さらに口当たりが良くなります。
丸い氷はゆっくり溶けるので、時間の経過と共に変わっていく味わいも楽しむことができます。

2.カネマラ12年

アルコール度数:40% 700mL 10,670円
ストレートでの味わいがおすすめです。
グラスを揺らして空気を含ませることによって、丸くなる香りを楽しむことができます。
スコッチよりは当たりが柔らかく、飲んだ後の喉越しは、スッキリしています。

3.カネマラ22年

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%8D%E3%83%9E%E3%83%A9-22%E5%B9%B4-46%E5%BA%A6-700ml-%E4%B8%A6%E8%A1%8C%E8%BC%B8%E5%85%A5%E5%93%81/dp/B00O459KMQ
アルコール度数:40% 700mL 4,620円
ストレートは、香りや口当たり、そして、舌の上で飲む味わいが楽しめるのでおすすめです。
出会えたらラッキー
カネマラディスティラーズエディション

アルコール度数:43% 700mL 5,388円
まずは、ストレートで「カネマラ」を味わうのがおすすめです。
まとめ
ウイスキー「カネマラ」いかがでしたでしょうか?
アイリッシュウイスキーでありながら、スコッチのモルトウイスキーと同じ製法で生み出された独特の味わい、見かけたらぜひ試してみてくださいね。
近年はあまりスモーキー、ピーティーさを強く感じさせない、あるいはピートを使用しないノンピーテッド麦芽を原料としたモルトウイスキーが主流となってきています。
それがサントリーが手がける「ラフロイグ」「ボウモア」「アードモア」「カネマラ」です。
このシングルモルトウイスキー、4つのブランドは伝統的な香味世界を守りつづけています。
4つを飲み比べてみてみるのも、ウイスキーの楽しみの一つです。
復活した歴史を通じて、ウイスキーへの思いを馳せるのも醍醐味の一つですね。
さあ、あなたの人生に楽しいウイスキーライフを!