当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。

ウイスキーの基本

ウイスキーとスピリッツの違いを徹底解説【酒の分類も紹介】

ウイスキーの紹介や説明文には、「スピリッツ」という単語がよくでてきます。

スピリッツとは蒸留酒のことで、実はウイスキーもスピリッツの一種。
では、ウイスキーとスピリッツは、どのように使い分けられているのでしょうか。

この記事では、ウイスキーとスピリッツの違いを紹介します。
定義を知り、2つの違いがどこにあるのか見ていきましょう。

この記事の監修者

浅野まむ

浅野まむ

お酒とBarを愛しています。バーテンダー歴8年、現在ライター。ウィスキーエキスパート資格持ち。 1人で飲むのも、大勢で飲むのも、2人で飲むのも、なんでも好きです。

酒の分類 

棚に並んだ世界のウイスキーボトル

スピリッツは、蒸留酒全般を指す言葉です。
まずは、酒全体がどのように分類されているのか解説していきましょう。

酒の分類は、大きく分けると3種類あります。

  • 醸造酒
  • 蒸留酒(スピリッツ)
  • 混成酒

詳しく見てみましょう。

醸造酒

醸造酒とは、穀物や果実などの原料を酵母の働きでアルコール発酵させて造る酒のことです。

醸造酒の例としては

  • 日本酒
  • ビール
  • ワイン
  • 紹興酒
  • マッコリ

が挙げられます。

ワインを造る場合、原料の果実に糖分が含まれているため、酵母を加えるだけで発酵が進みます。

日本酒やビールを造る場合、原料の米や麦のデンプンを糖に変える必要があります。
日本酒は麹を加えることで、デンプンを糖化
ビールの場合は、麦を発芽させることでデンプンを糖に変え、発酵できる状態にしています。

蒸留酒(スピリッツ)

蒸留酒は、醸造酒を蒸留して造られる酒のことです。

蒸留酒(スピリッツ)の例としては

  • ウイスキー
  • ブランデー
  • 焼酎
  • ウォッカ
  • ラム
  • ジン
  • テキーラ

が挙げられます。

蒸留とは、アルコールと水の沸点の違いを利用してアルコールを抽出する方法です。
アルコールの沸点は約80℃で、水の沸点は100℃。
加熱により先に気体になるアルコール分のみを取り出し、冷却して液体に戻します。

蒸留することで、醸造酒よりもアルコール度数の高い酒を造ることが可能になります。

混成酒

混成酒は、蒸留酒や醸造酒に、草根木皮や果実の香味や糖分を加えた酒のことです。

混成酒の例としては

  • 梅酒
  • リキュール
  • シェリー酒
  • みりん

が挙げられます。

酒として楽しまれる梅酒やリキュールのほかに、料理に使われることの多いみりんや、ワインをベースにしたシェリー酒も含まれます。

ウイスキーとスピリッツの違い

ヒュースピリッツのボトルとテイスティンググラス

スピリッツは蒸留酒を指す言葉で、ウイスキーはスピリッツのひとつとして分類されます。
しかし、日本ではウイスキーとスピリッツは別のものとして扱われています。
別ものとなっていった背景を見ていきましょう。

日本におけるウイスキーとスピリッツの扱い

日本の酒税法では、スピリッツは下記のように定義されています。

ウイスキーやブランデー、焼酎を除く、エキス分2%未満の蒸留酒

つまり日本の酒税法においては、ウイスキーとスピリッツは別ものと決められているのです。
ちなみに「エキス分」とは、温度15℃で100mLに含まれるグルコースなどの糖類量のことで、多い方が甘口の酒になります。

日本でスピリッツがこのような定義になった背景は、旧酒税法の分類の決め方にあります。
1940年、酒税法制定当時は酒の分類が明確になっていなかったため、10種類11品目の分類が定められました。
日本になじみの深い日本酒や焼酎から分類され、当時注目されていたウイスキー、ビール、ワインが次に分類されました。
そして、その他の酒がスピリッツやリキュールに分類されたため、ウイスキーとスピリッツは別ものとなりました。

現在は、蒸留酒の種類としてウイスキー、スピリッツは並列で分類されています。

現在の酒税法での分類

  • 発泡性酒類(ビール、発泡酒など)
  • 醸造酒類(清酒、果実酒など)
  • 蒸留酒類(連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ)
  • 混成酒類(リキュール、みりんなど)

世界4大スピリッツ

ウイスキーと同様、スピリッツにもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。
代表的なスピリッツは世界4大スピリッツと呼ばれ、愛好家も多くいます。

  • ジン
  • ウォッカ
  • ラム
  • テキーラ

高温で蒸留して造られることや、体が燃えるようなアルコール度数の高い酒であることなどから、「火の酒」とも呼ばれるスピリッツ。
世界4大スピリッツの味わいの違いや製造方法について、解説していきます。

ジン

ボンベイ・サファイア、ヘンドリックスなどのジンボトル

ジンは大麦麦芽やとうもろこしを原料に製造される酒です。
製造工程の一つである蒸留後に、ネズの実(ジュニパーベリー)や草の根・木の皮などのボタニカルで香りづけをしているのが特徴です。

そのまま飲んでボタニカルの香味を楽しむ方もいますが、ジンはカクテル作りに欠かせません。
ジンの種類には、ロンドン・ドライジン、ジュネヴァジン、シュタインヘーガーなどがあります。

代表的な銘柄に「ボンベイ・サファイア」があります。

ウォッカ

スミノフ、スカイウォッカなどのウォッカのボトルの陳列棚

ウォッカは大麦や小麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀類を原料としており、蒸留後に白樺などの活性炭などで濾過することで完成する、アルコール度数40度前後の酒です。
アルコール度数が高いので、ロシアをはじめとする寒冷の国々では古くから飲まれてきました。

ウォッカは主に2種類に分かれています。

ウォッカの種類特徴
ピュアウォッカ雑味が少なくクリアな味わい
フレーバードウォッカフルーツやハーブなどで香りを加えたウォッカ

癖のない香りと味わいが特徴であることから他の酒や飲料との相性が良く、ジンと並んでカクテルベースによく使用されます。

代表的な銘柄に「スミノフ ウォッカ」があります。

ラム

ハバナクラブのラムで作ったカクテル、モヒート

ラムは、サトウキビを原料に製造されるカリブ海西インド諸島発祥の酒です。

ラムはサトウキビの茎を搾り煮つめて結晶化させ、砂糖を分離したあとの液体(モラセスと呼ばれる糖蜜)や搾り汁を使って造られます。
糖蜜(モラセス)を原料にしたものはトラディショナルラム(インダストリアルラム)、サトウキビの搾り汁をそのまま使用したものは、アグリコールラムと呼ばれます。
現在、ラムのほとんどはトラディショナルラム。

さらに、色による分類で「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」に分けられ、風味による分類で「ライトラム」「ミディアムラム」「ヘビーラム」に分けられます。

ラムもカクテルを作る際には欠かせない存在で、チョコレートなどのお菓子作りにもよく活用されています。
代表的な銘柄に「バカルディ」があります。

テキーラ

メキシコなどの乾燥地帯に生える先のとがった植物「ブルーアガベ」

メキシコに咲く竜舌蘭の一種である、ブルーアガべを原料に製造するのがテキーラです。
名前は、メキシコ・ハリスコ州にある村の名前、テキーラに由来します。
よく海外映画やドラマとかで飲んでいるシーンを見かけるという方もいるのではないでしょうか。

テキーラには次のような種類があります。

名称熟成方法
ブランコ(シルバー)・ブランコは白の意味・蒸留後、樽熟成させない
ゴールド・ブランコと、樽貯蔵したもののブレンド品
・単にカラメルで着色したものもある
レポサド・レポサドは、短期熟成・仮眠の意味
・2ヶ月~1年の期間で樽熟成させる
アネホ・アネホは英語の「Aged」の意味
・600L以下のオークの樽で1年以上の熟成させる
エクストラ・アネホ・600L以下のオークの樽で3年以上樽で熟成させる

代表的な銘柄に「クエルボ」があります。

世界のさまざまなスピリッツ

4大スピリッツ以外には、下記のような種類があります。

  • ソジュ(韓国)
  • 白酒(中国)
  • アラック(インドネシア)
  • ルモアイ(ベトナム)
  • グラッパ(イタリア)
  • キルシュヴァッサー(ドイツ)
  • アクアビット(デンマーク、ドイツなど)
  • ビスコ(ペルー)
  • シンガニ(ボリビア)

広義ではスピリッツに分類されるウイスキーやブランデー・焼酎ですが、日本の酒税法では別の分類となっています。

世界5大ウイスキー

テーブルに強く置いたウイスキーグラスから飛びだすウイスキー

4大スピリッツが存在するように、ウイスキーにも世界5大ウイスキーが存在します。

  • スコッチ
  • ジャパニーズ
  • アメリカン
  • アイリッシュ
  • カナディアン

それぞれ簡単にご紹介します。

世界5大ウイスキーについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

スコッチウイスキー

豊かな自然と厳しい気候が特徴のスコットランドで生まれたのがウイスキー。
スコットランドには数多くの蒸留所が立ち並んでいます。

蒸留所それぞれの特徴を活かした個性豊かな味わいと、スモーキーな香りを楽しめるのが特徴で、多くのウイスキーファンから愛されています。

代表銘柄は「マッカラン」です。

ジャパニーズウイスキー

スコッチウイスキーの流れをくみながら独自の進化を遂げてきたのがジャパニーズウイスキーです。

日本の高い技術力と、四季折々の気候が生んだ多彩な原酒たちをベースに製造されたジャパニーズウイスキーは、日本をはじめ海外でも高い評価と人気を得ています。

代表銘柄は、「山崎」「」です。

アメリカンウイスキー

自由の国アメリカから生まれたアメリカンウイスキー。

特にバーボンウイスキーは大変有名で、独特のスパイシーさと深みを楽しめます。
コーン比率の高いものは飲み口が軽いので、ウイスキー初心者には特におすすめです。

代表銘柄は、「フォアローゼズ」です。

アイリッシュウイスキー

アイルランドで生まれたウイスキーです。

寒さの厳しいアイルランドの地で3年以上熟成されたアイリッシュウイスキーは、原料の穀物の芳醇な香りとスッキリした飲み口が特徴です。

代表銘柄は、「ジェムソン」です。

カナディアンウイスキー

自然豊かな国、カナダで生まれたウイスキー。
非常に軽い酒質を持ち、爽やかな香りと、癖のない味わいが特徴的です。

ウイスキー初心者の方にはもちろん、カクテルを作る際にもおすすめのウイスキーです。

代表銘柄は、「カナディアンクラブ」です。

最後に

ウイスキーとスピリッツの違いを解説しました。
スピリッツを知ることで、ウイスキーの理解も深まりそうですね。

世界4大スピリッツやその他の醸造酒、混成酒などをチェックして、気になる酒があったらぜひ試してみてください。
この記事を参考に、楽しいウイスキーライフを過ごしてくださいね。

Whiskeen レビュー募集
  • この記事を書いた人

けい

Webライター/オンラインコーチングで活動中のノマドワーカー。海外旅行好きで旅行先のバーやレストラン巡りが趣味。ウイスキーは勉強中!ワイン、日本酒、ビールが好き。

-ウイスキーの基本