「山崎について、どんな種類があるのか知りたい」
「価格が高騰していると聞くけれど、なぜか理由を知りたい」
調べれば調べるほど情報が出てくる「シングルモルトウイスキー 山崎(以下、山崎とする)」のウイスキー。
ウイスキーの銘柄でも有名な「山崎」は、居酒屋やスーパーで気軽に手に入るものから、オークションでないと購入できない高価なものまでさまざまです。
ウイスキーの代表的な存在でもある「山崎」について今以上に理解を深めることで、居酒屋やBarでの注文時に困りません。
また、「山崎」を自宅で味わう際の指標になるでしょう。
そこで今回は、ジャパニーズウイスキーを代表する「山崎」について網羅的にご紹介します。
あわせて、「山崎」の価格が高騰している理由にも触れますので、この記事を読んでウイスキー「山崎」を人一倍楽しむための知識を付けましょう。
この記事の監修者
大中 ヨシ
都内勤務のバーテンダー兼ウイスキー専門のwebライター。ウイスキープロフェッショナル資格所有。休日には蒸留所や温泉を巡っています。普段はジャパニーズやスコッチを愛飲。推し蒸留所はキルホーマンです。
「山崎」はどんなウイスキー?
「山崎」は、ウイスキーの製造に適した気候とされている大阪府三島郡島本町の「サントリー山崎蒸溜所」で作られている国産ウイスキーです。
1984年から販売が始まった「山崎」は、日本の四季の変化や味わいなど徹底的にこだわったモルト原酒のウイスキーであり、今なお日本のウイスキーの代表的存在となっています。
サントリー山崎蒸溜所について
「山崎」を造っているサントリー山崎蒸溜所は、“日本最古のモルトウイスキー蒸溜所”として有名です。
今から約100年前の1923年に建設に着手し、1924年に操業を開始しました。
サントリー創業者の鳥井信治郎が、数ある候補地の中から大阪府三島郡山崎の地を選んだのは、ウイスキー造りに重要な“良質な水”と豊かな“自然環境”がそろっていたからです。
現在、サントリー山崎蒸溜所では、製造工程の見学や山崎の構成原酒の試飲ができる蒸溜所ガイドツアーも開催しており、より山崎のウイスキー造りについて詳しく学べます。
有料のテイスティングでは貴重な銘柄も試飲できるようです。
また、蒸溜所内には“山崎ウイスキー館”という「山崎」の歴史が詰まった博物館もあります。
シングルモルトウイスキー「山崎」の誕生秘話やサントリーウイスキーの歴史など、展示を通じて知識を深められますので、是非大阪に行った際などは足を運んでみてください。
「行きたくてもすぐには行けない」という方も安心してください。
以下の動画では”山崎ウイスキー館”について、より詳しく紹介しています。併せてチェックしてみてください。
国産ウイスキー代表銘柄もサントリー山崎蒸溜所が発端
山崎蒸溜所は1924年に操業を開始しましたが、ウイスキーを売り出すまでには長い年月を要しました。
山崎蒸溜所から初めて発表されたウイスキーは「白札」。
操業開始から7年後の1929年に発表されました。「白札」は当時の日本人には受け入れられませんでしたが、その後も山崎蒸溜所では、ウイスキーを発表し続けました。
- 1929年 「白札」を発売
- 1937年 「角瓶」を発売
- 1950年 「サントリーウイスキーオールド」を発売
- 1960年 「サントリーウイスキーローヤル」を発売
- 1984年 「山崎」誕生
1937年に発売された「角瓶」が大人気となり、その後も「オールド」「ローヤル」など次々と名酒を生み出していきました。
日本人好みのウイスキーを目指し、評価されることで、徐々に日本にウイスキー文化を根付かせることに成功したのです。
そして1984年、ついにジャパニーズウイスキーの代表といえる「山崎」が誕生します。
山崎蒸溜所の初のヒット作となった「角瓶」についてより詳しく知りたい方は、下記記事も併せてご覧ください。
「山崎」の名前の由来
「山崎」の名前の由来は、製造している蒸溜所の地名です。
国産のウイスキーを目指し、ウイスキー造りの理想郷を求めてたどり着いた土地こそ、山崎の地でした。
「山崎」だけでなく、日本には「白州」や「知多」など、土地の名前が由来のウイスキー銘柄も数多く存在します。
「山崎」の味
サントリーウイスキー「山崎」の味は、使用される樽の年代や樽の古さ・熟成年数によって濃厚に変化します。
味わいは、チョコレートに似た甘くしっかりとした味わいと例えられていることが一般的です。
ウイスキーは原酒を保管する樽の素材ごとに味が変化するとされています。実際に製造過程で使われる樽によってウイスキーの味わいに変化が生じるといわれるほどです。
「山崎」でよく見かけるウイスキーの年数表記
ウイスキーには「山崎12年」などのように年数が表記されているケースがありますよね。
「山崎」に限らず、ウイスキーをより味わうために「年数表記」について最初に把握しておくと役立ちます。
ウイスキーの年数表記は「このウイスキーは記載の年数以上、樽の中で熟成させたウイスキーがブレンドされている」という意味を表すことが一般的です。
年数表記されているウイスキーの味わいが深いとされているのは、その年数以上の熟成を行った原酒が混ざっているからです。
例えば「山崎12年」と表記されている場合、「12年以上熟成されたウイスキーがブレンドされている」と読み取れます。
飲み手に対して
「味わい深さや余韻の長さは、熟成年数からうまれているのか?」
などのように、想像力をかき立てる手法だと考えても良いでしょう。
年数表記の意味がわかると、ウイスキーを選ぶときに年数にも着目したくなりますね。
国産ウイスキー「山崎」誕生の歴史
「山崎」の歴史には数々のエピソードがあります。
日本を代表するウイスキー「山崎」ですが、発売までに幾多の困難がありました。
日本のウイスキー造りの原点とも言える、創業者の夢。現代にもその栄光が続いています。
ここからは、銘柄の誕生秘話や歴史をご紹介します。
鳥居信治郎の夢からスタートしたウイスキー
「山崎」の誕生はサントリーの創業者である鳥井信治郎の夢からスタートしました。
鳥井信治郎は、大阪の商人だった父の四男として生まれました。
幼い頃から丁稚(でっち)奉公で船場の仕事をし、そこで輸入ウイスキーやワインを取り扱っていたこともあり、洋酒の知識を身に付けました。
そして、寿屋(後のサントリー)となる、鳥井商店をおこし「赤玉ポートワイン」をヒットさせることに成功。
その勢いの中、時代はまだウイスキーが一般の人には珍しいお酒だった頃に、彼はある夢を持ちました。
「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーを造りたい」
その熱い想いを胸に、創業者の鳥井信治郎はウイスキー造りに乗り出します。
鳥井信治郎は夢をかなえるため、まず本場スコットランドでウイスキー造りを学んだ竹鶴政孝という男を呼び寄せました。
竹鶴政孝はニッカウヰスキーの創業者であり、後に日本のウイスキーの父と呼ばれる人物です。
2人は、山崎蒸溜所の建設を開始し、ウイスキー製造に乗り出しました。
そして、のちに「山崎」を世に誕生させることとなります。
ウイスキーの情熱は2代目マスターブレンドに受け継がれ、完成
創業者の鳥井信治郎の次男である佐治敬三(さじ けいぞう)氏が2代目マスターブレンダーを引き継ぎ、ウイスキー造りの情熱と創業者の思いを胸に「山崎」誕生への一歩を踏み出しました。
「日本を代表するシングルモルトウイスキーを造る」
その夢のために、数十万ある樽の中から原酒を掛け合わせ、試行錯誤を繰り返しました。
そして、「スコッチと異なる日本のウイスキーは何なのか?」という疑問に到達。
その答えは「ひとつの個性が突出することなく、多彩な原酒が混ざり合い、高め合うような調和」という結論に至りました。
時は高度経済成長末期の1980年代初頭、豊かさの”ものさし”が、国から個人へと移り変わる変化の時代。
「価値観が多様化する時代には、個性の強いシングルモルトが好まれる」
そんな時代を読み解いた佐治敬三氏と、日本のウイスキーにおける新たな一歩が、1984年に誕生した「山崎」だったのです。
ラベルの筆文字の秘密
余談ですが、「山崎」の、ラベルに秘密が隠されています。
特徴ある筆文字は、「山崎」の生みの親である佐治敬三氏によって書かれたものですが、文字をよく見ると、「崎」には「寿」の文字が隠されています。
実は「崎」という漢字の旁(つくり)部分が「奇」ではなく、「寿」と描かれているのです。
そこには、サントリーの前身である「寿屋」から脈々と受け継がれてきた熱い思いと、ジャパニーズシングルモルトの門出を祝う気持ちが込められていることがわかるのではないでしょうか。
参考:https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/news/074.html
「山崎」でよく聞く「モルト」とは
「山崎」を語るうえで欠かせないのが「モルト」です。
モルトとは、ウイスキーが「大麦の麦芽のみでつくられた」ことを意味しています。
また、ウイスキーの製造過程によって「シングル」あるいは「ヴァンテッド」「ブレンデッド」などの言葉が追加されるのが一般的です。
例えばシングルモルトウイスキーの場合、単一(ひとつ)の蒸溜所で大麦麦芽(モルト)のみを原料に、単式蒸溜器を用いて造られたウイスキーのことを指します。
同じ蒸溜所の原酒であれば複数の樽を混和することも可能です。
その他のモルトウイスキーについて知りたい方は、以下の記事でもご紹介しています。
【山崎ウイスキー9種類】熟成年数付きや希望小売価格や購入価格相場も紹介
日本のシングルモルトウイスキー代表「山崎」には、ノンエイジボトルや限定ボトルのほか、年数表記付きの銘柄があります。
希望小売価格や購入価格相場もご紹介していますので、購入してみたい人はぜひ参考にしながら読み進めてください。
名前 | 希望小売価格 | 購入価格相場 |
山崎 | 4,500円(700mL) 1,250円(180mL) | 1万3,000円前後 |
山崎10年 | 4,000円(700mL)※終売 | 3万円~10万円前後 |
山崎12年 | 1万円(700mL) 880円(50ml) | 2万円~3万円前後 |
山崎18年 | 3万2,000円(700mL) | 20万円前後 |
山崎25年 | 16万円(700mL) | 100万~150万円前後 |
山崎35年 | 50万円(700mL)※限定品 | 100万円~1,000万円前後 |
山崎50年 | 100万円(700mL) | 約3,250万円 ※オークション落札価格 |
山崎55年 | 300万円(700mL)※限定品 | 約8,515万円 ※オークション落札価格 |
山崎 Limited Edition2022 | 1万円(700mL) | 約5万円前後 |
※購入価格相場は2022年9月時点
参考:https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000038/0000000099.html
https://www.suntory.co.jp/guide/notice060524.html
https://www.suntory.co.jp/news/2011/11243.html
https://www.suntory.co.jp/news/article/13651.html
https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/news/105.html?utm_source%3Dyamazaki%26utm_medium%3Demail%26utm_campaign%3D220329
山崎
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 14,000円前後 |
「NA」と呼ばれる「山崎」のノンエイジは、現在でも手に入りやすい「山崎」の銘柄です。
樽に入れられた熟成年数の表記はありませんが、年数にこだわらず味を徹底的に追求した至極の一品でもあります。
「山崎」のノンエイジは、近年の日本産ウイスキー価格高騰やハイボールブームの影響により、購入価格相場は倍以上になることもあるそうです。
おすすめの飲み方
ストレート、ロック、ハイボール全てに対応できるおすすめの銘柄です。
香りはハチミツやリンゴの甘さが感じられ、味わいも香りと同様に甘く、ほんのりスパイシーな側面もあるため万人受けする銘柄です。
甘口でバランスも良く、山崎の中では比較的手に入りやすいので、いろいろな飲み方を心ゆくまでお試しください。
山崎10年(終売品)
アルコール度数 | 40% |
購入価格相場 | 5万円~10万円前後 |
「山崎10年」は、熟成年数が10年以上の厳選されたシングルモルトウイスキーです。
2013年に出荷停止となった後に「終売」が話題になったため、名前だけは聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。
「山崎10年」はかつてリーズナブルな位置づけで販売されていましたが、終売の影響から今探そうとするとオークションサイトでは高額で取引されている場面に遭遇します。
おすすめの飲み方
ストレートでもハイボールでも良く合います。
ホワイトオークなどの樽で10年以上の熟成期間を経た「山崎10年」は、濃厚な味わい深さがたまりません。
山崎12年
「希望小売価格」(税抜き) | ・10,000円(750mL) ・880円(50mL) |
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 2万円~3万円前後 |
「山崎12年」は、以下の3つの樽で12年以上熟成された原酒を混ぜ合わせた銘柄です。
- ホワイトオーク
- シェリー
- ミズナラ
シェリーで作られた樽から染みだす果実のような味がしっかりついているだけでなく、ミズナラ樽から染みだす生チョコのような風味が混じった独特の風味は、甘味よりも味わい深さが特徴的。
「山崎12年」はかつて生産停止になったこともありましたが、現在では流通も再開し、海外でも売られる人気銘柄のひとつとなりました。
とはいえ、定価で購入しづらいという側面もあるため、定価で購入できた場合はラッキーだといえます。
おすすめの飲み方
深い味わいの「山崎12年」は、ストレートまたはロックがおすすめです。
グラスに注ぐ段階で芳醇な香りが感じられます。
山崎18年
希望小売価格(税抜き) | 3万2,000円(700mL) |
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 20万円前後 |
「完成された味」と評価されている「山崎18年」。
国際的コンペティションでも数々の受賞歴があることからも、その評価がうなずけます。
また、「山崎18年」はもともと高いウイスキーですが、取引されている価格も値上がっている銘柄です。
ネット通販を覗いてみると、20万円以上で販売する場所もあるほど。
大切な人への特別なお祝いやプレゼントに喜ばれるでしょう。
おすすめの飲み方
「山崎18年」も甘味が減ることから、ストレートあるいは水を少し加えた水割りをおすすめします。
山崎25年
希望小売価格(税抜き) | 16万円(700mL) |
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 100万~150万円前後 |
サントリー創業100周年記念に発売された「山崎25年」は、年間生産数が1,200本とレア感満載のウイスキー。
伊勢志摩サミットで各国首脳に対して振舞われたことでも話題になりました。
参考:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160773.pdf
定価で入手困難というだけでなく、インターネットで調べても100万円以上の高額品とされています。
おすすめの飲み方
希少価値が高い「山崎25年」も、見つけた際はぜひストレートでお楽しみください。
ストレートで味わうことにより、他のウイスキーでは味わえないハチミツのような飲み口を楽しめます。
山崎35年
希望小売価格(税抜き) | 50万円(700mL)※限定品 |
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 100万円~1,000万円前後 |
2006年に200本限定で発売された「山崎35年」は専用の小さなシェリー樽で熟成したモルト原酒と、ミズナラ樽の原酒を混ぜた至極の一品です。
一口飲んだら忘れられない奥ゆかしい香りなのか、インターネットでは「仏壇」とたとえる人もいるほど。
見つけた人はラッキーの超レアウイスキーです。
おすすめの飲み方
まずはストレートで、そのあとは少量ずつ加水していき、味の変化を楽しんでください。
山崎50年
希望小売価格(税抜き) | 100万円(700mL)※限定品 |
アルコール度数 | 57% |
購入価格相場 | 約3,250万円※オークション落札価格 |
過去に3度の限定発売があったレアウイスキーが「山崎50年」です。
- 2005年……50本
- 2007年……50本
- 2011年……150本
なかなか出合うこともないであろう「山崎50年」。
希望小売価格が100万円と破格であるだけでなく、海外のオークションで約3,250万円で落札されたというニュースは、ウイスキーファンを仰天させたことでしょう。
ウイスキーを実際に飲んだ方の感想を見ていくと、50年以上熟成されたウイスキーはオリエンタルな香りに包まれ、味わいから飲み心地までの全てに濃く余韻が残る「スゴイ」味わいなのだとか。
50年以上の原酒は、エステル化により華やかな香りが生成される一方、酸化や熟成に耐えうるお酒が少ないため、希少性が上がります。
希望小売価格だけでなく、オークションでの落札価格も破格なのは納得かもしれませんね。
おすすめの飲み方
前述の35年と同様、まずはストレートでレアな味わいを堪能しましょう。
そのあとは少量ずつ加水していき、味の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
山崎55年
希望小売価格(税抜き) | 300万円(700mL)※限定品 |
アルコール度数 | 46% |
購入価格相場 | 約8,515万円 ※当時のオークション落札価格 |
希望小売価格300万円の「山崎55年」は、「山崎50年」を越える最長年齢というだけでなく、ウイスキー愛を語る作文3テーマを書いた人に対して、国内抽選でしか購入の許されなかった幻のウイスキー。
ミズナラ樽で長期熟成された酒齢55年を超えるモルト原酒だけをぜいたくに使用した、超希少品です。
当時は東京オリンピック(1964年)と考えると、ロマンあふれますよね。
「山崎50年」を凌駕する濃厚な味わいは、飲み込んだ後も長い余韻が味わえるとされています。
また、「山崎55年」は2022年アメリカ・ニューヨークのオークションでおおよそ8,100万円、2020年の香港のオークションではなんと約8,515万円(現在のレートで約1億660万円)で落札され、日本で製造されたウイスキーのオークション最高落札価格を更新しました。
参考:https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061800446&g=int
https://www.winereport.jp/archive/2975/
山崎 Limited Edition2022
希望小売価格(税抜き) | 1万円((700mL)※限定品 |
アルコール度数 | 43% |
購入価格相場 | 約5万円前後 |
「山崎 LIMITED EDITION 2022」は2022年5月24日に発売された銘柄で、期間を分けて1,000本ずつ抽選にて発売されています。
厳選した酒齢12年以上のミズナラ新樽原酒(ミズナラ樽で最初に熟成したウイスキー原酒)をぜいたくにブレンドし、なめらかで厚みのある甘みと、いきいきとした果実味を感じる特別なウイスキーです。
限定品かつ数も少ないため、購入相場価格は今後もどんどん高騰しそうです。
参考:https://www.suntory.co.jp/whisky/yamazaki/news/108.html
おすすめの飲み方
最初はストレートに少し加水するかオンザロックでミズナラ樽熟成の特長をじっくりと味わい、最後は同じグラスにソーダを注ぐのもおすすめです。
甘酸っぱさとともに伸びやか、滑らかで厚みのある味わいを感じられ、心地よいスパイシーな余韻をたのしめます。
「山崎」が手に入りにくい理由
「山崎」のウイスキーは日本国内だけでなく、世界でも注目される銘柄のひとつです。
一方でここ5〜6年の間、材料不足や原酒不足での値上げや終売などといった知らせを見聞きするようになりました。
現に、山崎10年は原酒不足によって終売しています。
「山崎」が日本国内でもなかなか入手困難品とされているのには、以下の理由があります。
- 国外での需要が増加
- 国内でのハイボールブーム
- 買い占めによる価格高騰
詳しく見てみましょう。
国外での需要増加
ウイスキーは世界中で愛されているという背景から、海外全体的にも需要が増加しています。
特に「山崎」シリーズが海外からも注目を集めたのは、2003年に開催された世界でも権威ある酒類コンペティション「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)2003」。
同コンペティションにおいて、「山崎12年」が日本のウイスキーで初の金賞に輝いたことがきっかけだとされています。
「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)2003」を皮切りに「日本のウイスキーは海外で認められています」というマーケティングをした結果、海外でもブームが巻き起こり認知度が上がったのだとか。
Whiskeen編集部に所属する海外在住の筆者も、実際に海外のスーパーで「山崎」が売られていたり、日本食レストランで提供されていたりする場面を多数目撃しています。
国内でのハイボールブーム
国内ではウイスキーと炭酸水をミックスさせた「ハイボール」ブームがあったことが「山崎」の品薄に拍車をかけているとされています。
ハイボールが流行したのは、酒税法によりこれまで安価だった第2・第3のビールが値上げに追い込まれた頃。
サントリー社では国民のお酒離れを防止しようと、安価で手軽・ヘルシーをうたった「角ハイボール」を販売したところ大ブームに。
さらに、NHKの連続テレビ小説「マッサン」の放映も相まって、ウイスキーの需要は急激に高まりました。
結果的に、若い原酒で角ハイボールがつくられ熟成に回す原酒が減ってしまったこと、原酒の数が追い付かないなどの理由から品薄になってしまったのです。
3.買い占めによる価格高騰
ウイスキーファンや投資目的による買い占めが原因で起こった価格高騰も挙げられます。
海外での人気や国内でのハイボールブームを受けて、どんどんレアになっていく「山崎」。
さらに、終売などのニュースを受けて、高くても購入するウイスキーファンが増加します。
そのため、今では年数表記のある「山崎」の多くがオークションアイテムになってしまったのです。
さらに驚くべきは、「山崎」をはじめとするウイスキーの価格高騰を受けて、ウイスキーが資産運用の手法のひとつになっているという事実です。
新たな投資先としてウイスキーに目を付けた人たちが「ウイスキー投資」を始めたことにより、買い占めが発生していることも知っておかなければなりません。
まとめ
「山崎」は、サントリーの山崎蒸溜所が徹底的なこだわりを持って造った至極の日本産シングルモルトウイスキーです。
海外におけるウイスキーブームだけでなく、国内でのハイボールブーム・投資や終売を受けて買い占める希少価値が上がるなかでも、手に入りやすい「ノンエイジ」など一般市場に流通する「山崎」はまだ存在します。
もし居酒屋などで「山崎」を見つけたら、この記事を参考に、一度口にしてみてはいかがでしょうか?